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異世界でニートは英雄になる  作者: 相原つばさ
第二章 異世界生活
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第一六話 お屋敷と国王

 窓から日の光が差し込む。その日の光でうっすらと目を開けたタイガはぼんやりとした意識の中、身体を起こす。何回か目をこすり、欠伸(あくび)をしながら身体を伸ばす。まだ少し眠いタイガだったが、今の状況を見て眠気が覚めた。


「……ここ、何処だ?」


 タイガは部屋を見回す。ベッドの近くには木の机と椅子があり、どう見ても宿屋『ペガック』ではないと知る。ベッドから降り、靴の代わりに置かれていたスリッパを履き、部屋を出る。身体中の傷が無くなっており、痛みも感じない。


 ――背中思い切り斬られたんだけどな。傷口が塞がってる……


 そう思いながら部屋を出ると、無数の窓ガラスが飾っており、窓を開けると緑豊かな景色がいっぱいに広がる。


「綺麗だ……」

「おはようございます。ヤマト・タイガ様」

「うわぁ!」


 目の前の景色に感動していると、突然右から女性の声が聞こえてびっくりする。女性は黒のワンピースに、フリルのついた白エプロン。そして頭には白のカチューシャをしていた。タイガはネットゲームでしか見たことのないメイドを初めて目の前で見て、軽く興奮していた。


「あの、そんなにじろじろ見てどうされました?」


 ずっとメイドを見ていたタイガを不思議に思ったのか、首を傾げ聞いて来た。タイガは我に戻り、ここが何処なのか聞いた。


「ここはドルメサ王国の国王のお屋敷でございます」

「こ、国王!?」


 国王と言う言葉に、タイガは驚いてしまった。何故なら今まで国王と関わっておらずに、いきなり屋敷に連れられたのだから。


「あ、あの……何で国王様のお屋敷に……? もしかして俺、殺される!?」

「あの、落ち着いてください」


 一人で勘違いして、一人でテンパって、メイドの話を聞いていないタイガに痺れを切らせたメイドは――


「落ち着けって言ってんだろうがぁ!!」


 顔面にグーパンチで黙らせた。


「落ち着きましたか?」

「しゅ、しゅびばしぇんでした……」


 顔を思い切り殴られ、頬を腫れさせているタイガは、密かに決意した。このメイドは怒らせないようにしよう、と。


「それで、何で俺は王様の屋敷にいるんです? 俺の記憶が正しけりゃ、更地で寝ていたはずなんですけど」


 落ち着きを取り戻し、本題へと戻るタイガに、メイドは親切に答える。


「タイガ様は魔王の手下、ウリドラとの交戦後、ガリルを切らせて気を失ってしまいました」

「ガリル?」

「魔法を使う際に使われる、体内に宿っている魔力の事です」


 ――俺の体内に、そんなのあったんだ。まぁ、魔法が使える時点でそれがあるのは確実か。


「その後、(あるじ)の命により、ハスキーさんがタイガ様を担いでここまで連れてきたのです」

「ハスキーさんとは?」

「あそこで庭の整理をしている人です」


 メイドが先程タイガの開けた窓から指をさす。そこには確かに、黒いスーツを着た白髪のおじいさんがいた。


「え、あのおじいさんが……?」

「はい、ここの執事のハスキーさんです」


 ――あのおじいさんが俺を担いだ……? どんな肉体しているんだよ……


 メイドが先頭で歩き、部屋の案内をしていく。お風呂場、トイレ、キッチンetc.

 案内されていくうえで、メイドの名前を聞いていなかったため、タイガはメイドに聞くと、メイドの名前はシェスカ・ガイネルだと知った。


「そういえば、何で俺はここに運ばれたんです? 王様と面識ないのに」

「タイガ様は既に、ここの主である国王様と面識がありますよ?」

「え?」


 そう言われると、最後の部屋に到着した。今までの部屋と違って立派なドアをしていて、いよいよ国王様とご対面だと知ると、タイガは少し緊張した。そしてシェスカがド立派なドアをノックした。


「カリン様、タイガ様をお連れしました。中に入れてもよろしいでしょうか?」

「良いですよ」


 中から可愛らしい声が聞こえた。タイガはその言葉に疑問を思って思索に(ふけ)る。


 ――俺はここに来て出会ったのは、チンピラ五人に誘拐犯、ウリドラに『ペガック』のフロントのおっちゃん。そしてカリンとペル……その中で女の子はカリンの一人。そして今、部屋の中から聞こえた声は女の人の声。そしてシェスカさんは言った。既に俺と面識があり、尚且つカリン様、と。もしかして……


 短時間で導き出された答え、それは――


「おはようございます、タイガ。よく眠れましたか?」

「やっぱり……」


 ドルメサ王国の国王様が、カリンだという事に。


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