~第10幕~
自らを発光し続けて攻撃し続けるも、分身が次々とエレナの鎌によって斬り捨てられていく光景に明神翔は圧倒され続けた。
ふとうつ伏せになっている白崎創を一目見る。
その隙に彼の死を確認した翔の分身がまたもエレナの攻撃で分散される。
「オマエノ雇用主ハ白崎創デハナカッタナ」
「だ、黙れ!! 変質者が!!」
「変質者? 真っ白ナ髪シタオマエモ立派ナ変質者ダロウ?」
「俺は変質者ではない! 俺は……」
「ナンダ?」
言葉に詰まったところでエレナを威嚇しようとした翔も斬られる。
「人ナラザル者ニナッタ時点デオマエハ人デハナイ」
「黙れと言っている!!」
やっとのことで隙をみせたエレナをレーザーソードで分断したが、エレナの別分身によってカウンターを喰らってしまう形となった。
そもそも西園寺明日香との激しい闘いによって翔の本来使えるエネルギーは限られていた。しかしそれは対するエレナも同じ筈だ。
「なぜ……なぜ……そうか!」
周囲を見渡すと、明るいと感じるのは翔自らを発光させている施設屋上のみ。他周囲は黒崎零によって停電させられているのだ。
もし彼女が闇を取り扱う能力を持っているのであれば、彼は不利となって、彼女が完全に優位な立場になれるであろう。そう彼はこの戦況で焦りながらも分析をしていた。
故に彼は彼の戦略に賭けるしかなかった。
分散させたのはここだけではなかったことを。
「自分ガ何者カワカラナクナル者ホドミットモナイ奴ハナイナ」
「黙れ! お前に何の正義が語れる!」
「正義ヲ語ル?」
「何も分からないのだろう! お前だって不本意に死んだ人間なのだ!」
「ソウダ。ダカラ私ハ悪党ダ。デモコノゲームノ勝者ハ正義デナイトイケナイモノナノカ?」
「ぐうっ!?」
またも翔の分身が一体と二体とエレナの鎌に斬り捨てられる。
「オマエガ正義ヲ名乗ルトキ、オマエモ誰カノアクニナッテイルノダ」
エレナの不敵な笑みは闇夜に浮かび広がっていくようであった――
∀・)最終決戦!!エレナ押してますが……また次号!!




