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SHINKIROU THE SHINIGAMI  作者: いでっち51号
第3巻~LIFE IS NO RETURN~
30/163

~第2幕~

「もしもし、河村、どうした?」

『黒崎、黒崎だな!? お前、兄貴がどうなったか知ってないか!?』

「河村の兄貴……こないだ探偵事務所に行ったが」

『その翌日から行方不明になっている! お前、兄貴に何させた!?』

「なんだって!?」



 河村の声は何とも言えない怒りで震えていた。本当のことを答えるしかない。零は困惑しながらも答えた。



「俺は……義理の弟と姉を殺した奴のことを調べて貰った。それだけだよ」

『義理の弟!? お前にそんな奴がいたのか!?』

「ああ、詳しくは今話したくない。学校に行けるようになってからでいいか?」

『お前、俺と兄貴がどれだけ親しかったのか知っているよな!? お前さぁ、本当のことを言えよ!! 兄貴が危険な目に合わなくちゃいけなかった理由はお前にあるのかもしれないのだぞ!!』

「…………わかった。じゃあ人目のつかないところで話そう。明後日でいいか、俺も河村じゃないけどさ、最近親しくなった奴を亡くして身も心も疲れている。そいつが悪党だって言われているから尚更な。お前の兄貴に関してはちゃんとお前と向き合って、俺の知り得ることは全て話す。それでいいだろ?」

『…………わかった。またメールする。返信しろよ?』

「返信しない仲じゃないだろ? またな」



 零は溜息をついて電話を切った。



 何かが渦巻いている。それは頭のなかでグルグルと気持ちの悪い模様となり、零を苦しませているようだった――




 横浜繁華街の路地裏、そこに水晶玉を持った占い師がいた。



 真夜中の2時。ここを通る人間はそういない。



 占い師の姿を目にできる人間はいない筈だ。その筈だった。



「虫に呼ばれたのか?」



 目のまえに現れた長髪の男はバイオリンを手にしていた。



「あら? 私が見えるのね?」

「ああ、この出会いに思いを馳せ、今すぐにでも1曲奏でたいところだよ」

「嫌だわね、まずは“握手”をするのが挨拶の基本でしょ。それに何よ? 虫に呼ばれた? もっと綺麗な表現できないのかしら? そのバイオリン、今すぐ壊してもいいのよ?」



 一触即発のムードが漂いだした時、幾万もの蟲が2人の空間をすり抜けて、一人の人間を造りだした。



「ヒャッハー!! お待たせ!! 野神修也だよ!! お二人とも深夜遅くにご苦労! わざわざ死ぬ為に来るなんてね!」



恭平は掌を広げるとそこから幾万もの虫を2人にむけて放出した。



 死神、小倉仁はバイオリンから放つ“超音波”が武器の死神だった。彼は生前バイオリニストであった。しかし若くして病を発症し、手術を受けるも失敗し、激痛に喘ぐなかでその命を落とした。



雇用主は彼の後輩で恋仲にあった牧村亜美菜であった。死神として実践経験ない彼の出陣を彼女は止めていた。その杞憂は当たった。



 彼は皮肉にも、今度は亜美菜をも巻き込んで再びその身に激痛を走らせた。武器であるバイオリンは地に落ちて、虫の大群に破壊された。



 死神、菊池叶子はその身そのものが毒である能力を宿した死神だった。生前彼女は占い師のシングルマザーだった。実質無職でありながらも、占いの稼ぎにて何とか子供の養育をやっていた。雇用主は彼女の母だったが、その事実を告げる事はなかった。自分の代わりに子供の面倒をみてくれているのだ。余計面倒をかけてしまっては面目がない……



 しかしその身に走る激痛は雇用主である母をも巻き込む。



「あああああああああ! なぜ! なぜよ! 私は毒なのに!? あ、あ、あ」

「おや? 結構しぶといな。そうか、毒が能力だったのか。そりゃ残念。ボクの力はね“万物の虫を自在に取り入れて操れる”ことなのさ。ただの毒よりもさ、ボクが扱った虫の毒のほうが強かったって事だね★」

「う、うあああああああああああああああああああ!」



 叶子にはもう力もない。彼女は交通事故で受けた以上の痛みに喘いだ。



「ありゃりゃ、虫の話が聞けないのか~。ご愁傷様。でも、冥土の土産に教えてあげるよ。コイツは『デスストーカー』といってね、少量の毒でも大人を殺す事できちゃう蠍なのさ! みろよ! このフォルム! とっても可愛いだろ☆ コイツにたっぷり刺されて死ぬなんて最高に羨ましいよ☆」



 気がつけば修也の近くに息のない死骸が転がっていた。死骸は小さな粒子を少しずつ発して、やがて完全に消滅した。



「や~あっけないなぁ。やっぱ人間ってしょうもない奴らばかりだね☆」



 修也が勝利宣言とポーズをかますと、彼の頭上へと大きな蝿が飛んできた。そして彼の頭上に止まった。



『も~ひやひやだったじゃないの! 毒の能力が万が一うわまわっていたら、どうするつもりだったの!?』

「いや、結果的に倒したからいいじゃない。それにボクが思うに使えなかった」

『使えなかった?』

「うん、まだ由季ちゃんのほうが他の死神を殺せたね。何なら、ボクより手早くこの2人を瞬殺できただろうなぁ。廃工場にわざわざ呼ぶ必要のない奴らだと思えたよ」

『アンタまさか、相手を図って……』

「とりあえずボクも戦ってみたかったのさ。やってみないことには何もわからないからね。でも確信できたよ。この力、このゲームを制することができる! うふ、うふふふ」

『とりあえず帰ってきなさい。少なくとも今後は私の許可なしで勝手な行動は控えて貰うよ。作戦の練り直しをしましょう』

「は~い」



 大きな蝿はどこかへ飛んでいく。修也はそれを微笑んで見ていた――




∀・)久々登場!野神姉弟の巻でした!いや~気持ち悪い弟でしたね(笑)久々にキャスト願望書いときます!


小倉仁/長谷川博己

菊池叶子/安達祐実

野神修也/山下智久

野神晶子/篠原涼子


∀・*)うん!バッチシ(豪華すぎ)!修也の山Pはみてみたいぞ(笑)ということでまた次週!!

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