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第2話 門

目の前に大きな門があった。

漆黒に輝く洋風のその門は

そこから伸びている

古めかしいコンクリートの塀とは

対照的に真新しかった。

そして無機質なコンクリートの塀は

来る者を拒絶するかのように

外界との境界線をはっきりと引いていた。

しかし周囲に他の建物は見当たらない。

それならば。

これほど強固な境界線を

引く意味がないようにも思えた。


静かだった。

なんて寂しい処だろう。

それが第一印象だった。


鳶が「ピーヒョロロ」と啼いていた。


朝臣市のこんな山奥に

ペンションを建てるなんて

オーナーの須藤晴明という人は

よほど変わった人物に違いない。


僕は恐る恐る取手に手をかけた。

その荘厳な門は

するりといとも簡単に内側に開いた。

体を中に入れてから

振り返って門を閉めた。

途端に門の向こうが遠い彼岸に思えて

僕はしばらくその場で立ち尽くしていた。

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