〜第9幕~
零とエレナは会話を交わしていた。
「果タシテ、アノ男ガ、鬼道院トヤラヲ紹介シテクレルノカナ?」
「どうだろうな? 創と接触することですら嫌がっていたみたいだしな」
「零」
「何だよ?」
「零ノ目的ハ何ダ? 何ニ執着シテイル?」
「河村だよ」
「カワムラ」
「ああ、あいつの兄貴が行方不明になったっていうのさ。俺が原因になってだ。だから俺が見つけようっていうのさ」
「殺サレテイタノナラ?」
「え?」
エレナは両手でやれやれと言ったポーズをみせて話を続けた。
「相手ハ罪人ダゾ? モシモ殺サタノナラ、復讐デモスルノカ?」
「その場合は……あ、ああ! 復讐してやるさ! 仇をとるさ!」
零の返事はどうしようもなく弱弱しいものだった。
「ソレデ? 私ハドウシタライイノカ?」
「俺に考えがある」
「ヘェ」
「普通の人間に死神は見えないのだろう? だったら、あの綾間って男に張りついてくれ。そして鬼道院って奴と奴の居場所を突き止めろ。うまくいったら、3日間は俺のボディーガードを延期していい。これは雇用者としての指令だ。そして交渉だ。言う事を聞かないのなら、俺は俺で勝手に動く」
「フフン♪ 面白イナ♪ ノッテヤロウジャナイカ」
「きいてくれるのか?」
「私ノ力ヲモッテスレバ、容易イ事ダ」
「お前の力?」
零が何かを聞こうとしたその時、目前に綾間が現れた。そしてエレナの姿がパッと消えた。零は言葉を失った。
「君も独り言を話すコなのか、困った人間ばかりだな」
「あ、いや、すいません……」
「おや? どうした急にそんなに縮こまって?」
「いえ、なんか急に怖くなっちゃって……もう、弟がどうしたとか詮索をするのはやめますよ。やっぱり普通に生きようかなって」
「ああ、それがいいだろうね。でも君へのマークは外せなくなる。そればかりは覚悟しなきゃ」
「はい……色々すいません」
零は消えたエレナを信じることにした――
帰りは綾間が運転する車に乗り、青風園近くで降りた。その降りた時だった。電話が鳴った。着信は河村からだった。
「河村? どうした?」
『た! たす! たすげてくれえ!! 苦しい!! 苦しいよ!!』
「どうした!? 今どこにいる!?」
『お前の友人はついこないだお前が死にかけた下水道にいる。救いたければ、今すぐここに来い』
河村の声が急に無機質な声へと変わった。そして電話が切れた――
零の頬に冷や汗が伝う。しかし彼の足は止まることなくそこへ向かった――
∀・;)河村!?どうした!?ここにきて声芸か(そんなワケない)!?次号!!




