語り部の独り言
この世には、どうやっても科学で証明できないものが有り余るほど存在する。
例えば、異世界の存在とか、空想上の生き物の存在とか、人智を超えた、超能力の存在とか。
それは、大人になる為に忘れ去るべきだとされる、夢の詰まった空想上の産物。
いい歳こいた奴が目を輝かせて語れば、子供心を忘れない素敵な人、って言葉の裏で、夢みがちで馬鹿馬鹿しい、って、鼻で笑われる様な、硝子のオモチャみたいな代物。
でも、実はそういうものは、誰かの想像の数だけ存在して、ちゃんとどこかの世界で芽吹いて、文明が実を結んで、誰かの命がどこかで息づいているものなんだ。
……とか言ったら、多分「現実的」な君は、やっぱり鼻で笑うんだろうな。
だから一つ、お話を聞いて欲しいと思う。
夢をだんだん忘れかける年頃に、夢みたいな現実に放り出されて、時に挫折し、時に血反吐を吐きながら、それでも足掻いて生き抜いた、一人の泥臭い人間の話を。
興味がないなら、帰ってくれて構わないよ。なんせ、長くなるし……。いや、ほんとに。
でも、興味がある、ないし、暇なら、この長話に付き合ってもらえると嬉しいな。