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女王の国 王都編 4

劇的な急展開で作成している僕ですらどうすれば良いのか分からい。

ど素人丸出しの内容になっております。

そんなことはとりあえず道端に置いといて作成していきたいと思います。





 「へー、良く見えますねナナミ様。私は、あの大きい人が、戦士団長様ってくらいしか分かりません。」


 「いえいえ、それが分かるだけでも凄いと思いますけど?」


 ただいま僕達は、二人で戦士団の訓練風景を遠目から見ている。人を見分けることは出来ないが、こうして無駄に会話するのは存外楽しいものだ。

 キスハさんは話してみると使用人って感じがしない、逆に僕も偉い人っぽくないらしく、気軽に話が出来て楽だとか。

 ここだと別に畏まる事無いし、誰も見てないから息抜きが出来るとか、本来ならこうしなきゃいけないとか、仕事の愚痴まで聞いてあげた。そうこうしていると、一緒に紅茶を飲みながらいろいろ話してくれたりして、あっという間に時間が過ぎていく。


 「あ!いけない、もうお昼だ!・・・オッホン、ナナミ様?昼食は如何いたしましょう。」


 「今取り繕ったところで無駄でしょうに。茶菓子も沢山食べましたから、軽いもので良いですよ。」


 聞くな否や。「かっしこまりましたー!」と、元気よく扉を開けて出て行ってしまった。仲良くなって分かったのだが、やはり彼女はかなり活発な子だ。メイドなんて堅苦しい事をしないで、外で仕事をしていた方がお似合いなのだろうが、そこはいろいろ事情があるのだろう。

 フッ・・・と、視線を改めて訓練場に戻した時に。扉からノック音が聞こえた。


 「・・・。」


 何も言ってこない相手に、黙ったまま感知魔法を発動させる。リハビリも兼ねてるので今出来る全力だ。

 悟られないように、しかし全力で。


 「ユスティーナです、お話があります、明けて頂いてもいいですか?」


 おや?感知したのは確かに知っている人の気配だったが、女王陛下とは。仕事が忙しいとか言っていたのに、何かあったのだろうか?

 うーむ、だいぶ鈍っているな。これ位しっかり感知できるようにならないと、全盛期まで程遠いな。

 そんなことを思いながら、ユスティーナ女王を迎え入れる。にこやかな表情をしているが、明らかに量がおかしい紙束を抱えている。察するにこれが話の内容なんだろう、嫌だ聞きたくない。


 ユスティーナ女王は、長机の上に持っていた紙の束を雑に置く。出してはいないが、大きなため息が聞こえてきそうだ。


 「こちらは、どこから聞きつけたのかは不明ですが。多数の貴族達が、貴方と会談したいと願い出てきた書類です。」


 「こ、これ全部ですか?」


 「はい、全てです。信じられませんが事実です。これのせいで、大幅な計画変更を余儀なくされています。」


 待って欲しい、あり得ないだろ?昨日の夜の話だ。いや、正確には、あの王女様に目を付けられたのが昼の少し前か。だとしてもなんでこんなにも沢山来るんだ。耳の早い奴なら数人いてもおかしくない、クリスティーナとゴーリラ戦士団長の城で痴話喧嘩を目撃していた奴が、僕に気付いてとかなら考えられそうだが。


 「そもそも、この国ではこれほど多くの貴族が居るのですか?実はほとんどは偽物とか。」


 「王都も含め、王都近隣の各領土に居る貴族達も含めればこれだけいます。逆に国全体で考えるとわりかし少ない量になるのですよ。」


 「・・・女王陛下から見たらどうなのですか?一日でここまで届くと言うのは。」


 「数だけで言うなら・・・かなり多いです。ただどこから聞きつけたのか分からず、腑に落ちない所もあり。少し悩んでいるのですよ。」


 僕には分からないことだらけだ。

 この国の貴族の数とか、国土の大きさとかを知っているわけでは無いから。下手に口出しも出来ないし・・・それにこう言うのは、政の得意な人に任せた方が良い。

 それに・・・もしかしたら、もっと別の政治的な関連があったりするかもしれないし。

 僕は内政とかは全然分からないんだ、ラノベ小説で内政チートを取り扱ってる人は凄いと思う。僕なんか読んでても全然分からなくて、とりあえずスゲー事してるんだなってくらいにしかならない。

 

 ちなみに、イーセアに来てからは僕は一切、政治には関わっていない。むしろ問題を起こして、全力で投げつけて放置して逃げる、基本力任せだ。

 だから今回も、普段の僕のやり方なら。今ここで問題が発生してしまった、これ以上の拡大されても困るので、さっさと逃げてしまう。そしてこの国には近づかない。だが、今回はそうもいかないだろう。なんて言っても、女王の国の奴らに不老不死だとバレてしまっている。この事実を完全に無くさなければ、もしかしたら地の果てまで追いかけてくるかもしれない。子々孫々、不老不死ハンターとかが追いかけてくる可能性もある。

 ダメだ、それだけは阻止しなければならない。何かいい方法はないものか。


 「ナナミさんの事は、まだ不老不死と断定していないと公表しているんです。計画では、検分を私だけで終わらせて、不老不死ではなかったと公表する予定だったのですが。ここまで公になり、一部では暴動になりかねない不穏分子まで現れてしまい。各貴族派閥から数名を立ち会わせることにしたのですが。」


 ふむ、元々はもっと穏便に進める予定だったのか。しかし、ここまで話が広がってしまったので収集を付けるための対策を立てた。

 ん?・・・これって使えるのでは?


 「あ、あの申し訳ありません。私が不甲斐無いばかりに、不愉快な思いをさせてしまい。もし嫌であれば。」


 「いいえ、これはむしろ好都合です、どうせなら大勢の人に見て頂きましょう。この文を出してきた方達も全員に参加して頂いて、派手に検証しましょう。」


 「え?」


 「ユスティーナ女王陛下?私を殺してください。」


 表情筋が固まって、満面の笑みとはいかず。少し微笑む位しかできなかったが、女王陛下は驚いてくれたみたいだ。





 それから数日後。

 城内にある大きな会議場に、会談を希望していた貴族全員を招いていた。会議場は張りつめた空気とか、お互いに牽制し合っていたりとか、そんなことは全くない。それぞれが穏やかに、まるでパーティーに招待されたような、和やかな雰囲気だ。


 「いやいや、女王様も分かってらっしゃいますなー。」

 「初めは疑ってしまいましたが、どうやら杞憂だったようですな。はっはっは」

 「しかし、ここまで多くの者を集めるとは。女王陛下は相変わらず豪快ですよ。」


 全員が余裕の笑みだ。数日前まで、女王のやり方に対して散々文句を言っていた輩が、不老不死の可能性のある女性の検分に立ち会わせると、知らせを出した途端に態度を一転させた。

 当初の予定では、数人を見繕いあくまで公にせず調査する予定だったのだが。僕の提案を受けて大幅に作戦を変更し、逆に全員集めることにしたのだ。


 「皆の者!ユスティーナ女王陛下が間もなく到着する。席に着け!」


 ランドルク公の声が会議室に響く、それを合図に貴族達も静まり着席する。

 しばらくして。ゴーリラ戦士団長を先頭に、ユスティーナ女王陛下が入場してくる。側にはインツとクリスティーナ王女の姿もある。


 「皆、良く集まってくださいました。先に、今回の件に対し、私の判断が遅れてしまった事を、深くお詫びします。そして、この場をお借りしてもう一つ、王女クリスティーナからも一言申してもらわなければなりません。」


 「・・・私の身勝手な行動で、多くの混乱を招き。さらには国の存続に関わる程の大事にしてしまい、皆様には大変なご迷惑を掛けてしましました。まことに申し訳ございません。」


 会議が始まる前にクリスティーナ王女の謝罪から始まった。

 これは僕がお願いしたのだ。実は、少し前に会ったクリスは。顔面蒼白で髪がバサバサ、何かうわ言を呟きながら部屋にやってきて、大泣きする彼女をなだめながら愚痴を聞いてあげた。

 これがあまりにもかわいそうで、女王に相談したのだ。多くの貴族が集まる場で頭を下げ謝罪すれば、許してあげて欲しいと。あまりこうゆうのに他人が首を突っ込むのはどうかと思ったのだが、クリスだけが悪いわけでは無い。それに、この場で彼女の力は必要不可欠で、ちょっと精神的ダメージを与ええることになるだろうから。少しでも元気になって貰わないと困る、と言う本音もあるのだが。


 「クリスティーナには、今後しっかり教育をしていく。どうか皆の者許してほしい。」


 女王がそう締めくくると、会場は肯定の意を表す拍手で満たされた。それを聞いたクリスは、硬かった表情が緩み安堵した。


 「では、これより本題に入る。彼女をこちらへ。」


 僕の出番が来たようだ。

 僕の両脇には戦士団の副団長が固めている、どちらもしっかりとした身体をしていて少し肩身が狭く感じる。

 入場すると、周りからは大きなざわつきが聞こえてきた。


 「ほほう・・・あの子が?」

 「いや、いくら何でも幼過ぎる」

 「ふむ残されている写真の方とよく似ているが」

 「信じられん」

 「いやいや、まだ確定したわけでは」


 などなど、なんの能力も使わないで聞こえてくる。

 僕はこの時、初めて会議場に入ったのだが、石造りの国会議事堂の本会議場みたいな作りだ。まるっきり同じわけでもない、議長席に女王や王女が居て、演壇はずっと低いし国会速記者席が無い。石造りのせいなのか、古い遺跡にある扇状のステージのようにも見える。

 そんな会議場を進み、ステージの中央に進み出る。見上げると女王陛下と王女が居るのだが、黙って頭を下げる。

 そこでは、形式上のやり取りをした。何を目的とした旅なのか、どこから来たのか。当たり障りない質問を繰り返すうちに、一部の貴族は苛立ち始めた。


 「女王陛下、これで本当に分かるのですか?他に手早く確認する方法は無いのですか。」

 「確かに、今のままでは時間ばかりかかる。記憶を聞き出したところで判断はしにくい。」


 ・・・ふっふっふ、ここまで来れば良い頃合いでしょう。

 僕は女王陛下へ目で合図を送る、作戦開始。


 「そうですね、皆さんの言う通りかもしれません。この女性が嘘を付いてる可能性もあります。あまりこの方法は使いたくなかったのですが、ですがこれが手っ取り早いですね。ゴーリラ戦士団長。」


 「はっ!」


 「この者の心臓を剣で貫きなさい。」


 会議場の空気が変わった、驚愕の顔を浮かべる者から、冷静に状況を見ようとする者。先程急かすような発言した貴族たちは、慌てふためき挙動不審になっていたり様々だ。

 そんな中、いち早く声お上げたのがランドルク公爵だ。


 「女王陛下!それは些か強引すぎます!この子はなんの罪も犯してはいない、これでは処刑です。」


 「ええ、ランドルク公。これは処刑です、もし刺されて生きているのなら本物。その時は最高のおもてなしと賠償金をお約束します。しかし、これが全て嘘であった場合。これだけの数の貴族を騙し、国を巻き込んだのです。これは重罪です、処刑は免れないでしょう。ここに居る全ての者が当事者であるのです、見届け人としては十分でしょう。」


 「しかし!・・・くっ」


 強引って言えば確かにその通り、かなり強引だ。他にも方法があっただろうが、僕にはこれ位しか思いつかなかった。だから今はこのまま押し切るだけだ、女王陛下が持ち前の眼力で周囲を黙らせ、僕は大人しく殺されるだけ。何、心配することはない。死ぬのはもう『何回も』経験している。

 一部の貴族達がざわついているが、そんなことは気にしないで女王は粛々と命令する。


 「ゴーリラ、やってください。」


 「・・・かしこまりました。」


 大きな体が目の前に迫る、剣を抜き、腰より低い位置で構える。彼の高さからではかなり低く構えないと僕の心臓の位置にならない。

 そんな中、クリスティーナ王女は今にも飛び出してきそうなほど暴れ始めていた。叫び声にも似た「やめて」とか「ゴーリラやめなさい」とか必死に叫んで止めに入ろうとしているが、インツに抑えられ動けないでいる。うん、いい働きぶりだ、より深刻さが出ていい演出の一つとなっている。

 この作戦は二人しか知らない、女王陛下と僕だけ。こうすることで周りの反応が自然になるだろうし、僕がこのまま居なくなっても不自然ではない。


 「申し訳ない、女王陛下のご命令だ。恨んでくれて構わない。」


 「いえ、お気になさらず。迷わず一撃でお願いいたします。」


 彼の覚悟が決まり、真っ直ぐに胸を貫かれる。喉元から上がってくる鉄臭いの香り、何かが張り裂け、体中に廻っていたそれらが体外に放出される。焼ける様な痛みに、声が上げられない位の激痛、手足は痙攣しやがて目がかすんでくる。やがて体から魂が少しずつ抜けていくような感じで力が入らなくなり、視界がふさがり思考が停止する。



 

 僕は死んだ。




 「あ・・・あぁ!ナナミー!!起きて!起きて下さいませ!!」


 インツが抑えてた手を離した途端、僕に駆け寄ったクリスティーナの悲痛な叫びがこだまする。沈痛な面持ちで顔を伏せる者、落胆の表情をする者。僕が死んでしまった事に対する反応は様々だ。


 「目覚めませんね、どうやら後者だったようです。 皆に告げます! 今回の事を受け。先々代が定めた古き定めをここで破棄します! 不老不死など夢物語なのです。 今回の件は私も大いに反省するところがります。皆も現実を目の当たりに出来たでしょう。今後は、信憑性のない不確定な情報に翻弄されないよう努めるように!」


 そう言って女王陛下は壇上から降りていく、去り際に。「遺体は安置所に持っていけ」とだけ命令をだし、ゴーリラ戦士団長でなく副団長の二人を従え会議場を後にした。

 貴族達は女王が退室後、皆足早に会議場を後にする。それぞれ今回の件について文句を言いながら。


 「まったく、やはりデマだったのか。あれは完全に死んでる」

 「確かな情報筋だと思っていたが、どうやらやられたようだ」

 「ふざけるな!これでは無駄足だ!」


 そう騒いでいた貴族が、一人・・・また一人と出ていき、そこに残るのは僕を抱えたまま泣き続けているクリスティーナ王女と側で見守るゴーリラ戦士団長、相変わらず表情が読めないインツにランドルグ公爵だけになっていた。


 「クリスティーナ王女、そろそろお連れ致します。」


 「黙りなさい!ゴーリラ!私のせいで、私がここに連れてこなければ!こんなことには・・・」


 相当ショックだったのだろう、王族に対し虚偽の申告をしていたのだ、どう考えても重罪だ。

 自分の身勝手な行動を利用され、勘違いすらも利用された。自分が騙されていたショックもあるが、ナナミが嘘を言っているようにも見えなかった。城に連れてこなければ、こんなことにはならなかった。


 「クリスティーナ王女、お気持ちはお察しします。貴族を集めた方が良いと進言してしまった、私の責任があります。ですから、ご自身一人で抱え込まぬよう。とにかく、いったんここから離れましょう、お召し物も汚れてしまっております。そのままではいけません。」


 優しく諭すランドルク公だが、それでも頑なに離れようとしないクリスティーナだが、突然意識を失った。慌てるランドルク公とゴーリラだったが、すぐに何をされたか分かった。


 「インツ、すまないな手間を掛けさせて。」


 「なに、得意の魔法でちょっと寝かせただけさ。ゴーリラ戦士団長、王女様を思う気持ちがあるなら少しは気の利いたことも言えるようにならないと、振り向いてもらえませんよ?」


 「こんな時にふざけるでない!」


 顔を少し赤らめながら反論するゴーリラ。


 インツがやったのは睡眠魔法の一つ、不意打ちで役に立つ即効性の魔法だ。魔法をかけても注意が術者側に向いていると成功率は低い。不意打ちの場合強力に作用するが、使いどころが難しい。

 ちなみに、睡眠魔法でも種類があり上級の広範囲に強力な効果をもたらすモノや。医療的に行える、睡眠導入などに使える簡単なモノまで多岐にわたる。その分、高度な魔法の為、高額になることが多い。

 ほかにも、薬草などを使い、薬などで処方されており安価なモノもある。魔法を使った治療などは、値段が掛かるため、一般的には薬を使うことが多い。


 「王女は我がお運びしよう。構わないな?」


 「そりゃ、寝ている無防備な姫をお運びする名誉は君に譲るよ、ゴーリラ戦士団長殿。あっ!女王陛下には僕が報告に行くから、目覚めるまで側にいてあげると良いですよ。」


 「これこれ、インツ殿。お戯れもほどほどに・・・。それでは遺体の方は」


 「それは僕が片付けますよランドルク公殿、雑用は任せてください。」


 そんなやり取りをして、ランドルク公爵とゴーリラ戦士団長は出て行った。

 さて、ここで今の僕の状態を説明しておこう。

 完全に死んでいるのだが・・・実はちょっと違う。簡単に説明すると、電源をオフにしている状態と言った方が良いだろう。


 少し昔の話をしようと思う。初めて死んだ時の話、なんとも間抜けな話になるのだが。イーセアに来て初めて暮らした魔法の国で、餓死が初めての『死』だった。

 当時はとにかく研究に力を入れまくっていた、誰も相手せず研究に明け暮れた。個別に与えられてた部屋で研究していた時、急に体が動かなくなった。不思議に思い、無理やり動かそうとしたのだがうんともすんとも言わない。その時になって食事を抜いていたことに気が付き、何とかしようと思ったが・・・時すでに遅し、視界が真っ暗になった。

 だがしかし、身体の感覚がなくなり何も無くなったと思っていたのだが、不思議な事に意識だけが戻ったのだ。いや、戻ったと言うより留まっている感じだった。

 当時は不老不死としてあまり自覚が無く、自分が死んでしまった事に凄く焦った。ヤバイヤバイ、と思いながらふと気が付く、「あれ?なんで焦ってられるんだ?」と。

 そこからは回復が早かった、どうすれば良いのか分からなかったが、とりあえず『生きる!』みたいに強く気合いを入れて思うと急に体が回復しだしたのだ。しかも超高速で。

 目覚めると完全回復した状態になっていた。これを使えば食事いらずなのだが、その都度死んでから蘇ったのでは少々面倒だ。食事はしっかり食べようと心に決めた時でもある。


 話がそれたが、自分で気合いを入れると蘇ると言いたかったのだ。ね?簡単でしょ?

 その後も、いろいろ検証したから間違いない。初めて死んだ時に、死んだ時の検証をしていた方が良いと思い、自分で実験したのだが。あの時が一番つらかった。

 ちなみに、腕を切断したり首を切断された場合。これも気合い一つなのだが、斬られた時の痛みはそのまま感じるので結構つらい。切られた所は、切られた部分から再生するみたいに新たに生えて来て、綺麗に元通りになる。切られてしまった方はどういう理屈か分からないが、灰になって消えてしまう。吸血鬼か僕は!


 話をしたところで、今の状態。インツだけが居る状態なのだが・・・一向に安置所へ連れて行こうとしない。無駄だよインツ君、この完璧な作戦に穴わない。時間経過で復活するのではとか思っているんだろ?甘いよ、自由なタイミングで蘇れるんだ、安全なところまで何もしないつもりだよ。


 「ふむ、なかなか復活しませんね。これは本当に偽物だったのでしょうか?」


 ふふふ、やはり狙いはそこか。無駄なあがきだ、早く連れて行けよ!


 「ふー、困りました。安置所にこのまま連れて行っても、ゲスい貴族達は変な趣味を持っていますから、今か今かと待っているでしょうね。まぁ、命令ですからそのまま置き去りにして問題ないのですが・・・はぁ、どんな凌辱を受けるのやら。」


 んーー??!!!それは・・・つまり?!


 いや。落ち着け、彼はやはり腹グロなんだ。わざとらしくそういえば慌てて復活するとでも思っているはずだ!我慢比べだ、奴には屈しないぞ!


 「・・・。」


 長い沈黙、インツはジッと死体となっている僕を見続ける。意志だけの僕は出ないはずのヒア汗をだっぷりかいている感覚だ。


 「インツ、それ位にしてあげなさい。」


 まさかの声だった。出て行ったはずの女王陛下が一人で戻ってきたのだ。


 「申し訳ございません、女王陛下。」


 「まったく、人をおちょくっていると、その分自分に返ってきますよ?その癖はいい加減止めなさい。それより、インツ?気配は。」


 いやいや、状況が飲み込めない。てか二人で何か話してるし!

 ああ、もしかして利用されてたのかな?まぁ、いいけど教えてくれても良いんじゃ・・・いや、僕の作戦も秘密にしてたか。敵を欺くためにはまず見方から、これが基本だもんね。いやー、みごとに騙された。

 いや、油断してはいけない。ここの国は幻術魔法が得意な奴が多い、しっかり見極めなければ。


 「そう、今はもう大丈夫なのですね。ナナミさん?聞こえてますか?もう大丈夫のようです、起きても問題ございませんよ。」


 この状態の不便な所は、何も出来ないってことだ。魔法も使えないから自分の見えるモノを見極めるしかない。

 もし、起きてから何かされるのであれば、全力で逃げよう。これ以上隠し通すのも無理だろうし最善の手はやったと思う。


 そうして、気合いを入れて復活の電源を入れる。

 周囲に大量の魔力が集まるにつれ、それが風を呼び、心地よい撫でる様な感覚から、身体に自分が戻る感覚を呼び覚ます。

 次第にはっきりする視界には、目をひそめ、それらを見逃さないようにする女王と。驚愕の顔を通り越し、イケメンの顔が残念な顔になっているインツの顔が見えた。




ここまで読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のチェックはしていますが、いつも不安です。

実は、女王の国の話は終わりまで作成できました。アップしても良いかな?と思ったのですが、ちょっくしてないので出来てから更新します。

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