表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

摩訶不思議食堂のほっこり飯

水流光史の口を慎むほっこり飯

作者:修羅観音
最新エピソード掲載日:2026/03/08
京都で平凡な幸せを享受していた40代半ばの会社員、水流光史。中学時代は陸上部に明け暮れたが、今は妻と中学2年生の息子・光男と共に穏やかな日々を過ごしている。ある日、光男がピアノを習いたいと宣言した際、光史は「男がピアノなんて」と無意識の偏見を口にするが、家族の純粋な想いに触れて考えを改め、中古のピアノを買い与えて応援するようになった。

しかし、その平穏は突如として崩れ去る。光男が絶望した様子で帰宅し、音楽教室の岸本先生から「君は父親に傷つけられる前にピアノを辞めたほうがいい」という不可解な忠告を受けた。憤りを感じた光史は翌日、音楽教室を訪ねて岸本と対峙する。

そこで突きつけられたのは、30年前の記憶だった。岸本は光史の中学時代の陸上部の1年上の先輩だった。当時、光史は岸本がピアノを弾くことを執拗に囃し立て、卒業の色紙にまで残酷な言葉を書き連ねていた。岸本は復讐心からではなく、光史の言動を「男性がピアノを弾く事を卑下すべき対象と認識している」と捉え、光男が父親に傷つけられることを本気で案じていた。

光史は「昔のことを根に持っているのか」と声を荒らげるが、岸本は穏やかに「そんなこと(復讐など)をする理由がない」と返す。岸本は、当時光史が放った数々の言葉を「1つも受け取らなかった」ため、恨む必要すらないと静かに告げた。自分の未熟さと、向けたはずの悪意が相手に届きすらしていなかった事実に、光史は打ちのめされる。

逃げるように教室を後にし、夜道を力なく歩く光史の前に、銀髪の不思議な少女「えらいこっちゃ嬢」が突如として現れる。彼女は光史をじっと見つめ、彼が自覚のないまま何か重い荷物を背負い、押し潰されかけていると指摘した。少女は「えらいこっちゃ」と連呼しながら、光史の手を強引に引き、闇の向こうへと導いていく。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ