PROLOGUE:WHAT IS YOUR JUSTICE??
俺たちが生きる世界には良識と悪知識とがある。言わずもがな良識を誰しも護るのであれば、世界はきっと平和だ。
しかし人は欲望があるからこそ人でありえるもの。そして罪を犯すのだろう。
この現実世界はそんな矛盾があるからこそ成り立っている。
俺は俺が信ずるままに俺の正義を貫いた。
後悔などなかった。後悔など。
その筈だった――
死んだ筈の俺は彼と出会った。「何でも叶えよう」と唐突に話してくれた彼と。
「何でも叶えるのか?」
「君が死んだ事実を変えること以外なら。あとは、世の中を大きく変えすぎるものでなければ」
「何だ…………条件がつくのか…………」
「でも1番の条件はそういうことじゃない」
「何が条件だと言うのだ?」
「敵に勝つことだ」
俺はハッとした。悔いがない筈がない。悔いがない筈など。
「それは俺に復讐をさせてくれるという事か?」
「やろうと思えば、それが出来ないこともない」
俺は少し考えるフリをしたが「やってみるか」とあっさり答えていた。
彼は微笑むと尋ねてきた。
「叶えたい願いがあるんだね?」
俺は満更でもない顔で「ああ、できたみたいだ」と返した。
「おそらくは君の願いというのは君のプライドに関係するものか、君の信条に纏わるものなのだろうな?」
「教えないといけないか?」
「一応は」
「どっちもある。プライドもポリシーも」
「そうか。じゃあ最後に1つだけ聞こう」
「何だ?」
「君にとっての正義とは何だ?」
俺はその問いかけにすぐ答えられなかった――




