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第5章 嘆かわしきは人の愚かさ

 私たちが見ているものは、全宇宙のほんの一部であり、ほんの一瞬でしかない。

 私たち人間は、ミミズよりも多くの知識を持っているだろう。

 多分、地球上のどの生物よりも高度な知能を有している。


 そんな生命体である人間は、どこまで見通せるものだろうか?

 目に映る景色の中には無数の意味が隠されている。

 それをあまなく解読するだけでも大変な作業である。

 ある意味で、人間にとって、地上は十分な世界なのかもしれない。


 でもね。

 僕たちが見ているものは、この宇宙の中のほんの一部でしかない。例えるなら、海底に沈むピンポン玉の中で生きているようなものだ。

 僕たちはピンポン玉の外の世界を知らない。

 外には海があり、更に上には青空が広がる空間がある。

 そして、その向こうにも・・・。

 でも、僕達が見ているのはピンポン玉の中の狭い空間だけなのだ。

 そして、見えないものを考察する能力も低い。


 ほとんど何も知らないと言って良いと思う。

 もし、全てを知る者が存在するとすれば、人間なんて哀れなほどに愚かで無知に見えるだろう。それは、人間がミミズを見て思う以上のものかもしれない。

 人間が生きる時間など、宇宙の中ではほんの一瞬であり、生涯を賭けて知り得る世界も実に狭く、哀れなものだ。


 そんな一瞬と限られた視野の中で、一体、何ができるのだろう?

 必死に何かを見つめ、必死に何かを研究しても、知れる範囲などしれたもの。

 宇宙は無限に広がっている。

 未来は遥か先まで続いている。

 絶対に届かないほどに広大で、未知だらけである。


 なんて、言いながらも、そこに手を伸ばしてみたいような気もする。

 終わりなきドラマを見るように、新たなる感動を期待して見続けたいという気持ちがないわけでもない。


 知りたい。

 知りたい。

 もっと、いろいろなことを知りたい。

 真実を知りたい。

 きっと、その願いが、少しずつピンポン玉を広げてくれるだろう。

 宇宙の中では誰も気づかない程度の膨張だろうが、ほんの少しだけ広がるのだ。

 そして、いつかは殻を打破れるかもしれない。


 ああ、嘆かわしきは人間の低能さ。

 この貧弱極まりない馬鹿な生命体から抜け出し、もっと広い世界を泳いでみたい。


 というわけで、頑張る人間を否定はしないが、どうせ馬鹿なのだから、ボチボチとゆっくり歩けばいいんじゃないかと思う次第だ。


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