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SHINKIROU THE SHINIGAMI  作者: いでっち51号
第10巻~TO THE MORNING WHEN THERE IS NOTHING~
155/163

~第7幕~

 零が青風園を訪ねた翌日のこと、それは突然の知らせだった――



「真人ニィが!?」



 彼は北海道への旅立ちに向けて準備を進めていた。そんなときに真人が交通事故に遭い、意識不明の重体になったと絵里奈より電話があったのだ。



 片づけをしていた手を止め、彼は絵里奈から教わった病院へ向かった。病院には叔父と叔母が既に病室の前にいた。



 叔母が涙を溢しながらも首を横に振っているのをみて、彼は理解した。



「そんな……真人ニィ……」



 彼は言葉を失った。携帯電話を片手に絵里奈へ電話をかけようとするものの、手が震えて操作もままならない。彼はそのまましゃがみ込んでうずくまった。




 結局絵里奈がくるまで病院で呆然としていた。



「そう……残念ね……」

「どうするの?」

「え?」

「俺達、真人ニィに結構支えられて貰っていたのだろ? 宛てあるの?」

「真人さんほど頼りになる人はいないよ。でも私達に味方はいる」

「味方?」

「私のことを信じてくれている人達。私が信じている人達。こないだ紹介した施設の人達だって私たちの味方だよ? 相談だってのってくれる」

「でも、金をだしてくれるワケじゃあないのだろ?」

「金が全てじゃない。不安なの?」

「そりゃあ不安だよ!!」



 零は怒鳴った。絵里奈は溜息をついた。



「いい? 生まれてきた人は誰でもいつか死ぬの。それが早いか遅いかなだけ。私だって不安だよ? これからのことだって必死で考えなきゃあいけないし、動かなきゃあいけない。でも、だけど、そこで一番大事な事って何だと思う?」

「………………」

「強くあること」



 俯いた零の頭を絵里奈はそっと撫でる。



「零、生きよう。何とかなるよ、生きていれば。生きてさえいればね」



 彼女は微笑んでいた。しかしそんな彼女もまた涙を流していた――



∀・)真人逝去の巻でした。でも今の零には絵里奈がいる。ここが凄く大きいと思うんですよ。次号。

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