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SHINKIROU THE SHINIGAMI  作者: いでっち51号
第1巻~THE DAY I KNOW THE REAPER~
6/163

~第5幕~

 零は自宅に帰る前に真人の彼女である真央のいる病院へ寄った。絶えず周囲を見渡しながら。あの不気味な女がついてきているかもしれない。もしもの為、それを思って彼は文房具屋でカッターを2つ購入した。



 病室で真央はTVを眺めていた。右手には携帯電話を持っている。零に気がつくと「あら?」と穏やかな微笑みを浮かべた。



「零君、今日は一人でお見舞い?」

「ああ、真央さん、今朝のニュースみたかよ……?」

「ええ、みたわ。こんな日に私に会いに来なくても……」

「それがさ、今日変な奴と出会った」

「変な奴?」

「みためは姉さんだったけど、変な日本語喋ってきて、人を殺せとか指図してきてさ……」

「何それ?」

「それで、巷では佳奈美の自殺が殺人なんじゃないかって噂もでてきている。にわかに信じ難いけど、もしかしたら今日現れた奴が何かやっている気がして」



 零は購入したばかりのカッターをこっそり真央へ手渡した。ひっそりとした声で「護身用に」と言って。



「そうなの……ありがとう。真人さんは無事なの?」



 真央の表情は妙に神妙なものに変わった。



「真人ニィは自宅にいるよ。俺のことを案じてくれているよ。このあと自宅に戻って話そうと思う」

「それがいいわ。わざわざ、ごめんなさい。実は私もよく怖い夢を最近になってみているの……」

「えっ?」

「何だか恐ろしい鎌を持った化物に襲われる夢。看護婦さんに話しても馬鹿にされるばっかりで、でも今朝のニュースみて、なんだかそれが急に凄く……」

「真央さん、携帯電話は真人ニィが持っている。何かあったら連絡してくれ」

「うん……うん……!」



 零と真央は抱き合った。



 零は病院をでて、自宅へ急いだ。陽は沈み、街の明かりが夜の街を照らす。



 メールの件は真央には話さなかった。彼女も彼女で何か妙な現象に巻き込まれているらしい。不安を煽らない為に零ができる彼なりの配慮のひとつだった。





 真央は零が病院を発って、さっそく真人に電話をかけていた。



「きたわ。ありがたいことに武器まで預けてくれて。ふふっ、でも、どうやら“遭遇”はしてしまったようね……」

『なんだって!? くっ、あの女は現れてないか!?』

「ええ、一応警戒はしているけど、ここは一人の個室よ? それに遭遇はできても意気投合は出来なかったみたいだし、早めに始末する事じゃないかしら?」

『早めの始末……』

「私の言っている意味わかるでしょ?」

『ああ、もうその気でいる……でも本当にアイツが“雇用主”だったとは……』

「躊躇はしないこと。その為に今朝、あのコの彼女を殺したのでしょ?」

『わかっているって! 今すぐにでもやってやる!』

「健闘を祈るわ。願い成就の為に」

『ああ、真央、愛している』

「私も愛しているわ」

『また明日話そう!』



 真央は電話を終えると、病室の電気を消した。そして手を組み、背筋をぐっと伸ばすと、いつもより早い眠りの中へと入ることにした――



∀・;)真央、アンタも黒幕だったんかい!ってところで次回です。

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