表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
雪の華姫  作者: 紅千架
2/3

秘めた思い

「桜蘭姫、私が行けるのはここまで・・・。

どうか、戻ってきて下さい。

その日を楽しみにしてます・・・。」

いつもより、悲しみの溢れる菊の声。

聞いてるだけで、自分も悲しくなってくる。

だからといい、弱音を吐いてはいけない。

「菊、私は大丈夫。元気でね・・・。」

色々な気持ちが混じりあっていた。

だから、後ろは振り向かなかった。いや、振り向けなかった。

菊の嗚咽が頭の中に、木霊していた。






雪の降っていた世界から、人間界へ足を踏みいれた。

まっていたのは、別世界だった。

物凄いスピードで車は走り、しかも人まで乗せている。

まるで、自分に迫りくる弓の様。

建物は、木で作られてるのではなく、コンクリートで建っている。

しかも高さが異常に高く、落下してきそうなほどに不気味に感じた。

「・・・。」

何も言えないほど驚いた。

たぶん、その時私の口は空いてただろう。他人から見ておかしなほど。

すれ違う人は、機械のように歩き規則どうりに時間は流れていた。

自分の考えてたものとの差に、ただ立ち尽くしていた。

「大丈夫?こっちに来て。」

行き成り、手をぐっと引っ張った。

その長身で顔のいい男を見ると、見覚えがあった。

男はため息をつき

「君は桜蘭姫だよね。僕のこと分かる?」

この質問を聞き、必死に頭の記憶を掘り返した。

数分考え込むと1人の人物が湧き出てきた。

「もしかして、お兄様?」

信じられない答えが、自分の口から漏れていた。

これは本当なの・・・??

疑問と不安が入り混じった。

「よくわかったね。ご名答。

兄の有紀だよ。覚えてくれていて嬉しいよ。」

歓迎の言葉が返ってきた。

「本当に・・有紀お兄様なのですね。

生きていらっしゃって良かった。」

心からの思いを伝えた。

昔、私が生まれて間もない頃によく遊んでくれていた。

優しく、私の面倒を見てくれた。

だが数年たつと兄は、人間界に旅立ってしまった。

その頃はただ兄に置いて行かれた不安と、悲しさしか記憶にはなかった。


もう、一生会えないと思ってた人物に会えた。

なんていう幸せ。


幸福感に2人とも満たされてた。

すると、菊から言われていた話が頭に浮かんだ。


「いいですか?人間界には、補佐がいます。

補佐の雪花族の人間に声をかけられます。

そのひとが、貴方になにをするのか、すべて教えてくれるはずです。

その人の言うことを、必ず聞きなさい。」


念に言われて、耳に蛸ができそうなほど言われた言葉を思い出す。

「有紀お兄様、私の補佐官ですか?」

有紀は一瞬驚き笑顔でこう言った。

「そうだよ。これから、一緒に暮らしていくからね、よろしく。」

手を出されて、反応して自分の右手を出し握手した。

ここから、人間界1日目がスタートした。




部屋に案内された。

広くて景色のいい位置だった。

ここなら、やっていけそう。

心に余裕ができると、急に眠気が襲ってきた。

目をこすると、余計に眠くなる。

「桜蘭、今日は安心して寝よう。」

大きなベットに入り目をつぶる。

有紀の手のぬくもりを、頭に感じながら。

寝ようとして、意識を手放した瞬間有紀の声が聞こえたような気がした。


「僕は君のお兄さんに、なるから。」


この言葉を理解できずに、意識を閉じた。

「有紀であってそうではない。」


この意味に何があるのか・・??

この意味は、あとあと分かります。


読んで下さり、感謝!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紅千架に清き一票を~(笑) お願いします!!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ