~第5幕~
野神邸のいたる所から火の手があがっていた。対峙するのは、明神翔と野神修也の2人だ。彼らの周囲には炎が舞っている。野神修也は身体を休めていた。しかし晶子の飛ばすドローンが全て破壊されたと聞いて、嫌な予感はしていた。
「速いなぁ。明後日落ち合う筈じゃあなかったのか?」
「ああ、それならこっちも聞きたい。いまは療養期間じゃないのか?」
「ああ! そうだよ! せっかく休んでいたのに、何てことするのさ」
修也は両手を広げてあざけ嗤ってみせた。
「療養期間中にドローンや蟲を飛ばすものなのかよ?」
「…………ドローンを壊したのは警察じゃなかったのね~」
「警察だけじゃないが正解だな。お陰様でお前たちの陰謀を未然に防げたよ」
「ボクたちの陰謀?」
「雇用主を探しているのだろう? 俺の」
「ふふ~ん、そうじゃないと言ったら?」
翔は人差し指で修也の肩を指して光線を放った。
「イダアッ!? 何てことする!?」
「西園寺明日香は雇用主と一切接触はしていない方向で活動を展開している。黒崎零と黒崎エレナは常に行動を共にしている。お前から教わったことと決戦で得た情報を照らし合わせてみてわかった事だ。もっとも、俺と雇用主はこれから共に行動をとっているワケだから、俺達を狙うのはセンスない戦法だが」
今度は翔が修也をあざ嗤ってみせた。
「でもそれは憶測だろう? 仮にもボク達の拠点をここまでにしたことは敵対行為とみるに他ない。西園寺明日香の情報の提供もしないし、金輪際何も協力してやるものか!」
修也はベッと舌をだしてその場から逃走を図ろうとした。
しかし光線の第2撃をその身にくらった。第1撃よりも激しく強く肩を直撃した。思わずよろけてしまい、尻餅をついた。そしてゆっくりと歩み寄ってくる明神翔を見あげた。
「まさかこれでお前達の拠点を壊したなんて思ってないさ」
「何?」
「切り札があるのだろう? 地下室に?」
「何!? お前、知っていたのかよ!?」
「歳上にお前呼ばわりするものじゃない。今目の前にいるお前を含めて地下室の在庫も漏れなく処分してやるつもりだ。話に応じなければな」
翔の指す指から大きな光がたまってゆく……
話に応じなければ?
「話しに応じなければだって?」
修也は一度俯いた顔をあげた。どうやら一縷の希望を持たせてくれるようだ。
「そうだ。あの決戦まで俺を手駒にしてくれたぶん、今度はお前達が俺の手駒となれ。なに、そんなに難しいことではないさ。お前達は西園寺明日香の情報を提供しろ。こちらは黒崎零そしてエレナの情報提供だけでなく呼びだしすらも可能だ。改めて共闘といこうじゃないか?」
「最終的にはアンタに殺されるのだろう?」
「ああ、だが貢献して貰えただけ、お前の願いは叶えてやらないこともない」
修也は「ふふっ」と笑ってみせると立ち上がった。
「ボクたちの願いが何なのかわかっているのか?」
「じっくりと聞かせて貰おう。可能な限りでなら叶えられる筈だからな」
「じゃあ改めて共闘といきますか?」
修也は片手を差しだした。
「生憎、虫と握手する趣味はないのでな。済まない」
周りを見渡して翔は続ける。
「それよりもここを出よう。我々は人間じゃないから平気だけど、人間ならばとっくに一酸化炭素中毒で息をひきとっているだろうからな」
「早くそれを言えよ、オッサン」
「あとで携帯電話を貸せ。俺がここからの指揮をとる。どういう事かわかるな?」
「はいはい、仰せのままに」
大きな野神邸が燃え盛るなかで謎の光体と蟲の大群が夜空へ飛びたった――
∀・)明神翔と野神修也の同盟結成ふたたび?修也ペースから翔ペースになった感じですけどね。さてさて地下室になるものとは??勘のいい人にはわかるかもしれません。ちなみに地下室にあるものは野神修也(本体)とともに飛びたちました(敢えてそのようには記しませんでした)。これからの展開にご期待ください。ではではまた次号!




