~第6幕~
鬼道院魔裟斗は借り物の車で横浜を出ていた。行く宛てはない。可能な限り遠くへ。ただそれだけで車を走らせていた。探せば潜伏先になる場所はいくらでもあるのだろうが、今はそんなことを考えている余裕もない。
このまま車を走らせ続ければどこまで行くのだろうか?
関門トンネルを抜けて鹿児島に着くのだろうか?
しょうもないことを考えれば考える程に苦い笑みがこぼれてくる。
どれだけ車を走らせたのだろう? 適当に目に入ったサービスエリアで車を停めて休むことにした。煙草を吹かせて缶コーヒーを飲む。カーナビテレビに映っているのは怪奇現象によって治安悪化した横浜の報道だ。
どうやら横浜にある資産家の豪邸が火災したらしい。おそらく零達ら死神による仕業なのだろう。そこに携わった彼だからかアッサリとそう認識できた。
コーヒーを飲み乾し、エンジンをかける。そして車を発進させた。
そこで違和感に気づく。
彼は再び横浜に戻ろうとしているのだ。
「あれ? どうした?」
しかも無意識ではない。意識的に。何か横浜に戻らなくてはと思い、彼はその方向をUターンさせていた。
何故か止まらない。冷静になろうとしても冷静になれない。
何かが彼を動かしていた。
「俺、どうしちゃったのだろうな?」
鬼道院は気が付けば笑っていた。
彼はそのまま横浜に戻る。そして破棄した筈の携帯を再び入手して、わけも分からないまま零へ電話をかけた――
この経緯にはゲーム支配人達の度肝を抜かせた。
しかしマヌ・マルゲは間髪入れずに直感で言った。
「これは面白くなりそうですなぁ!」
メアリーの水晶玉は来たる最終決戦を映しだしていた――
∀・)いやぁ~鬼道院魔裟斗、ツンデレの巻でした(笑)しかも凄く短い話になっちゃったね(笑)実はストックが切れまして、急いで書いてました(笑)ですが遂に最終決戦に入りますよ!!ぜひぜひ味わってくださいね!!また次号!!




