~第1幕~
黒崎零、彼は死神となった従兄との激戦をくぐり抜けて、九死に一生をえた。死神となった黒崎真人の雇用主は彼の恋人である田中真央だった。彼女は零を護る死神であるエレナによって殺害、死神ゲームのルールに則って死神・真人は消失した。
しかし零にはどうしても理解しえない事があった。
「俺はアンタを知らない。雇った覚えもない。きちっと説明しろ。アンタは何者なのだ?」
零の新住居である児童養護施設の一室にて彼はエレナと対話していた。
死神なんていう存在を雇ったおぼえはない。また姉に酷似しているエレナもその奇抜な格好からか、どうしても姉だとは思えなかった。本人も姉ではないエレナだと名乗っているのだから間違いはないだろう。ただ謎が深まるばかり、そして心地が悪くなるだけだ。
「家族ダッタトイッテイル。ソレ以上ドウ説明シロト?」
「家族? ふざけるな。だったら『私は姉だ』と名乗ればいい話じゃないか」
「ワタシハエリナデハナイ。エレナダ」
零は溜息をついた。ここのところ溜息をつくことが多い彼であった。
「ソレデ? コレカラドウスルツモリダ?」
「ここに来るまえに言ったとおりだ。厄介事に足を突っ込むつもりはない」
「ドウイウコトダ?」
「イチイチ何回も同じことを言わすな。死神がどうのエンプロ何とかがどうの、俺にはそもそも関係のない話だ。誰かを殺したいのなら勝手に殺せ。叶えたい願いがあるのなら、勝手に叶えろ。俺は普通に生きて、普通に過ごせればいい。できるならもう、俺の目の前からいなくなってくれ」
「ソレハデキナイナ。ジキニココヲカギツケル死神モデテクルダロウ……」
零はエレナの胸座を掴んで、睨みを効かせた。
「俺は家族に裏切られて住む場所も失ったのだぞ! それもお前らがしている変な遊びに巻きこまれてだ! 俺がお前を雇う権限があるのなら、これは宣告だ! これ以上俺に関わるな! いいな!」
零はそう言ってエレナを突き放した。首元が痛いが、それを気にする訳にもいかない。そそくさと零は部屋を出ていった。
エレナは俯いた。彼女は彼女で悩むしかなかった――
∀・;)う~ん、もうちょっと書き進めて公開したかったけど、待たせるのは好きじゃないので公開しました!なかなかエレナを受け入れられない零君、続きを乞おうご期待ください☆




