始まりの都市
投稿したと思ってたら出来てなかった…
今回は短いです。
始まりの都市アイン・ベル、そこはCast World Onlineプレイヤー全てのゲームスタート地点。
都市の中心部にある大きな広場にある巨大な鐘の正面でゲームが開始されるため、初心者プレイヤーからベテランプレイヤーまでが絶対に忘れないであろうその地。
全てのプレイヤーの誕生を祝福する為にある鐘を、私たちはまじかで見ていた。
「いつ見てもここは壮大だね!いや〜それにしても無事に街に入れて良かったよ。僕でも無理に侵入はしたくなかったから穏便に済んで良かったよ。」
「創造主であるご主人様を街に入れようとしない無礼者など居ませんし、居たとしても私が許しません。」
ライト・ボアを倒した後、私たちが助けた少年、マルフィル=ベルに案内されてこの街に着く事が出来た。
彼の名前のラストネームであるベル、この姓はCast World Onlineの設定にある、この都市を築いた英雄と同じものだ。その英雄の名前はベスト=ベル。彼はこの付近の魔物を討伐し、森を切り拓く事でこの街を作り上げた。
このベルの姓を持っているという事はきっと彼の子孫なのだろう。それに英雄ベストは《神従者》でもある。そんな彼の子孫が貧乏だなんて許せなかったので、道案内をしてくれたお礼として、初心者用のデッキを1つプレゼントしておいた。
マルフィル君に聞いた話では、この世界でデッキやカードはとても貴重で高価なものだそうだ。たしかに、命がけで魔物などと戦って、それでようやく手に入るカードは多くても1〜3枚程度。50枚デッキを組むのに50回以上もも命をかけるなんてバカバカしいのだろう。それでも冒険者や街の警備隊、貴族などは必ずデッキを持っていて、一般人でもカードは1枚、2枚は持っているとの事。
「マキナ、これから冒険者になろうと僕は思うんだけど、どうかな?お金を稼ぐ為にも、身分のない僕たちが簡単にできる仕事だから、ぴったりだと思うんだ。」
この街に入る通行料は私がライト・ボアを倒した時に手に入れたお金を出したが、私が元から持っているアイテムボックスに入っていたお金も無限ではない。いずれは底を尽きるだろう。そうならない為にもどこかでお金が手に入る職業についておきたい。
「ご主人様が働かれる必要などございません。お金ならばいくらでも私が用意いたしますので、ご主人様は好きなだけ遊んでいてもらって構いません。」
《神従者》は私が自ら1枚1枚作り上げたカード達だからだろうか、マキナの忠誠心が限界を突破している…
この提案に乗ってしまったらダメ人間になってしまいそうな気がするので、流石に断るとしよう。
「マキナの気持ちは嬉しいけど、僕は冒険者とかやってみたかったんだよね!だからその気持ちだけ受け取っておくね。ダメかな?」
「いえ、そんな事はございません。全てご主人様がやりたいようにやればいいのです。それでは冒険者ギルドに向かいましょうか。」
マキナのマップ機能を頼りに冒険者ギルドに向かうが、道中でプレイヤーらしき人を見かけない。やはりここは異世界なのだろうか。それに道なども若干ではあるが変わっていて、マキナがいなければきっと今頃迷子だろう。
そんな事を考えながら進んでいくと冒険者ギルドに着いた。