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SHINKIROU THE SHINIGAMI  作者: いでっち51号
第9巻~WHAT IS YOUR JUSTICE??~
129/163

~第2幕~

 川崎大佐と村上本部長が零の滅亡メンバーの待機する会議室に入ってきた。彼らは初めて遭遇する白崎創に感心を示していたが、すぐに状況説明を羽藤へ求めた。



「はい、メールで送った通りでございまして……横浜拘置所は突如起きた爆破テロに見舞われて、現在はその周囲が凍結されているとのことです。それから、その状況と時を同じくして明神隊長が凍結しては解凍される現象が起きました。今のところ明神隊長に異変はみられません」

「うむ、ご苦労」

「しかし妙な男だな、明神力也君よ? 君は本当に何も知らないのか?」

「何も知りません。困惑しております」



 いや、何も知らないワケがなかった。でも、こうして五体満足で生きているということは、翔は戦いに勝ったのだろう。野神晶子が大量の血痕を残して消失したというのは、彼女が亡くなったと仮定しても問題がないような気がする。



 問題は自分自身が今の立場でどう動くべきか?



 同じく警察の村上本部長はずっと自分が何かを知っている者なのだと疑ってやまない。同じ部隊の最も厄介な白崎創も同じくだ。



「よぉ、俺が言うのも何だけどイイか?」

「何だね、白崎」

「ウチの部隊の隊長の明神サンはそりゃあ頼りにはなりそうだが、妙な現象に襲われ続けている。本人が何かしら自覚しているならまだしも、何も知らないって言い続けている。そのうえ俺達にまで危害が及ぶかもしれないときている。俺ならこんなオッサンに指揮をとらせない。観察対象にするな」

「お前に指揮権があると思うな!」

「遊佐! 落ち着け!」



 白崎創が真顔になっている。零の破滅から力也を抜くことで自身が何か得ができると踏んでいるのだろう。そうなれば伏見が隊長に昇格するのだろうが、そうなれば「警察」の面目が丸潰れだ。



「いや、だからこそお前の上につけているのだよ。お前が死のうが死ぬまいが、今横浜で起きている危機を救えばいい。その覚悟で部隊の皆も望んでいるのだ。明神君のことは私も色々疑ってはいるが、それ以上に信頼しているのだよ」



 村上はこれ見よがしにアドリブを効かせて場をまとめてみせた。



どうやら力也はこの「零の破滅」を率いる使命があるに他ならないらしい。



 力也が溜息をつくと、羽藤が目を見開いて速報を口にした。



「黒崎零! ここに向かってきています!」



 羽藤はそう言うと零がゆっくりと歩いている姿を映したタブレットを見せた。



「ここに向かっているとどうして分かる?」

「この街に馴染みのある人間なら分かりますよ。この景色から歩いている方角、まさにこの建物に向かってです」

「土地勘って奴か。大したものだな、高沖」

「褒めるなら、羽藤隊員でしょう? 大佐」

「お、おう、羽藤、よくぞわかったな」

「エヘヘ~ってこれからどうするのですか!?」

「どうやってここがわかったかだ。本部へ電話した者がいるのか?」

「確認してみます」

「伏見、狙撃の腕は衰えてないか?」

「常に鍛錬はしていますよ。狙えと大佐が命令されるなら、狙撃しますよ」

「ええ~殺すのかよ? 俺はまた会って話がしたいのになぁ」



 話がまとまらない。再び力也が溜息をつこうとした時、眩い閃光が走った――



 皆が頭をかがめて再び顔を起こすと、そこに胸を刺殺された白崎創が浮いていた。いや、力也には見えた。息子、明神翔が手刀で創を殺害している光景を。



「これで対等だ。お前も俺も殺して殺されて」

「お前は……ゴホッ……ボホッ……」

「明神翔だ。これからお前は俺の駒になって貰う」



 力也はゆっくりと立ち上がった。そして今後は微笑んだ。



「翔、待っていたぞ……!!」



 独り言の多い明神警部の復活だった。




∀・)いや~展開てんこ盛りの話でした(笑)遂に明神親子が再会しましたね!次号!

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