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ワールズストレンジャー  作者: 遊戯九尾
第三章 高脂菓子王国スイーティーパラダイス
14/19

新たな四課の隊員

城内で戦闘状態になり、スレイ達は謁見の間から扉を蹴破ってでも抜け出す。兵士たちが近づいてきては武器を振るってきたが、スレイはチェーンソーで兵士の首を飛ばす。そのままルーデンスがドリル型のかき混ぜ器で迫り来る兵士をぐちゃぐちゃにした。


「わあ,結構バイオレンス」


ルーデンスが武器の威力を見て驚く中、サーシャが包丁で兵士を切り刻み、道を切り開く。


「行って!」

「あぁ!」


そうして6人は逃げるが、チョコのアーマーで固められたフルアーマーの騎士が現れる。ルーデンスがかき混ぜ器を騎士に突き立てるが、ダメージは入らず、槍で振り払われる。


「くそっ! こいつ硬いぞ!」

「硬いなら硬いなりに弱点はあります」


レインが計量スプーン型の杖を振るうと、能力が発動し、チョコの騎士が凍りつく。何も鎧を破壊しなくても無力化すればいいとレインは言うと、スレイ達は再び走り出す

走っていると城門前まで来るが、城から街への橋が封鎖されていた。


「俺がやる!」


スレイが時間を加速させると、チェーンソーの出力を上げ、兵士たちに向けて切り掛かった。高速で迫り来るスレイの攻撃に対応しきれず、兵士達は次々と切られては倒れていく。そうしていると道が開いた。


「とにかく逃げるぞ!」


ルーデンスの言う通り、スレイ達は城から出ると城門と橋を通り、街に出る。カラフルに塗られたお菓子の街は今のスレイ達の姿を隠すにはぴったりで、暫く走って横道にそれて隠れたら、簡単に兵士たちから撒くことができた。


「これからどうする? 王様は話を聞いてくれなかったし、ありゃ重症だぞ」

「しかも兵士から追われることになった、私達はもう指名手配班でしょう」

「どうにかして誤魔化すことはできないの?」

「無理だな、ステルスクロークとかあれば話は別なんだが…」


そう言ってると、近くに人影があるのが見えた。パティシエの姿から元に戻ったダリルが戦闘態勢に入るが、次の瞬間言われた言葉でその不安も無くなった。


「あーちょっと待つっす。きりちゃんは敵じゃないっすよ」

「敵じゃ…ない?」


敵じゃないとなると、あり得るとしたらWS社の社員か…もしくは、イストリアの人間だろう。すると、目の前に立っていたのは少女で、少女は事情を説明し始めた。


「どうも、イストリア第61支部異世界特別調査隊四課所属の門崎かんざき 桐枝きりえっす、よろしくっすよ、WS社のみんな」

「よかった……特査四課の人だ…」


敵じゃないと知ると、サーシャはホッとした。そんな中で桐枝は6人のメンバーに対してこう言う。


「これから、WS社のサポートの担当は、きりちゃんが務めることになったっす、まぁブラックな仕事っすけど,お互い仲良くしましょ」


桐枝が握手を求めてくる。スレイはその握手に応じるが、やけにフレンドリーな隊員だなとスレイは思った。


「きりちゃんのこと、仲良くしてくれそうな隊員だと思ったっすか? 当然っすよ、裏路地の住民でも理由はいろいろあるっすからね、きりちゃんは差別はしないんで」


桐枝の優しさが、対策チームの身に染みる。だが、スレイ達は思い出した、メイの死について、だがここでローランドが思いもよらぬことを言う。


「第61支部はミズガルズの支部、ミズガルズの特査四課は特別と聞く」

「特別?」

「噂だと、世界を救った部隊だと聞きました、本当かどうかは分かりませんが」


ローランドがそう言うと、桐枝は胸を張るが、だが「機密事項っす」とはぐらかした。


「とにかく、きりちゃんがきたからにはもう安心っすよ、向こうの兵士達も、流石に特査四課には下手に手は出せないっす」

「何故?」

「そう言う決まりだからっすよ、特査四課はあらゆる手段で問題を排除する部隊、そんなものに触れたら大変な目に遭うって彼らは分かってるっすからね」

「こんなこと、俺たちに話していいのか?」


四課のやることは表沙汰にはできないことだろうとスレイはいう。しかし桐枝は大丈夫っすよと返した。


「WS社とイストリアはいわゆる提携を結んでるっす。よって、WS社もある程度こちらの情報に触れることができる、四課のことが知れるんすよ」

「なるほど…それで、これからどうするんだ?」

「王と謁見してもダメだった、なら、直々に魔想体の回収に行くしかないっすね、けど、おそらくお菓子工場は厳重な警備に身を固められてるっす。そこで、警備が薄くなる夜間を狙って侵入を試むっす」

「分かった、じゃあ今夜決行だな」

「あーそれはできないっすね、今夜は王が見物に来ると情報が出てるっす」


さっさと侵入して回収したいのに、王が見にくるなんて厄介だとスレイは思った。


「そう焦らずとも、明日の夜に魔想体の回収に向かえばいいっすよ、魔想体は逃げも隠れもしないっすから」

「それもそうか…」

「一度、態勢を立て直す時間が必要っす。それに、ここの観光まだできてないっすよね、菓子折り買ってきたんで皆で味わって欲しいっす」


桐枝がそう言うと,お菓子が大量に詰まった袋を渡してきた。罠かとスレイは疑うが、桐枝がいう。


「それはほんの気持ちっす、毒も入ってないし今問題の証じゃないっす、美味しくみんなで食べて欲しいなぁって買ったんすよね」


悪意はなさそうだった。菓子を受け取ると、スレイ達は一度バスに戻ることになった。


「また明日、まぁ昼にでもまた会いましょうっす!」


そう言われて桐枝と別れ、バスの中に戻ると、どこかるんるん気分なフィアネリスが待っていた。


「おかえりなさいませ♪ 任務、どうでしたか?」

「国王に説得してもダメだった、こうなったらと直接魔想体を回収する事になった」

「そうですか、桐枝さんとはどうでしたか?」

「別にこれと言って悪い奴には見えなかったけど…フィアネリス、桐枝と知り合いなのか?」

「ええまぁ、最も、この"次元"の彼女と私は面識はありませんが、とても明るくて良い方ですよ」


次元、と言うのが気になったが、どうやら桐枝とフィアネリスは関係を持っているらしい。そのことにあまり触れはしなかったがフィアネリスが桐枝のことを話す時、どこか懐かしそうにしているように見えたのだった…。

桐枝についての話は「ヒトとキツネの異世界黙示録にて出てきます。そちらの方も読んでいただければ嬉しいです

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