水川の家はすごかった!
「いやー、押入れの中見たらダメ! って言われて見ない奴はいないよなー」
これは数分前のこと
「なあ、森内、私の部屋の押入れはあける……なよ…」
「あー、わかったよ、開けないでおくよ」
よし、絶対開けよう! 帰ってすぐに開けよう!水川さん、これじゃあ自分から弱点を言ってるみたいですよ! 残念だったな! はっはっはっ!
「絶対だぞ! ……絶対に….……」
「分かったよ! 」
ってか、少し顔を赤くして、恥ずかしそうな顔で喋ってくるが、全然萌えない。だって、目の前にいるの俺の顔だもの……。水川がやったら可愛いんだろうなぁ。
「じゃあな、森内」
「おう、じゃあな」
よし、今度水川の体でいろんなポーズとかとってみよう。意外と萌えるかもしれない……理性は男だから
「お嬢様! 」
おいおいおいおい、誰だよ?俺をお嬢様って読んでるのは?
「お嬢様! 何をしておられるんですか⁈ 」
あっ、そうか、俺は今水川だったんだな。んー、ってかなんて返したらいいんだろうか?お嬢様みたいに「オッホッホー」みたいな感じか?
「お嬢様! お嬢様! どうしたんですか⁈ 」
「ああ、少し妄想の世界に入っていて」
や、やべえ! テンパって変なこといっちまったー! あっちも、本当にどうしたんだ?っていう顔してるよ!
「お、お嬢様、門限はすぎております! 早く帰りましょう」
「そ、そうね」
なんか裏声でしゃべってしまったー! こいつ、やべえっていう顔してるよ! 水川ごめーん! 俺いろいろとやらかしたわ
そんなこんなで、水川家の玄関まで辿り着いた。
「ふー」
「お嬢様、お入り下さい」
こいつは執事だろうか? 俺が家に入るのを待っている。やっぱ、金持ちは違うなー
ガラガラー
「ただいま………っ⁉ 」
何故父親らしき人物が玄関で座って、新聞を読んでいるんだ! これ、どういう状況⁈ まさか……これが水川家のしきたりなのか?
「姫子、今日は帰るのが遅かったな」
「今日はいろいろと学校であったんです」
事実をいうわけにはいかないから、テキトーに返しておこう。
「学校でいろいろとは何だ⁈ 不良に絡まれたのか⁈ もし、姫子に何かあったらどうするんだ! 」
おいおいおいおい、そんなこと俺に言われてもわかんねーよ、ってか、肩つかんでるけど少しいたいからね、
でも、そんぐらいに水川のことを愛してるんだな……
俺の親は………
「あなた、姫子が少しビビってるわよ」
いやいや、そこの奥さん、ビビってないですよ、引いてるんですよ
「もうすぐ、晩ご飯できるから姫子は自分の部屋で待っててね」
「わ……分かりました」
あー、姫子の出番が………