PROLOGUE:MOON LIGHT SHADOW
俺がアイツからメールを貰ったのはつい数日前だ。
河村が学校に来なくなって1週間ぐらい、いや、もっとか。
アイツがちゃんと学校に退学届けをだしていたっていうのがどうも不思議で仕方ないのだけど、青風園からも姿を消したというのだから増々どこに行ったのかわかりもしない。
ただわかっているのは、俺も河村みたいに詮索しちゃあいけないのだろうなっていうところ。嫌な予感しかしないよ。家族にも友達にもそう話しているよ。命を惜しまないのならそれでいいけど、俺は河村の話を聞いてさすがに引いた。
ああ、そうそう。もう送り主のアドレスが存在してないけど、アイツが残したメールがこれになるよ。
『件名:新城へ』
『本文:俺がメールを送るのはこれが最後になると思う。俺は明日には学校を退学する気持ちでいる。正直、自分でも怖いぐらいにやばいことに巻き込まれ、やばいことに手を染めている。でも、これだけは信じてくれ』
『俺は河村を救おうとした。でも結果救うことができなかった。それが全てだ。願わくは俺のことは捜さないでくれ。俺は俺で解決しないといけないことへと立ち向かわなくちゃいけない。そこに関係ないみんなを俺は巻き込みたくない』
『新城、俺と河村で過ごしていた毎日は俺にとって宝物だ。佳奈美と過ごした1日1日も今となっても愛おしい。俺の全てだ。もう2度と会えないかもしれないけど、ここに書いたことは全て本当だ。さようなら。どうか元気で』
いや、俺にはアイツが河村を殺したとかさ、人を殺したとかなんて信じられないよ。テレビで「まさかそんな事をする人に見えなかった」と言われる犯罪者って結構いるけどさ、その百倍そんな感覚でいっぱいだよ。
刑事さん、今日のところはこれでいいですか?
∀・)第4章開幕!!宜しくお願いします!!




