~第6幕~
廃工場内では久保達也が真中豪へ雄弁をふるうように過去を話していた。
彼は医師で腕に対する評価は頗る高く、若くして大病院で地位を築くほどの者だった。しかし同じく若く有能なバイオリニスト小倉仁の手術に失敗する。この事態に仁の母が怒り、彼女に刺し殺されてしまったと言う。
しかし彼がこの世界で死神となったのは特殊な経緯があった。この小倉仁の母である美津子はこの行為を刑務所の中で酷く後悔したのだと言う。
そして彼女は彼女の手によって葬った男の蘇生を願った。仁の死に泥を塗ることをしてしまったと。彼女は息子の死を受け入れ、自身の罪の贖罪を願った。
「そう! 僕は間違ってなかった! 医師としての職務を全うした! そしてそれは生きていればこそ、まだ多くの人達を救えることに役立った! それを彼女はわかってくれた!」
何が言いたいのだろうか。よくわからない。真中は毒を吐いた。
「だからどうする? 俺の金縛りは解かないのだろう?」
「ああ、そうそう。僕が最強であることを話さなくちゃ」
「最強? これまで誰も始末してないクセに」
「始末してない? ノーノー! 実験に検証を重ねていたさ。そしてわかった。僕の力は血液支配。この世界に存在するあらゆる血を支配して、自由に扱える。例えばこんなふうに……!」
久保は懐からメスをとりだして、一振りした。すると真中の左腕が破裂して吹き飛んだ。
「ガアアアアアアアアアアッ!?」
久保は甲高い笑い声をあげて真中の塊がなくなるまでメチャクチャな指揮をとるようにメスを振りまわした。そして見上げて言った。
「西園寺さん、僕を吹き飛ばしたって無理だよ?」
西園寺はすぐに構えた。自分の事をわかっていた? そんな筈はなかった。いや、彼に情報提供しそうな死神ならいる。
「あの野郎、こっちのことまでバラまきやがったな……!!」
西園寺と久保の目と目が合う。彼は彼女にむけてメスを投げた。
その時だった。
工場のメインゲートがゆっくりと開いた。
「おいおい、ちゃんとあの坊主に責任とらせろよ」
「責任トラセタラ警察ニ捕マルダロウガ」
「2人とも緊張感がないわね。すぐに戦闘は始まるわよ?」
メインゲートから現れたのはエレナ、晴美、鬼道院の3人だ。
「ほ~ら! 獲物がそこにいた♡」
呆然としていた久保の眉間に弾丸が撃ち込まれた。即死したと思いきや彼の身体は液状となって崩れ落ち、液状となって移動を開始した。
久保が投げたメスを間一髪で避けた西園寺は冷静に状況をみた。敵なる者を一カ所に集めるのがいいのか、先に久保を始末した方がいいのか。彼女の顏にだんだんと焦りが見え始めた――
∀・)いや~集結してきましたね!零陣営、零君なしで登場です!零君はお家で大人しくしているんですかね(笑)あ、お家がもうないんか(笑)次号のバトル?に続きます!さてさて妄想の配役紹介。西園寺明日香さんは広末涼子、久保達也は眼鏡をかけた尾上菊之助さんでバッチリだと思います(超豪華)!!




