表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

夏生詩集3

地面を舐めた

作者: 夏生

こどもの頃

地面を舐めた


どんな味がするのか

どんな感触なのか

どんなにおいがするのか


地面を見つめるほど

気になって

誰かに聞くことは

まどろっこしくて


地面にうつぶせになって

舌をのばして

ゆっくり舐めた


転んで口の中に砂が入ったときの

苦味と

舐めても舐めても

アイスクリームのように消えてくれない

もの悲しさと

かたい凸凹に舌が擦れて

痛いのとが

舐めるごとに押し寄せて


舌を口の中に戻すと

ざらついた後味が

あまりにさみしくて

泣いてしまった


泣きながら

地面を舐めた

うんともすんともいわない

地面を



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 不条理を飲み込んで 大人になるというけれど どうしても飲めないことがある。 でも、いつの間にか それは舌から染み込んでくる。
[一言] こどもの頃って、いろんなものに興味があって 大人になってからよく考えてみると「なにやってんだ(笑)」 と思ったりしますが、この詩では非常に物悲しさを感じます。 不思議な感じです。 微笑まし…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ