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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第3章 「外の世界」
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酔い

 宴が終わり解散の雰囲気だ


 家に帰っても酒盛りをしようとしてる人がいたり、酔っぱらって宴の会場で寝ている人もいる


「俺はもう疲れたよ・・・さっさと寝る・・・」


 村長は肩を落としながら家に帰って行った


「気が変わったら婿に来い、いつでも歓迎するぞ。ではな」


 カサンドラさんは早く諦めてください


 華蓮からの圧はない。なぜかというと・・・


「華蓮大丈夫?」


 あれからブドウ・・・ウドゥラ酒をたらふく飲んで現在ぽわぽわ中だ


「ん・・・」


 これは・・・まあ大丈夫かな。倒れることはなさそうだ


 さて、どうしたもんか


 ジンとユンファはシルバーとダインに乗って水浴びに行っている


 華蓮も連れて行ってあげるか


 キキに乗せても大丈夫かな・・・


「水浴びするか?」


「ん」


 ・・・まずは入れ物置くところかな。持ってずっと離さない


「とりあえずそれ置こう」


「ん」


 めちゃくちゃ素直だ。酒で横暴さが増すタイプじゃなくてよかった


「入口までキキのこと呼べる?」


「ん」


 ・・・大丈夫かな


「立てる?」


 首を横に振る。目が落ちかけてるな・・・


「やっぱ水浴びやめよっか」


 またしても首を振る・・・まあ向こうまで行けば覚めるかもしれないし


「しかし、どうやって入口まで連れて行こうかな」


 華蓮が僕の方に両手を伸ばしてきた


「おんぶする?」


 首を振る


「じゃあ抱っこか」


「ん」


 ・・・まあここまで酔ってるなら仕方ないか


 華蓮をお姫様抱っこしてキキのところまで連れていく


 入り口ではすでにキキが待機していた


「じゃあ頼めるかな、僕は走るから」


 キキは一週回った後、腹を地面に着けて一回唸った


「えっと・・・」


「乗れってさ」


「いいの?」


 キキは牙を出しながら唸る。目が怖い


「調子に乗るなってことね・・・落とさないようにするよ」


 経緯はどうあれ僕はオオカミに乗ることができた


「結構高いな」


「ばふ」


 乗り心地はすごくいい。たぶん華蓮が乗ってるからだろう、落ちない程度で走ってくれてるみたいだ


「いつも華蓮を乗せてくれてありがとう。これからもよろしく頼みます」


「ばふ」


 返事してくれた・・・いつもは無視されるのに


 多分返し方はこうだ


 噛み殺されたくなかったら黙って乗ってろ、華蓮を落としたら噛み殺す


 乗せたくない僕を乗せてるからカミコロも二倍だ


「気分はどう?」


「平気」


 顔色も悪くない。暗視持っててよかった


 落ちないようにちゃんとしがみついてる、力加減も完璧


「ほんとは酔ってないんじゃない?」


「と思う?」


 うーん。この弱り具合・・・酔ったら甘えるタイプか


 どうしたもんか・・・判断できない


 ほんとによってたら危ないしこのまま行こう


「冗談」


「ん」


 そこからしばらく無言が続いた


 世話焼きはほどほどにって言ってたのになあ


 ジンかユンファが連れてってくれれば・・・いやあの二人じゃ担げないか


 まあ少しずつってことで気長に行こう


 湖に着くとジンとユンファが水浴びしていた


 僕が暗視を持っているにもかかわらず何も言ってこない


 一月一緒だ。同じタイミングで浴びることもある。だからか女の子たちの女子力が落ちている気がする


「あ、タカキ。カレンのこと連れてこれたか」


「私たちじゃ連れてこられないから助かったわ。あと暗視くれないかしら忘れてたの」


 この始末だ。中に戻ってからが心配


 キキにおろしてもらって華蓮を水際へ運ぶ


「立てる?」


「うん」


 華蓮はユンファが出した壁に座って服を脱ぎ始めた


 ユンファの異能力はもはや守る為でなく日常で使われている


 自在に変形させられることをいいことに椅子にしたり水がめにしたり・・・


 川底に沈めて魚を取ったりしている。それでいいのか異能力・・・


「僕も浴びるか」


 初めは華蓮も抵抗していたけど直接視ないならいいと問題にしなくなっている


 ・・・大丈夫かなほんとに。見ないけどさ・・・


 今日はそこまで汗もかいてないしさっさと上がろう


 これから寒くなりそうだし火の異能力者・・・。


 火を出せる加護か温水が出せる加護を持っている人が欲しい


 ジンとユンファはもう上がっている


「よーしじっとしとけよー」


 ジンの異能力は斬波


 それが今や異能力で出る風で水飛ばしに使われている


 木を正確に切り分けられるほど制御がうまくなった


 もはや自由自在


 異能力は便利道具に成り下がった


 まあ戦いがないのはいいことだけど


「僕も頼んでいい?」


「おう」


 僕ももはや裸を見られるのに慣れてしまった


 彼女たちのことを見ることはないけど、彼女たちは普通に僕のことを見てくる


 ・・・僕も見たほうが・・・いや華蓮にボコボコにされる


 その華蓮は・・・


 浴び終わって水から上がるところだった


 ちょっとふらふらしてるな・・・まあこけたところでケガなんてしないからいいや


「おーしカレンも乾かすぞー」


 全員浴び終わって僕らは宿に戻る


 帰りもキキの上だ。役得!


 華蓮は普通にふらふらしてたからさっき下ろさなくてよかった


 帰りもしっかり落ちないように抱き着いてくれている


 僕はキキから落ちないか気にしながらだから掴まってくれてホントに助かる


 恥ずかしいだろうけど我慢してもらおう


 宿について華蓮をベットにおろす


 これでお仕事終了おお・・・


「華蓮・・・離して」


「すぅー」


 僕の腰をがっちりロックしてベットに連れ込まれた


 はあ、ベット下ろした途端眠りおったわこやつ・・・今日は抱き枕確定だ


 明日になって恥ずかしくなっても知らないからね


「諦めよ・・・」


 僕も続いて眠りについた

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