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カミラが微かに離れた後、アークレインは静かにレティシアの腰に手を回したまま、柔らかく微笑む。


「踊ろうか」

低く落ち着いた声。その響きだけで、胸の奥の焦れがさらに膨らむ。


レティシアは一瞬、驚きと喜びで息を吞む。

「……ええ……」

淑女としての優雅な微笑みを保ちながらも、体は自然とアークレインに寄せられる。


舞踏会の中心へと二人は歩み、光が揺れる広間の中で足を合わせる。

音楽が始まると、アークレインの手はしっかりとレティシアの腰を支え、もう一方の手で彼女の手を優しく握る。


「……っ……」

レティシアの心臓は早鐘のように打ち、頬は熱を帯びる。

目の前のアークレインは穏やかに笑みを浮かべ、まるで二人だけの世界に入り込んだかのようだった。


アークレインの視線が深くレティシアの目に絡み、微かに首を傾げて囁く。

「君の心、ちゃんと感じてる。言っただろ。好きになるって」


レティシアは息を詰め、視線を逸らそうとするが、彼の手の温もりと確かな腕の感触に心が解けていく。

無意識に腕に力が入ると、アークレインはそれを優しく受け止め、笑みを深めた。


周囲の煌めく光も、他の貴族たちのざわめきも、二人の間には届かない。

舞踏会の中心で、時間がゆっくりと流れるように感じられた。


「……アークレイン様……」

レティシアの声はかすかに震えるが、甘く、切ない響きを帯びる。


アークレインはその声に応えるように、さらに優しく体を寄せ、二人の距離を縮める。

「俺のこと、もう少し意識してくれてるんだろう?」


レティシアは微かに頷き、視線を落とす。

頬を赤く染めながらも、舞踏会の光の中で、二人だけの世界に身を委ねることを選んだ。

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