第13章 泡沫夢幻(ほうまつむげん)
人類の歴史を読み解けば、まるで屍の山の上に立っているようなものだ。
夢を追って挫折したものの血と涙。
ひとりの支配者の欲望のために犠牲となった名もない兵士。
無慈悲な結末に泣き叫ぶ声は届かない。
大地と空は、そんな歴史を見つめながらも、乱れることなく自らの役割を全うする。
例え、瞬時の栄光を得たとしても、
並外れた高みに到達したとしても、結局、ひとりの人間が成したことなど、儚いものだ。
幾千の時を紡ぎ、万の歴史を刻めば、多少の意味を成すのかもしれないが、それを個人の成果として確立するのはかなり困難なことである。
もちろん、世の先頭を走る充実感を欲するのであれば、栄光を夢見て走るのも良かろう。しかし、そんなことは、誰にでもできることではない。
どちらかと言えば、できないのが普通である。
何かを成し遂げようなどという夢が、泡沫の如く儚いものであるなら、無理して追い求める必要などあろうものか。
野望を胸に疾走する狂人達。
名声を欲するエリート達。
賞賛に酔いしれる夢想家達。
すべては、泡沫夢幻。
やりたい人間はやればいい。
でも、無理して、世を発展させることは、ある意味で終末の時を目指して突っ走るようなものである。枯渇した心の空白を埋めるが如く、欲望という名の渦に巻き込まれ、人は迷走する。その先に待ち受ける結末がどんなものなのかも知らずに・・・。
先を急げば怪我をする。
ゆっくりと、まったりと進む方が良い。
全ては、マイペース。
ダラダラ生きれば、全てよし。




