~第13幕~
時間を少し遡ってみる。零は凶器を持った晶子に追われて高層ビルの中へと逃げこんだ。しかし彼女もまたそんな彼を追ってきていた。
晶子からの逃亡の末、零はとある事務所のロッカーの中に入った。
しかし晶子はそこを嗅ぎつけて1つ1つのロッカーを開けていく。
そして零の入るロッカーを彼女が開けようとした瞬間、零は開けられる前に自ら激しく開けてみせた。彼女は転倒して頭を打ったようだが、凶器である鉄パイプはそのまましっかりと握っていた。
鉄パイプの奪還まではいかなかったが、零の安易な計画は成果を収めた。
そのまま零は階段を駆け下りていった。
1階に到達する頃になると晶子の罵声が聴こえるようになる。またどこかに隠れなければいけないが、ひとまず外へ出ることにした。
外へ出ると飛行体が零を目がけて降下してきた。
飛行体は近づくと一瞬でそれが何かわかった。
「エレナ!」
エレナは着地に失敗したらしい。転んでしまったようだ。零にも痛みが入る。
「お前、着地の練習をしないとダメだな……」
「偉ソウニイッテ……イヤ、ソレヨリモ、コレヲ受ケトレ!」
「これは!?」
零はエレナから小さな刃物を受け取った。
「ソレデ野神ヲ切リツケロ! カスリ傷程度デモイイ!」
「いや……そうじゃくなくてさ、適応されたのか……?」
「喜ブノハ勝テカラダ!」
エレナが檄を飛ばしてすぐ晶子の叫び声が耳に入った。後方に彼女が凶器を持ち上げて迫ってくるのが見えた。
一方で上空からは夥しい模様をした羽を持つ修也がエレナを目がけてやってきた。しかしエレナは臆することなく立ち向かう。
「勝負は一瞬か」
零は彼の武器を握りしめ、襲来してくる野神晶子を睨んだ。
「黒崎イイイィイィイィィイイイイィイイイイィイ!!!」
「オオオオオッ!! 野神イイイィイィイィィイイ!!!」
勝負は一瞬。そこで運命は試されるのだ――
∀・)拘置所での決戦!!遂に決着間近!!次号!!




