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エンドコンテンツ

新作です


2056年、月には居住区が建設され、人工知能を持ったロボットが各家庭にいるような時代。2020年代には不可能だと言われていた事ができる程に様々な技術が発展していた。

その中でも特に目覚ましい成長を遂げたと言われているのが、2037年に世界で初めて開発されたフルダイブ型VR技術だ。漫画やアニメの主人公の様な動きが出来たり、何よりゲームの中に入って遊べるといったものは人々を熱狂させた。


初期の頃のNPCは受け答えがぎこちなかったりしたらしいが、人工知能の発達により次第にそれも無くなっていった。

そして様々なVRMMOが生まれていった中でも、特に人気の高いゲームがあった。その名も「Cast World Online」だ。

このゲームはMMORPGとトレーディングカードゲームを足して、2で割った様な変わった形をしている。戦闘は全てカードゲームなのだが、自分の使うカードがが飛び出してきてRPGのような戦闘が体験できる。そして地球ほどの大きさがある壮大なオープンワールドのマップを自由自在に動き回って戦える、それがこのゲームの人気の秘訣だろう。

このゲームが2049年に発売されてから7年の月日が経ち、ほぼ全てのマップが踏破され遂に最終エリアの攻略が始まった。




『神域天空城 スター・フォートレス」。一週間に一度、1パーティーのみが入ることを許され、この世界の神、つまりGMに挑む権利を得る事ができるこのゲームのエンドコンテンツでは無いかと言われているダンジョンだ。天空城とついているように上空約一万メートルに浮かんでいて、ラ〇ュタを綺麗にして機械っぽさが増した様な見た目をしている。

そして今GMとの戦いが始まろうとしていた。挑戦者側はパーティ上限の5人、対してGM側は1人のレイド戦。GM側には人数的な不利があるので強力なカードを使い、プレイヤー側の初期HPの10倍を持つという鬼畜仕様。そしてこの戦いはリアルタイムの実況付きで配信されていて、既にコメント欄は一体どんなカードが使われるのかといった期待の声で埋まっていた。


『さあ!皆さま始まりました!ゲームマスター対プレイヤーチーム、実況はこの私実況 太郎(じっきょう たろう)と前回大会の優勝者✝︎黒炎卿(こくえんきょう)✝︎、更にカード開発部門から皆様おなじみ島崎 健治(しまざき けんじ)さんに来て頂いています!』


【あれ?✝︎黒炎卿✝︎なんで実況にいるんだよ!!】【✝︎黒炎卿✝︎久しぶりに見たw】【島崎さんだ〜】【今日はどんな戦法が見られるのか、私気になります!】【悲報:✝︎黒炎卿✝︎買収される】【島崎さんが居るって事は、新しいカード出るのか】【実況太郎気合い入ってんな〜】【ゲームマスターの実力はどうなんだろうな】


『✝︎黒炎卿✝︎さんについての意見が多い様ですが、なぜ実況に来て頂いたのでしょうか?』


『 言っておくが、俺はソロでやってるからな.......』


【あっ、(察し)】【後4人集まらなかったんですね.......わかります】【✝︎黒炎卿✝︎ボッチ発覚!】【言ってやるな……】【まさか同類だったとは】


『さて、✝︎黒炎卿✝︎さんの悲しい真実が発覚したところで、そろそろバトルが始まりそうですね!」


画面が解説席から戦いの会場へと移り変わる。暗く大きなコロッセオの中心にスポットライトが当たり一人の青年が浮かび上がる。純白の翼を持ち、魔方陣のようなものが瞳に映っていた、その姿は余りにも神々しくまるでこの世のものでないような気すら起こる。


「諸君、僕の作り上げたこの世界を楽しんでくれているかい!私がこの世界を作り上げて7年もの月日が経ち、遂には僕の元にまで到達した者たちが現れた。これほどにまで嬉しい事は無い!だけど、まだこの世界の“最強”という称号を他人に譲る気は無い!故に、挑戦者の諸君、死力を尽くして挑戦してくれ!」


その時コメント欄は青年のアバターの美しさに湧いていた。そんな中実況席の島崎は頭を抱えた。


『あぁ、また社長がロールプレイ始めちゃった……』


【AIじゃなくて、本物の人だと!?】【しゃ、社長さん!】【ロールプレイなんだ…】【アバターかっこいいな】【あの目どうなってんだ?】


青年の言葉が終ると同時に暗かったコロッセオが明るくなる。と同時に、入り口からいかにも強そうな装備を着た5人のプレイヤーが出てきた。


「この世界の“最強”の座は、俺達がいただくぜ!さぁ、やろうぜ、バトルだ!」


「「「「「「バトルフィールド展開!」」」」」」


「では僕の先行!自身のレベルが1上がる。そしてデッキからカードを1枚ドロー。」


レベル0→1

手札5→6


「手札から『始まりの自動人形・マキナ』を召喚!」


魔法陣が空中に浮かび上がり、そこから銀髪の美少女が出てくる。


「全ては私から始まる」


カムラッドは登場した時や、攻撃した時などで声を発する事でその場の雰囲気を盛り上げる


 『おおっと!いきなり知らないカムラッドが出てきたぞ!解説の島崎さんお願いします。』


『あのデッキは全て、この世界の神専用カードでできています。そして、統一されている種族名は《神従者》、名前の通り神に使える者。その一枚一枚のカードパワーは計り知れません。』


【新種族《神従者》か】【GM専用のチートカード?】【新種族キター!】【あんな美少女を使える、だと…許さねぇGM!ちょっとそこ変われ】【すごく声キレー】


「マキナの登場時効果発動!」


その時、突然GMとマキナにノイズがかかり始める。そしてノイズは段々と酷くなっていき、空間が裂けて穴に吸い込まれて、唐突に消える。


『あれ?おかしいな?こんな演出無かったはずなんだけど…トラブルか?』


『おっと、どうやらトラブルのようです。皆さんそのままお待ちください。』


【ここでトラブルか、出落ち感半端無いな…】【GM大丈夫かな?】【これ結構まずいなぁ】【え〜楽しみだったのに〜】【こんなトラブル今までにあったか?】【てか、マキナの効果なんなん?】【さっきから✝︎黒炎卿✝︎が完全に空気なんだが】


観客や運営、対戦相手までが騒然とし出した。




主人公がプレイヤーだとは一言も言っていませんw

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