死の移動水族館!
しばらく人間界を様子見していた両派のサメ族たち。
相変わらず「イルカやクジラを守れ、サメは殺せ」な人間たちを見て、殲滅派は「やはりニンゲンというやつらは・・・」と思い、擁護派は「みんながみんなそうじゃないはずだ・・・サメ好きなニンゲンもいるはず・・・・」と思った。
そしてまた生態系とは関係なく、無差別に殺された進化し遅れた普通のサメの死体がそこにはあった。
そんな中「ざまあみやがれサメども!」と調子づく若者がいる中、「このサメが何をしたっていうんだ!おとなしい種類のサメじゃないか!」と抗議する人間もいたのだが・・・
それを見た殲滅派の一匹がサメ語で「もうゆるせん!敵討ちをしてやる!」と怒鳴った。
と発した。人間たちには言葉にもならん言葉を発する「変な人」にしか見られていない為、一部の人間はその姿を見て「隠し撮り」をしたり陰で「あいつおかしいわ」と笑ったりしていた。
しかしその笑い声がすぐに悲鳴となり、変な人だと思って撮った隠し撮り映像は恐怖の映像となる・・・。
数分後に空は青い、海も青いが、その場所だけはやたら赤い水が飛び散っていた。
たまたま無傷で生き残った先程抗議していた人間が警察に通報したが時遅し、警察が来た頃にはサメ族はその場から完全に撤収していた。
警察は現場検証を行っている最に「隠し撮り映像」を発見。撮影者の悲鳴、映像に映る怪物、そして人間たちが次々と人間業と思えない手法でやられる映像が生々しく残されていた。
サメ族は隠し撮りされていた事に気づいていたが、あえて撮られて映像が世界に公表されれば人間たちが撮った映像で人間たちを恐怖に陥れられると考えたのだった。
しかしサメ族の思惑とは違い、警察は地域住民の混乱を防ぐ為映像を隠蔽した。
いつまでたってもニュースにならない事に憤りを感じた殲滅派サメ族は第二の作戦を開始した。
入念に計画を立て、人を一人でも多く悲しませ、恐怖に陥れる手段を考えた。
最終的に「子供たちが集まる施設を狙って子供とその親たちを悲しませる」という方針に決まった。
そしてたまたま移動水族館が開かれる場所を見つけ、そこを狙う段取りをつけたのだった・・・。
作戦決行当日。
ドクターフィッシュに足を癒される親子を見てサメ族の一人が「コイ亜科類のこいつらは奴隷にされているのか!・・・許せん・・・」とサメ語でボソボソ喋った。
そして作戦開始時刻となった。
人間に擬態していたサメ族部隊が一斉に正体を現した。手には人間界の三又の銛を模した武器を持っている。
手始めに近くにあった移動水族館の電気設備を一つ破壊し人間めがけて投げつけた。
その姿を見て「ちょっと怖い着ぐるみの人たち」とサメ族を勘違いしていた人間たちは一斉にパニックに。そしてその銛を模した武器で人を叩き始めた。銛は刺す物であることを知らないのだろうか。
形状を見て叩くの適しない事に気が付いた一体のサメ族がそこにあった柱めがけて銛を刺してみた。
するとどうだろう。銛を抜こうとして柱ごとぬけてしまった。柱ハンマーの完成である。
これで本当に叩く道具と化した銛で逃げ遅れた子供を狙う!
子供はもう助からない! そう思ったとき・・・
どこからか飛んできた高い圧の水がそのサメ族に直撃!サメ族と柱ハンマーは吹っ飛び、子供は助かった。
その水が飛んできた方向を子供が見てみると、そこにはヒーロー然とした姿の者がいた。
その者がすぐさま子供にかけより「もう大丈夫だ。」と語った。
柱ハンマーのサメはサメ語で「貴様・・・何者だ」と問う。
彼は言った。「俺の名はシャークサバーカ!無差別な殺害は許さん!」と日本語で返した。
柱ハンマー鮫は柱ハンマーを再び手に持ちシャークサバーカに襲い掛かる。
しかしシャークサバーカは彼が次々と繰り出す攻撃をかわした後に手刀で銛の三又部分を破壊し、ハンマーどころか、銛ですらないただの長い棒にしてしまった。
柱ハンマー鮫改め、棒鮫はあきらめずにその棒を振り回して戦うが、シャークサバーカには通用しない。
一人では勝ち目がないと悟ったのか、そこで傍観していた仲間の鮫族を呼び、数の暴力でシャークサバーカを倒そうとした。
だがシャークサバーカはその上を行く。
どこから調達したのか分からないが、手榴弾らしき物を取り出し、彼らの方向に投げつけた。
棒鮫はたまたま手榴弾の存在を知っていたので「やばい逃げろ!」とすぐさまその場を離れたが、他の者たちは見たことの無いそれを見て好奇心で観察し出した。
結果は当然だが・・・。
パシャッ!ドカーン!
棒鮫以外は皆焦がし過ぎて食べるには適さない姿と化した。
あまりにも無残な失態をしてしまった棒鮫は勝ち目がないと判断して撤退した。
その後、シャークサバーカは人間の姿に再び姿を変えて何処かへ去っていった。
棒鮫はすぐに組織に報告し、新たなる脅威が地上にいる事を伝えた。
そして組織は人間に対する復讐だけでなく「シャークサバーカと名乗る者をどう倒すか」という事も計画する事になった・・・。
警察が現場を検証していると爆弾が爆発して焦げた魚の破片らしき物が飛び散っている事が分かった。
するとそこへ一人の男が現れ警察に言った。
「さっき柱とか棒とかを振り回してたサメみたいな顔した奴が爆弾を起爆させて一緒にいた銛っぽい物もった奴らを吹き飛ばしてました!きっと彼は正義の味方です!」と。
はて、その現場でその爆発を目撃した物は爆弾から間一髪逃れて生き残った棒鮫と救われた子供と爆弾を投げたシャークサバーカしかいないはず・・・。何故この男が爆弾が起爆した瞬間をしっているのだ?
しかも棒鮫が起爆した事になっているし、正義の味方扱いしているが・・・。
見ていないのに適当に虚言言ってるだけの人間かな?
しかし・・・「写真も撮ったんだ!でも起爆してる時の写真は撮れなかった!ごめん!」と言いながら棒鮫が手榴弾から離れてほかの仲間が爆死するサマを見ている姿の写真がその男から警察に渡された。
棒鮫は警察とその男との間にこんなやり取りがされている事を知らない・・・・。




