始まりと過去 1
初めまして、見てください感謝しかありません。全く文才が無く、勉強もせずにそのまま投稿しているのでご了承くださいませ。
「始まりと過去」では主人公が転移して物語が始まった所から、本物語のスタートが300年経過している所からはじまるので。かなり大雑把に300年を振り返ります。
主人公に基本恋愛はさせませんが、もう少し進んだところで、回想の中に少しだけ告白されるところが入る予定です。それ以外はまったくないです、そのかわり周りで恋愛させる予定です。
誤字脱字はあると思います、言葉の使い方も正しくないかも知れません。そんな物語ですが、よろしくお願いします。
山岳地帯岩肌が露出し足場も悪い、そんな場所をゆったり歩いている。
目指すは場所は、遠くに見える王都「女王の国」山岳地帯にあり比較的勾配が緩やかな所に存在している。
そこに向かって進んでいるのだが。歩けども歩けども、まるで王都が遠のいていくような錯覚を受けて、どんどん足取りが重くなる。
僕は疲れていた、精神的に。肉体的に疲れることは無い、でも本気で長時間走ったりすればもちろん疲れるだろう。だって人間ですもの。
でも、今やただの人間の身体では無いのもまた事実。本当に今のこの身体は優秀だ。
精神的に疲れている理由は、只今徒歩で進んでいるのに進まない錯覚を受けているのもあるが。
歩くことに対し飽き飽きしてしまい、さらには面倒くさくなってきていて、いっそ全力で走ってしまいたい と言う気持ちと戦い続けているからだ。
一体誰だ 徒歩で大陸縦断してみようと思い立った奴は! こんなこと考えた奴は考えた奴を殴ってやりたい。
まぁ、僕なんだが。愚痴を言っても仕方がない、もう少しで街到着するはず、速攻宿へ行こう。
街に着いて長い拷問から解放された僕は、門番に宿の場所を聞いて一目散へそこへ向かった。
はやる気持ちを抑えながら念願のベットに入ってお休みー・・・と思ったら、早々目が覚めた、正確には起こされたが正しいだろう。
そこはどこまでも白く境目が見えない空間、気が遠くなりそうなほど何処までも続いている。きっと夢だろうなと普通の人なら思うだろう。
だが僕は違う、こんな右を見ても 左を見ても 上を見上げても、視界に入るのは白色だけの空間に来るのはこれで 「二度目」 となる。
「ここは確か・・・また呼ばれたのかな?」
僕が思わず呟いてしまった声は、この真っ白の空間には静かに深みのある凛とした 「女性」 の声で良く響いた。
「そうじゃ、また儂が勝手に連れてきたんじゃ。久しくお主とは直接話すことが無かったからの。」
どこからか野太い爺さんの声が聞こえてきた、間違いない、この腹に響く声の感覚は。
「出会って以来でしたね、本当にお久しぶりです、神様。」
そうこの野太い声の持ち主こそ、この世界を束ねる大いなる存在、神様である。
しかし神様曰く、この世界の神様ではなく管理者と言うのが正しいらしい。時たまに、人間へ天からのお告げを出しているらしいので神様と名乗っているらしい。管理者と言っても、基本は見守るだけであり。たまに世界に現れる、異世界からの異物や異常などを、解決あるいわ処分する役目が主らしい。
「そうじゃな もう出会ってからだいたい300年ほど経ったか、まだ続けるつもりなんじゃな。」
あぁ、改めて言われると結構心にくるな。なるべく考えないようにしていたのに、少し決意がブレてしまいそうだから。
でも、僕は。
「神様、私はあの時決めたのです。何年掛かってでも 必ず故郷へ帰る。だから、続けます。」
僕の決意表明に神様のため息が聞こえてくるようだった。
「まぁ、お主ならそう言うと思っとわ。」
ちなみに、神様と知り合いで管理者と知っているのか。
それを説明するには少し僕の過去話をしなければならないだろう。だが語ると言っても、300年と言う年月は長すぎるので、詳しいことは省きながら、思い出話のような感じで少し説明していこう。
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事の始まりは、今や過去の産物となりつつあるラノベ小説で大流行した 「異世界」 への転移だった。
僕も流行に遅れてだったけどだいぶ本は読んだ。
異世界への転移と言えば、何が起こったかおおよそ想像できると思う。当時はまさか自分がそうなるとは思ってなかったから、何とも言えない気持ちだった。
飛ばされた所は山奥にポツンとあるような池?沼?のほとりだった。小説みたいに召喚されたのかとか思っていたのだが人はいない。それに、小説でよく読むような転生や転移じゃないような気がした。
トラックに轢かれたとか、突然頭上に降ってきた鉄骨がとか、労働し過ぎで過労死とか。そんな死亡して突然みたいなことはなかった、むしろ覚えていたのは、ダイエット目的で最近始めた散歩していたらいきなり景色が変わったこと。
本当に突然だった為、考えては悩み答えが出ないを繰り返していたが、ふっと思った自分の姿。小説の主人公のようにイケメンになってる、そう思い水面をのぞき込んでみたが、水面に映ったのは。
実年齢27歳メタボ体系で脆弱な身体、定期的に偏頭痛になるめんどくさい体質で、さらに体力および筋力も無い最悪だった僕、ではなかった。それ以上の人が映り込んでいた。
例えるなら。
美しい人形のような身体で、白く透き通るきめ細やかな肌、腰まで来る長さの黒髪で背丈は小柄。顔つきは落ち着きのある中にも凛として芯があるような。そんな女性だった。
もう一度言う、女性だったのだ。
うん、第一印象は完璧、最高に美人で僕の好みド真ん中。思い切って声かけてみようかな。
「そうじゃない!」
などと心の中の自分にツッコミを入れ、改めて水面に映して良く見て見る。
なるほど、これはショックだ、どんな小説だよ僕は男でありたい。もちろん当時の僕はすぐに確認をした、有るか無いかも確認した。 無い。 どこがとわ言わないが。
そんな衝撃的な事がありつつ、改めて言うがなんとも言えない気持ちだった。
そんな風に落ち込んでいた時に、声を掛けてくれたのが神様だった。
当時の神様は、管理している世界に異物が混入したので、確認をしていつものように処分するつもりだったらしいが。その異物が人間なことに非常に驚いたそうだ。
生物が初めてと言う訳じゃないが人間は例が無い、普段人間に接触することは無い神様だが異世界から来た人間に興味を持ったらしい、すぐに真っ白の空間に呼び出したそうだ。
男としての喪失感で途方に暮れていた僕も、急に真っ白の空間に飛ばされたらビックリもしたが、同時に異世界系のお決まりのパターン来たのではと少し興奮したことを覚えている。ここでチートスキルとか色々あれこれお約束のパターンがあると思っていたから。
そこからの展開は正直想像していたのとは大きく違っていた。
まず僕はこの世界では異物扱いで、いつもなら処分だけど人間だから保留してるよと言われたり。
ラノベ小説でよくある勇者召喚したとかでも、神様のミスとかでもないとのこと。そもそもこの世界では異世界からなにかを召喚する事すら無いらしい。
他の仮説として、僕の元居た世界で誰かが大規模な異世界への転送魔法を使用した可能性。あっちの世界は、魔法とかそんなのおとぎ話とかフィクションの話でしかないのであり得ない・・・と思う、確認のしようがないので分からないが。
あと考えられるのは、僕があちらの世界で死んで。魂がその身体に転生してたとか。
いやいや死んでない。先ほど自問したが、散歩してたら突然って感じだった。いや、即死だったら可能性もあり得るか。
改めてこう考えてみると、僕よくそんな状態だったのに取り乱さなかったな。今振り返ってみてもそう思う。
結局のところ、どんなことに巻き込まれたとか、どうして僕がこの世界に来たのかどうやって来たのか、まったくの謎だらけで分からずじまい。だがこれだけは聞かなければ、一番重要な事だ。
「神様、僕は帰れますか?」
何だかんだ、こんな展開喜んでいた、まさに本の世界に入ってきたと思って内心はしゃいでいた。正直もっとワクワクするものだとも思ったのだが。
だが、誰かと会話するとなんだか少し気持ちを整理が出来て、少し冷静になった。
そしたら無性に帰りたくなったのだ。凄く不安にもなってきた、向こうでは色々やり残してることあるし家族に迷惑が掛かる。そんなことを考え始めていた。気持ちに余裕が生まれたからだろうか、言いようのない不安の気持ちが波となって押し寄せてきた。
そんな僕の心情など知らない神様は、なんとも言えない答えを返してきた。
「不可能ではないが、可能でもないじゃろう」
ここでハッキリと無理だと言われたら僕は違う選択をしていただろう。300年も生きていない。
続けて神様はハッキリしない答えに説明を加えてくれた。
「不可能ではない、転移魔法がこの世界にはあるそれを応用すれば行けるであろう。それにこの世界では異物扱いしておるが、異世界の漂流物が来ておる以上他の方法もあるじゃろう。さらにお主がこちらに来ているのであれば必ず道は繋がっておるはずじゃ」
この時、道が出来てるなら簡単なのではと思ったが、どうもそうではないらしい。
「可能でないと言ったのは、途方もない時間を掛けなければならない事と確定事項ではないからじゃ。まず人の寿命では時間が足らんと予測する。転移魔法を応用したとしても異世界への転移なんぞ誰もしたことがない、そんな魔法じゃ完成させるまでには途方もない研究が必要じゃろうて それに、出来たとして成功するかどうか。加えて異世界の漂流物の方も研究が必要じゃな、あれもこの世界に流れて来ておるが、あれもどうやって転移して流れ着いてるのかわ不明じゃ。じゃが、それが解明できれば転移魔法の応用にも繋がるじゃろう。」
「転移魔法の応用の為に、まず世界の異物である漂流物がどうやって来てるかそれを調べて。見つかった方法をさらに転移魔法に組み込み完成させる。しかし、その出来あがった魔法で戻るかは分からない、神様も知らないような魔法を、凄く時間を掛けて研究して作り上げるしかない。そう言うことですか?」
流石に魔法とか良く分からない、いやまったく知らない事を研究するなんてどんだけ時間が掛かる事か。それ以上に神様でさえ知らないような魔法の事や漂流物の研究なんて無理だろ。
いや、何だかんだで神様なんだから、難しいこと言ったりして。実は面倒だからやりたくないだけとかそんな感じなんじゃ。実際は戻すことは簡単なんだろ?そう思っていたのだが。
「あの神様なんですよね、神様の力でパパっと戻せないんですか?」
「儂は神様と名乗ってはおるが、只の管理者じゃ。管理と言うても、基本世界に干渉はせん見守るだけじゃな。例外はある、時たまに人間にお告げを出すこともあるがそれだけじゃ。あとやることは世界に来た異物や異常を取り除く事くらいじゃ。」
神様のイメージが音を立てて崩れた、その時はそんなような気がした。
今振り返ってもあの時は冷静じゃなかったんだと思う、神様なら何とかしてくれるだろうと考えてたし。甘えがあったのだろう。
「少し一人で考えます」
どうすれば良いだろう、そんな事ばかり頭で考えてたと思う。
この時、事実上の帰宅不可能を宣告されたので。僕の頭の中はグチャグチャした良く分からない感情が渦巻いていた。苛立つと思いきや悲しくなったり、かと思えばなんだか笑えて来たり。
次第に今この状況を事実と認めたくないと思い始めて、夢なら覚めてほしいそう思わずにはいられなかった。僕がラノベ小説の主人公のように簡単に割り切れる性格ならこんな悩まずに済んだのだろうが。
「そう、落ち込むな。」
どれだけ時間がたったか分からない、気力もなく自暴自棄でなんならこのまま終わろうかとさえ考えていた。ギリギリの所だった僕に、無言だった神様が優しく声を掛けてくれた。腹に響く声で。
「なに、一人でそんなに悩むことは無かろうて。流石に見ておれんわい、本来であれば異物扱いじゃが、お主は例外じゃ、儂の出来る範囲で手助けしてやるわい。」
天から聞こえてくる腹に響く神様の声は、僕の中に深く染み渡ったような気がした。
神様が心配するくらい情けない姿をしていたらしい、仕方ないだろ、元々僕はメンタルが弱いんだ勘弁してくれ。
「ありがとうございます神様、ですが僕はこれからどうすれば良いでしょう。」
「この世界で生きると言う道もあるじゃろう。それはどうじゃ?」
そうだろう普通の考えならそうなるだろう。現に僕もそちらに気持ちは傾いていたさ。
だが待ってほしい、今神様は言った。出来る範囲で手助けすると、それなら思いのほか研究も捗るかもしれない。希望的観測かも知れないが、小さいが可能性はあるのだ。もともと見えずらいがそれはあるのだ。
それを知ってしまった以上やることは決まっている。
「神様。可能性があるなら、僕は何年掛かってでもいいから自分の故郷に帰りたい!」
普通なら諦めてしまうだろう、正直な所、僕の本音は可能性にすがりついただけ。今抱いている不安や孤独感を無くしたいがために神様の言葉を利用しようとしたのだ。
たぶん険しい道だろう、もし戻ったとしても色々問題があるだろう。そんな先の見えない不安を抱えることになるけれど、その時はみじんも考えていなかった。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。小目汚しして申し訳ございません!!
更新はのんびり更新の予定です、PCで打ち込んでいるのですが、打ち込みは遅く変換ミスや誤字のチェックなどしていると。6時間以上かけても原稿用紙三、四枚分行けば良い方、あまり進まないのでスピードはあまり期待しないでください。