~第7幕~
横浜市青葉区にある病院、そこの一人用個室の病室にて田中真央は寝ていた。しかしナースが突然入って電気をつけたことによって、目を覚ましてしまったのだ。
「何よ? 呼んでなんかないわよ?」
「すいません、でもナースコールがこの部屋から確かにあって……」
「人が気持ちよく寝ていたのに、もう入ってこないでよ」
「はい、すいません……」
ナースは出ていった。最近入職した新人らしい。明日うんとクレームをつけてやる。そう思った真央は毛布をかぶって眠りにつくことに努めた。が、すぐにまた電気がつけられてしまった。
「しつこい! あなた、明日覚えておきなさいよ!」
真央の怒鳴り声の矛先、そこにはさっき入室してきたナースと別のナースがいた。彼女は処置カートを持ってきて何やらゴソゴソ作業をしていた。
「今何時だと思っているの!? こんな時間に何もすることないわよ!?」
「ああ~すいませんね~、今ちょっと準備していまして……」
「準備!? こんな時間になんの準備する必要があるの!?」
「えっと~そのまえにお客さん、ひとつお尋ねしても宜しいですか?」
「はぁ!? 私はお客さんじゃなくて患者さんよ! あんたバカァ?」
「オマエニハワタシガミエルンダナ……!」
「!?」
振り向いたその女はナースではなくなっていた。この時間の病院に似つかわしくない身なりをしたその姿はまるで――
「死神……?」
女は左手を広げると黒い粒子を集めて、大きな鎌を作ってみせた。
「クククッ! ミッシツサツジンノ、ジカンダ!!」
女は真央を目がけて鎌を振り下ろした。
同時に真央はベッドに転び落ちて攻撃を避けた。そして、すぐに病室を出ていった。
「ナンダヨ? オニゴッコカ、カクレンボデモスルツモリカ?」
エレナは不敵な笑みを浮かべた――
真央は「田中さん! 待ちなさい!」とナースから呼び止められる声を無視して1階へ向かう。しかし階段を降りた先、連絡通路の先にも死神の女はいた。
「オイオイ、ドウセ“オニゴッコ”カ“カクレンボ”スルナラ、ハイキョノビョウイントカニシロヨ。ソノホウガオモシロイゾ?」
「だ、黙れ! く、くるなああああああああああああああ!!」
増えるナースの追手、どこにいっても現れる女の死神、とうとう真央は屋上へと追いやられた。
「落ち着きなさい! 田中さん! 貴女の病は今すぐに命を奪うものではないわ! 残された零君のことも考えて! 今亡くすべき命ではない筈よ!」
「う、五月蠅い! 黙れ! 真人さん! 何しているの! 早くしなさい!!」
「え……貴女、何を言っているの……?」
ナースは真央の突飛すぎる言葉に困惑した。
「マッタクダ。トットト死ネバイイモノヲ」
気がつけばエレナは真央の隣にいて、襟を掴んで引っ張りあげた。
「え?」
真央は病院の屋上から宙を舞った。
「イヤアアァアァアアアアァァアアアァァアアアァァァアアア!!」
「田中さん!?」
鈍くとても大きな衝撃音とともに真央の頭部は破裂して飛び散った――
A・)田中真央死す。さてエレナの能力はどんな能力でしょう??わかった人は何もあげないけど、尊敬します(笑)真央が死んだとゆうことは……次回黒崎サイドの話に移ります。