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俺が彼女で、彼女が俺で  作者: No name
神様の実験台にされた二人
4/6

二人の意外なる接点⁈

「ふー、学校終わったー! 今日も疲れたぜい! 」

誰もいない教室で、 大きく体を反らしながら里彦は言った。


「これから、一緒に行動することが多くなるかもしれないな、よ……よろしく」


姫子は恥ずかしかった。学校で、こんなに喋ったことはなかった。それも、クラスの中心である里彦と喋るなんてあるわけがなかった。姫子はいわゆる優等生で、スタイル抜群でありクール系女子の代名詞でもあった。逆に、そういうオーラが彼女から人を遠ざけたかもしれない。


「そうだな、これからは登校と下校は一緒だもんな」


「誰かにバレると、大変なことになるからな」


「ってか、お前ってそういうキャラだったんだな! 」


里彦はそういいながら、姫子に近づいた。


「……っ⁉ 何だ!きゅ…急に近寄るな!」


「んー、何か動揺してると言うか、何かなーイメージと違うなー」


それもそうだ。姫子は里彦にあとがれていた。自分が持っていないものを持っている。そんな憧れの人としゃべるのは動揺してしまうものだ。


「ま、まあ、速く帰るぞ」


「しゃーねーな、わかったよ」

里彦は渋々自分のカバンをとり、二人は教室をあとにした。


「言ってはおくが、私の家には門限というものがある」


階段を下りながら姫子は里彦に話を持ちかけた。


「へー、そうなんだ。で、何時なんだよ? 」

「五時だ」


「へ〜、そうか………っ⁉ はっ⁈ もう四時半だぜ⁈ 寄り道出来ねーじゃねーか! 」


一瞬納得した里彦であったが、よく考えるとあと三十分しかないことに気づき、驚いた。


「そうだ、門限は五時だ、そもそも寄り道なんか必要ではない」


「おいおい! 今日は俺のスイーツ日何だぜ! 月一の楽しみが……」


「今なんて言った⁈ 」

姫子は里彦に詰め寄り、顔を近づけ聞いた。


「ス、スイーツって言いましたけど……お前もしかして! 」


「ち、違う! 私はスイーツなんか……食べたく………」

少しもじもじしながら、姫子は答えた。


「本気は食べたくてしょうがないんだろ! 隠すことねぇって! 俺について来い! 」


そう言った里彦は姫子の腕をガシッと掴み、階段をかけて行く。


「……お、おい! 」


そんなことを言いながら、腕を掴まれて少し嬉しかった姫子であった。




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