~第8幕~
横浜拘置所は未曾有の大被害を受けた。拘置所内に蔓延してく毒ガスと謎の超音波によって警察と自衛隊が合流した治安部隊はただただ被害を被った。
「監視カメラは!? 何も映してないのか!?」
「全く何も映していません……ただ……」
「ただ何だ!?」
「倒れていった隊員がバイオリンを手にした男を見たり、水晶玉を持った女を目にしたりという報告があがっていて……」
「映像には何も映ってないだろ!? 原因を早急に突き止めろ!!」
「は、はい……」
小倉仁と菊池叶子はゆっくりと歩いて拘置所内部に侵入して手あたり次第に攻撃を開始した。治安部隊は手あたり次第に発砲をしたが、死神の彼らに命中することなどなかった。一方的な虐殺が亡霊によって行われていた――
「そっちも順調かしら? 私たちって無敵ね?」
「目的を忘れるな。野神晶子を見つけるのが目的だぞ」
「そうそう、だけどそれには作戦があったでしょう?」
「作戦?」
「人の話聞いてないのね、まぁ、あんな気味の悪い男の話なんて聞くものじゃないけど」
「どういうことだ?」
「今の横浜にとって野神晶子は失う訳にはいかない重要参考人。危険な場所で護る必要があると思う? 普通なら裏口かどこかから保護して脱出させるわよ」
「そうか……そうすると……」
「私たちの出番はもうここまででいいのかもしれない。敵の攻撃を受ける事もありえない訳ではないからね」
「そうか、ならば撤収するか」
「ノーノ―、あんな虫男の言いなりになるぐらいなら、とっとと消失した方がマシでしょ?」
「どういうことだ?」
「私も貴方もアイツにまた殺される痛みを恐れて召喚契約した。じゃあ、規約破って消失する方が楽だと思わない?」
「要するにどういうことだ?」
「あの日の続きをしましょうよ、どっちがどっちを殺せるか」
「ほう、そういうことか。なるほど、そのほうが楽しいな!」
仁はバイオリンを構えたが、ある物を見つけた。
「ん? どうしたの?」
「いや、これは何だ?」
仁は不自然に転がっていた氷塊を拾い上げた。氷はみるみる溶けていって、時限爆弾を露わにした。
「馬鹿!! 何やっ――」
叶子の罵声は大きな爆発とともに彼女諸共吹き飛ばされていった――
「各部署で爆発を確認……もうここは地獄です……」
「我々も死を覚悟するしかないのか……? 野神晶子はどうなった?」
「いま、警察部の柏木隊が連行しています。一応は裏ルートを通じて」
「そうか、敵の手がまわっていないといいが……我々はどうするよ?」
「どうするというのは?」
「このままここにいるか? それとも脱出するか?」
「それは……」
横浜拘置所に設置された治安部隊の本部では本部長の長道と副本部長の丹田2人が拘置所の惨状にただ恐怖するのみだった――
∀・)再登場の小倉仁(長谷川博己)と菊池叶子(安達祐実)がまたも早々に退場(笑)実際にメディア化したら、当たり前だけど別の俳優・女優さんがやるんでしょうけどね(笑)拘置所での決戦はじまりました!次号!




