~第9幕~
零とエレナは携帯電話で連絡を取り合い、すぐに合流した。
エレナと手を繋ぎ、自衛隊やら警察隊やらが闊歩する街中を歩く。
「コレカラドコニ行ク?」
「すぐに休みたいところだけど、最後の相手をどう迎えるかだよな」
「サイゴノ相手?」
「ああ、少なくとも明神という敵は美奈たちが使っていた光の能力、それからドッペルゲンガーの能力まで持っている」
「圧倒的トイウグライ強イヤロウダヨナ」
「ああ、休養を持ってもいいが、一気に仕留めに行った方がいい気もする。何にしても、雇用主と本人が合流したら厄介だ」
「ドウスル?」
零は空を見上げる。
陽はとっくに沈んでいる。目を凝らせば星が見えるようだ。
「もう夜だな。闇が深まるが、敵は明かりそのもの……」
彼は目を閉じる。吐く息に吐息がでる。
「よう、今は11月だったな」
「ドウシタ急ニ?」
「いや、もう12月になるな」
「ダカラドウシタ?」
「月日が経つほど、季節は変わり暑くもなれば寒くもなる。なぁ、このゲーム、勝ち進めば勝ち進むほど得をするのはルールの採用のみか?」
「ダカラ……ナンナノサッキカラ?」
「パワーアップはできないのかよ?」
「ム?」
零はエレナに微笑む。
「今一度お前の力のことを俺に教えてくれないか?」
エレナは目を見開いた。
「お前って温かいな。今まで気がつかなかった。ここまできたらイチかバチか運命をお前の全てに託したい」
零はエレナを抱いた。それはずっとエレナが零に求めていたもの、然れども、決して叶わないと思い続けた光景そのもの。
彼らの最後の戦いはこうして幕を開けた――
∀・)ラヴシーン?よくわからないけど、次号!!




