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舞踏会の広間は煌めく光に満ち、優雅な音楽と談笑の声が溢れていた。

レティシアは深い青のドレスを揺らし、胸の奥の焦れを抑えながら、アークレインの姿を探していた。


すると、広間の入り口から颯爽と現れる赤いドレスの女性――カミラ。

幼いころからアークレインを慕っていた彼女は、華やかな微笑みを浮かべ、一直線にアークレインの元へ。


「アークレイン様……お久しぶりね」

カミラの声は柔らかく、優雅で、けれど確実に心を揺さぶる響きがあった。


アークレインは微笑み、礼儀正しく応じる。

「久しぶりだな、カミラ」


アークレインは微笑みを返すが、視線はまだ周囲を探るように、レティシアの存在を確かめてはいない。

カミラはそれを察し、にやりと微笑む。


「……あら、今日は誰かと来てるのかしら?」

言葉の端々に挑発が混じり、視線はまっすぐレティシアを捉える。


レティシアの胸は跳ね上がった。

(……っ……っ……アークレイン様……見て……っ……!)

無意識に体が少し前に傾き、手のひらが軽く握りこまれる。


すると、カミラが微笑み、軽く腕に触れるその仕草――それを目にした瞬間、レティシアの胸は跳ね上がった。


(……っ……っ……許せない……!)


令嬢として冷静を装おうとする理性は、胸の奥の熱に圧倒される。

呼吸を整えようとしても、視線は自然とアークレインとカミラの間に吸い寄せられ、心臓の鼓動は高鳴るばかり。


「……っ……」

レティシアは思わず歩を進める。足取りは静かでも、内側の焦れは抑えられない。


カミラがアークレインに微笑みかけ、楽しげに話す。

アークレインは穏やかに応じながらも、まだレティシアの存在に気づいていない。


レティシアは意を決し、ゆっくりと距離を詰める。

そのまま、自然な振る舞いのまま――しかし心の奥では嫉妬の炎が燃えたまま――アークレインの腕に手を伸ばす。


「アークレイン様……」

声は落ち着いているが、手は迷わず彼の腕を掴んだ。


アークレインは一瞬、驚きの色を見せる。

しかしすぐに冷静に状況を把握し、目だけでレティシアを見守る。


レティシアの握る腕からは、嫉妬と焦れが伝わり、普段の完璧な微笑みの奥に隠された、熱く甘い衝動が感じられる。


カミラは一瞬、微かな動揺を見せるが、すぐににっこりと微笑む。

「ふふ……なるほど、レティシア様も嫉妬するのね」

その声には挑発と興味が混ざっており、レティシアの胸の熱はさらに弾ける。


レティシアはわずかに体をアークレインに寄せ、視線を逸らさずに彼を見上げる。

「……っ……」

言葉は出ない。ただ、腕を握った手と視線だけで、心の焦れと感情を伝える。


レティシアは腕を握ったままアークレインの視線を見つめる。

胸の奥の熱と焦れが、抑えきれない衝動となって体を支配していた。


「……っ……」

小さく息を漏らすレティシアに、アークレインは嬉しそうに微笑みを返す。


そしてそっと、レティシアの腰に手を回し、自分の方に引き寄せる。

わずかな距離――それだけで、胸の奥が高鳴る。


「やっと見つけた」

低く静かな声に、甘さと喜びが混じる。

レティシアは視線を逸らすことなく、頬を微かに赤らめながらも、その距離に体が自然と反応する。


カミラはその光景を見て、一瞬眉をひそめる。

でもすぐに微笑みを作り、少しだけ嫉妬を滲ませた。

「……なるほど、やっぱり彼女は特別なのね」

言葉の端には、挑発とも取れる軽い嫉妬が含まれている。


しかし、アークレインはその表情を見ても動じず、レティシアだけを見つめ続ける。

「レティシア……俺の隣にいてくれ」

手をそっと腰に添えたまま、視線で甘く確かめる。


レティシアの腰に手を回し、嬉しそうに引き寄せるアークレイン。

二人の間には、周囲のざわめきも届かないような、静かな濃密な空気が漂う。


そのとき、カミラが微笑みを浮かべながら声をかける。

「アーク、ちょっといいかしら?」


レティシアは胸の奥がきゅっと締め付けられるのを感じ、自然と腕の力が強くなる。

アークレインも一瞬、視線をカミラに向けるが、手は離さずにそっとレティシアの腰を支えたままだ。


カミラはにこやかに微笑みながらも、その目にはわずかな嫉妬の色が滲む。

「この間の話、もっと詳しく聞きたいなって思って」

彼女の声は柔らかく、でも確実に二人の距離を意識させる挑発のようでもあった。


レティシアは自然と背筋を伸ばし、表情を完璧な微笑みに整える。

「ええ、そうですか……」

その声にはわずかに焦れも混ざっている。けれど淑女としての落ち着きは崩さない。


アークレインは軽く肩をすくめ、わずかに口角を上げる。

その微笑みは、レティシアの嫉妬と焦れを喜びとして受け止めるようで、さらに心を高鳴らせた。


カミラの存在は、二人の間の距離を意識させる強い刺激になっていた。

レティシアは思わずアークの腕に軽く体を寄せ、目を細めて視線をアークレインに向ける。


「……まだ、私のこと……見てくれてる……よね?」

心の奥で問いかけるように、無言の意思表示。


アークレインはその視線に応えるように、ほんの少しだけ体を近づけ、優しく微笑む。

「もちろんだ。誰よりも、俺は君を見ている」


カミラはそれを見て微かに唇を噛み、嫉妬を隠しながらもその場を後にする。

レティシアの胸は跳ね、アークの腕に寄せる体は自然に熱を帯びた。

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