PROLOGUE:SURVIVE THE WORLD
俺は横浜青葉区にいる普通の高校生だ。
そう思っていた。そう思いたかった。
俺や俺の恋人を殺害するというメールが届いて、俺のありふれた日常は崩壊した。そしてそれを企てたのは俺と生活を共にする家族だった。
俺は死神と化した従兄との戦いから逃れ、いま児童施設にいる。そして警察だかこの施設の職員だか分からない中年のおっさんにあれこれと聞かれている。俺は変質者に襲われて逃げたと適当に言うが、それでは納得できないとおっさんは話を続けていた。
俺は遂に溜息をついた。
「辛いのはわかるよ、黒崎君。でも、本当のことを話そう。君は場合によってはここじゃないところにいかなくちゃいけなくなる」
「何度も言っているだろ。鈍器を持った奴に襲われたってさ」
「そういう目撃情報が他にないと言っているのだよ? カメラに映っていたのだぞ? 君が家からでたときにその頬に傷がついていたのを」
「じゃあ、自殺未遂でもしようとしていましたと話せば納得してくれるのか?」
「君ねぇ……」
俺は顔をあげておっさんを睨もうとした。その時に気づいた。
おっさんの背後に誰かいる。エレナだ。
エレナは俺に気づくとウインクをしてきた。
それをみて俺は咄嗟に思いついた。そして思いついたことをそのまま言葉にした。
「わかった。本当のこと話してやるよ。俺は死神になった従兄に襲われていたのさ。どっかの死神が来ないせいでな。俺の死神はアンタのすぐ後ろにいるぞ?」
「君、ふざけている場合でないぞ。これから君のゆく……ぐぬっ!?」
「俺はこれまでどおり普通に学校行って、普通に生活できればいい。ヘンテコな病院に送ろうってなら、おっさん、アンタの少ない髪の毛はなくなるぞ……!」
おっさんは薄っすらと冷や汗を垂らしはじめた。
「わ、わかった! 余計な真似はよす! 君のいうとおりにする!」
俺が小声で「エレナ、もういいぞ」と話すと彼女は掴んでいたおっさんの頭髪を手放した。これが彼女と久しぶりの再会だった――
∀・;)お久し振りです。忘れられちゃいけないと思って、ひとまずプロローグを投稿しました(笑)仕事などで多忙を極めてますが、なんとかこの作品の続きを書いております。なんとか定期的に更新していきたいとは思いますが、優しく見守っていただければ幸いです。嗚呼、憧れる書き溜めストックの余裕。




