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SHINKIROU THE SHINIGAMI  作者: いでっち51号
第9巻~WHAT IS YOUR JUSTICE??~
139/163

~第12幕~

 力也と彼を護衛する遊佐と高沖は治安当局本部向かいにある建物内の地下へ移動していた。伏見はそのビルの屋上へあがり、ようやく無線を介して連携をとれるようになったみたいだ。



「伏見副隊長、聴こえるか?」

『ややノイズが入りますが、はい、こちらメリット4!』

「こっちはしっかりと聴こえているが? 状況を頼む」

『今は総本部ビル屋上のライトのみが点滅しています! 周囲は停電のまま!黒崎零の姿は見えず! ただ白崎創が強襲されて出血多量の瀕死状態です!』

「白崎が殺されたのか……」

『緊急処置を施さない限りはそうでしょう! しかし、いま屋上で起きている現象が何なのか、私には判断し兼ねます! 何をどう狙撃していいのか……』



 思ってもみない状況となった。おそらくは翔と敵が交戦をしているのだろう。しかしゲーム無関係者である伏見には敵も翔も死神という死神が全く見えない。その為に狙撃の技術を活かすにも活かせない。まさに無駄骨を折った。それも極太の骨を。



「黒崎零はどこにいると言うのか?」

「それがわかったら苦労はしないでしょう……」



 力也に返事した遊佐も肩を落とす。



 高沖が羽藤と無線を取り合う。



「総司令部の二人は無事か? そうか、今どこに?」

『横浜市内ですが、総本部から離脱しています。この区域は停電していません』

「つまりここの区域に限って停電を起こされたということか……」



 黒崎零はさきほど総本部区域に張りめぐらされたカメラに映っていた。だが突如として消えた。今屋上に彼がいないとなると、この停電に乗じてこの区域から逃走を図ったとみてもおかしくない。しかし彼の顏は横浜治安維持部隊の全隊員に知れ渡っている。この一帯が停電していたとしても、捕縛されるのは時間の問題だろう。一体彼は何が目的でここに来たというのか……。



 考えれば考えるほど頭が痛くなる。力也は溜息をつくしかなかった。



「うわっ! 眩しい!」



 顔をあげるとそこにとても薄くはあるが、翔の残像のようなものが浮かんでいた。ここに来た際に放った閃光は遊佐と高沖に見えたようだが、それからは力也にしか見えてない。何かを知らせに来たのだろう。力也は彼に問いかけた。



「翔、黒崎零は今ここにいるのか」

『いるよ。総本部の地下に。そこに俺の分身を向かわせたけど、召喚した死神を連れている。だけどそいつは俺の力で何とか始末はできそうだよ』

「そうか、お前の本体はどうだ?」

『かなりやばいね。敵の力は“闇”を動力としている。このままだと俺の力にも限界がくる。相手はどんどん力を漲らせて攻勢を強めている。停電を復旧するのか、黒崎零を葬るのか急がないともう……力が……うっ……はぁ……はぁ……』

「総本部の地下に行けばいいのだな?」

『ああ……でも父さん……ちょっとやってみて欲しいことがあるんだ……』

「何だ?」

『手に力を入れて……俺たちは親子で“ドッペルゲンガー”になっている筈だ。父さんにも俺の力が使えるように……な……』



 翔の薄白い分身はパッと分散して消えた。力也は翔に言われたまま手に力を入れる。するとその手が発光し始めた。



「明神隊長!? それは!?」



 続けて全身に力を入れる。すると全身が眩くも輝き始めた。



「これが死神の力というやつなのか……ああ、すまないな。さっきまで翔と話をしていた。そこで私にも彼の力が使えると説明を受けた」

「そんなのだと思いましたよ。生きていると全く奇妙な事もあるものですが、慣れてしまうと納得して受け入れてしまうものです。それで? 彼からはその話だけでしたか?」



 高沖は微笑んだ。もうこのゲームの世界の感覚に馴染んでいるかのように。



「黒崎零、総本部地下に潜伏をしているようだ! 向かうぞ! 援護を頼む!」



 力也も微笑む。彼の表情からは勝利の確信ばかりが溢れるようだった――



∀・)遂に明神親子のドッペルゲンガー発動!!次号!!

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