at school
キーンコーンカーンコーンーー
「おい! やべぇぞ! 遅刻しちまうぞ、水川! 」
里彦たちが通ってる学校は八時二十分と二十五分に鳴り、さっきのチャイムというのは八時二十分のチャイムである。
「ああ、分かった……」
水川の方はまだ体が入れ替わったことに動揺していて、足が動かすことが出来なかった。
「んー、シャーねーな、ほら!」
そう言った里彦は水川に手を差し伸べ、引き上げた。
「あ、ありがとう、でも、男子が女子に助けられるって何かおかしくないか? 」
皆さんも分かっているだろうが、この二人は体が入れ替わっていて、女が男を引き上げるという、大変みっともない光景となっている。
「そんなことより、速く学校行くぞ! 」
「あぁ、分かった……それよりもお前って優しいんだな」
「何か言ったか?」
「な、何でもない! 速く行くぞ」
at 学校
「おはよー! 里彦、今日は遅かったな、何かあったのか? 」
里彦に喋りかけたのは、里彦と仲のいいの友達だった。
「あー、別になんでもねーよ」
みんなが唖然とした。
「あれ? 何でみんな黙ってんだよ」
すると、里彦は後ろに引っ張られるように廊下に出た。
「何を考えている! その体は私のだぞ! 」
水川は怒鳴るように言った。
「わ、悪りぃ、ついいつものように」
「ま、まあいい、今日はお互いに気お付けることだな、対策は今夜練る」
そんなこんなで、二人は学校を乗り越えた。