朝の時間
ピピピピ・ピピ
ガチャ。
目覚まし時計を止める。
朝がきた。
日差しがカーテンに差し込む。
機械に起こされる感覚。
起きたくない・・・。
寒い空気に触れたくなくて、頭から布団をかける。
まだ寝てたい。
暖かい・・・・・・。
・・・・・?
一気に起き上がる。
周りを見渡すといつもと違う光景。
ここは、人間の住む土地。
昨日のあったことすべてが、頭の中を流れる。
私は、ここに住むことになった。
何もかも思い出す。
あぁ、お兄様より遅く起きたの!?
早くも自分の失態に気づく。
だが、過去は変えれない。
用意された服に腕を通す。
なんなのでしょう?この服は・・・?
あまり考えないで急いで着る。
部屋のドアを開けた。
すると優雅に座る有紀がいた。
「おはよう、桜蘭。似合っているね制服・・。」
安心そうに見つめてくる。
「これは、私の通う学校の制服ですよね、お兄様。」
最後の一言に笑いを霞める。
「そうだよ。僕の一緒に行くから、安心して。」
朝ごはんの準備をするのか、キッチンに立つ。
慌てて、桜蘭も並ぶ。
その様子を見ていた有紀は微笑みながら
「じゃあ、そこからコップ取ってくれる?」
何もかも分かっているような口っぷり。
ーーーーお兄様はいつもこうだった。
小さい頃、何度も感じた思いだ。
私の事を一番理解していた。
そばにいて、見守ってくれてた。
だから、私はお兄様が好きなんだ。
再度自分の気持ちを思い返す。
ぼぉーっと遠くを見ている桜蘭の前に手が通る。
「おーい?大丈夫?」
確認してくる。
はっと現実に戻る。
「大丈夫です。食べましょう!」
気を取り直して、椅子に座る。
目の前には、お兄様・・・。
いつもと違う風景にはらはらする。
兄に悟られないように隠す。
きっと、気づいてるでしょうけど・・・。
見かけだけでも繕ってみせる。
ーーーーこんな日々が続くのね。
期待と不安が入り混じる。
いろいろ考えているうちに、静かな朝食時間だった。
「もうそろそろ行くよ。桜蘭は僕の妹ね、。」
最後に確認して私たちは玄関を出た。
さぁ、学校に行きます!!
密かに意気込むのだった。
短いですが読んでいただきありがとうございます!!