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第4章 無視すること

 この世界に不要な生命体などありはしない。

 もし、不要だと判断できるものがいるとしたら、それは神様くらいのものだ。

 だから、全ての生命体と共存しなくてはならない。

 要するに、基本的に好き嫌いで、他人や事象を判断してはいけないのだ。

 全ての存在を認めること、それが重要事項である。


 目を閉じて、平和で安らかな内面世界を思い浮かべてみると、本当に気持ちが良くなる。

 安らかな世界、安らかな音楽、そんな中で、ずっと泳いでいたなら、きっと楽しいであろう。


 でも、目を開くと・・・、

 残念だけど、現実世界は、そんな安らかな世界とはほど遠い。

 世界は薄汚れ、自分本位な奴らの欲望が渦巻いている。まるで、渇望に身を任せて奪い合うように、世は流れていく。

 まあ、こういう劣悪な現実があるから、安らかなる内面世界が余計に引き立つという効果もあるのだが、その利点は置いておくとしよう。


 今日も、テレビでは政治家たちがけなし合いを演じ、どこかの国では機関銃を抱いた兵士がジープで街を駆け抜けている。

 「ああ、なんて馬鹿馬鹿しい世界だろう。」

 「ああ、実にくだらない。」


 この人たちは、目の色変えて、何をやっているのだろう?

 競争、論争、戦争、そんなプロセスを通して、より強いものを存命させるゲームに、今日も没頭する愚か者達だ。

 その行き着く先に、素晴らしい未来があると思っているのだろうか?

 無数の夢を砕きながら進み、自らの夢だけかなえて満足なのだろうか?

 その正義とやらは、人類の未来にとって、本当に良いものだろうか?

 そんなやり方で、人の命を淘汰するのが正しい選択なのだろうか?


 そんな馬鹿馬鹿しい社会など見なければ良いのだ。もし、見えてしまったら、否定するのではなく、無視すればいい。ネット上に出現する悪質な広告のように、いつか、誰かが削除してくれるまで、知らんふりして触れなければいい。


 この世界に不要な生命体など、ひとつもありはしない。

 植物も動物も微生物も・・・。

 日本人もアメリカ人も中国人も・・・。

 貧乏人も金持ちも脱落者も・・・。

 そして、多くの不幸や憎悪を生み出す悪人も、である。

 それら全てを受け入れた時、人は戦争など、する必要がなくなる。

 あいつは良い奴だとか、悪い奴だとかではなく、存在するものの全てを受け入れることができれば、少なくとも争いの根源は消失する。

 逆に言えば、それができなければ真の平和などあり得ない。


 そんな日がいつか来るのだろうか?

 周りを見れば、あれが正しいだとか、あの国は悪い国だとか、そんな声のオンパレード。そんな現世を見てしまうと、おそらく、そんな日は来ないのだろうと落胆するしかない。

 悲しい。

 弱者は、それに怯えて暮らすしかないのだ。


 でも、他を否定し、自己優先するのが人間の本性というものだろう。そして、やたらと、白黒つけたがり、黒を叩き、自分は白だと言い張るものだ。別に、白だって黒だっていいだろうに、実に馬鹿馬鹿しい。


 もし、あなたが、そんな世界とは無縁でいたいと願う尊い心の持ち主であるなら、心の楽園を構築する第一歩として、くだらないものは、全部無視することをお勧めする。

 そして、そんな馬鹿な人間達に落胆しながらも、「仕方ないな」と受け入れることも忘れてはいけない。


 自分という楽園を構築することができたなら、後は、ダラダラと暮らせばいいだけだ。

 きっと、それで、全てが上手くいく。

 その世界が見えたなら、そこに向かって進むだけである。


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