偽ブランド
は~、ため息を言った。
それは合図のようなものだった。
太田は藤崎を子犬のように見つめる。
「日米安保の反対派のことか?」
藤崎はうんざりげに言った。
おごりだから愚痴を聞いてやろう、と
いう微笑みを返した。
「安保は一部の人間だからいい。
やっぱりテロだな。
それとC国・・・」
太田は与党の若手実力派と称される政治家だった。
名探偵?の藤崎とは官僚時代の同期の仲である。
「領土問題か?」
「いや、偽ブランドだ。
業界から取り締まりを強く要請されている。
何かいいアイデアはないか」
太田はカウンターテーブルのロックグラスを引き寄せた。
そして残りのバーボンを一気に煽った。
―今回はテロリストと偽ブランドの問題。
この後、藤崎はどうやって解決するでしょう。
そしてこのショートショートのオチは・・・
皆さんも想像してみて下さい!
藤崎はニヤリとした。
まるで問題の解決を見たように。
そして胸に手をあてた。
「名探偵にお任せあれ」
この後、太田は極秘裏にC国に飛んだ。
そしてC国高官と協議を重ね、同意を得た。
C国の高官らも笑顔だった。
そして3ヶ月後、テロリストの国の勢いは明らかに弱まった。
それは偽ブランドの影響だった。
―さてここまで来れば、藤崎の提案を想像していただけたでしょう、
でもそれだけではありません。
ちゃんとオチがあります。
最後までお楽しみに。
「なんだこのロシア製の自動小銃は」
「5丁に1丁暴発するぞッ」
「30分ほど使い続けないと、暴発しない。
これじゃあ、どの銃が不良品か判別できない」
そうテロリストの国に偽のロシア製自動小銃が混じっていたのだ。
もちろんC国で作っていたものだ。
太田はC国に暴発する偽ロシア製自動小銃の製造を持ちかけたのだった。
C国は大きな利益をうることができ、
それと引き換えに偽ブランド品取り締まりの強化を同意させたのだった。
―さあ、あともう少し。
「藤崎、ありがとう」
太田は藤崎とグラスを合わせた。
太田は二つの問題を解決したと同時にC国に太いパイプを持つことができた。
藤崎は微笑んだ。
そして、一つ息を静かに吸い込んだ。
何かを決意するように。
太田はそれを見逃さずに、すかさず言った。
「ロシアンルーレットだったな」
藤崎は、オチを先に言われ、
思いっきり顔をしかめた。
―さあオチまで予想できたでしょうか。
でも、違う結末を作った人も、実は正解です。
それで、あなたは一つ短編を作ることができるでしょう。
これは私のストーリーの作り方です。
沢山の映画やドラマや情報番組を見て、ダメ出し、連想する。
そして、自分ならこういう話にする。
まあ、本物から違う話を作るのですから、
広い意味では偽ブランドのようなモノかもしれません。
お後がよろしいようで。




