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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第3章 「外の世界」
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VSアレン

 村長にあれこれ言ってたらアレンが近づいてきた


「よ!タカキ、なんか試合することになってるみたいだけど大丈夫か?」


 心配してくれてるみたいだ。そういえば僕が戦えること知ってるの村長だけか・・・


「大丈夫だよ。準備できたらやろっか、料理はゆっくり楽しみたいし」


「おう!なら今からやろうぜ。連中に呼びかけてくる!」


 アレンは円の端から走って伝言している


「お前タカキといったな」


「あ。カサンドラさん朝ぶりですね」


 朝はフル装備だたけど今は脱いでいる


 ・・・大事なところは隠せているけどお腹は見えてるし谷間も微妙に・・・


 下に履いてるのも短い。目のやり場に困る


「服の上からでは体つきが見えんな・・・上を脱いでみろ」


 え・・・確かに戦闘服着てたら見えないだろうけど・・・


 まあこのままアレンと戦うってわけにもいかないか。多少の衝撃なら吸収するし不公平だ


 当たらなければどうということはない。けど


 靴も脱いでおこう。アレンも裸足だ、同じにしないと


 上を脱ぐとカサンドラさんが体に触れてきた


「ふむ・・・服で隠れておったがいい体をしているな。アレンよりも肉付きがよい」


「そうだな・・・まあこのくらい体できてなかったらあんなことできねえか・・・いや、それでもおかしい・・・」


 村長もまじまじと見てきたけど、何かを諦めるように目をそらした


 こっちに来てから全く体操してないしちゃんとした食事もとってないから少し衰えたかな


 一か月でここまで落ちるものなんだ・・・鍛えるの大変だったんだけどな


「よっしゃ準備できたぜ、こっち来いよ」


 呼びかけが終わったようでアレンが待っている


 舞台はさっき見たキャンプファイヤー前の謎空間だ


 僕は立ち上がってアレンのもとに行く


「負けたら海よ」


「はは、がんばるよ」


 華蓮からの激励?ももらったし勝たないとな


「あれ、ミンシャ」


 いつの間にか戻ってきていた。とことこと走って華蓮の膝の上に座った。特等席だ


「・・・いいわよ。ミンシャが結界張ってくれるらしいわ。存分に叩きのめしなさい」


 華蓮が拳を握って前に出した


 また物騒なこと言って・・・こっちから攻撃はしないって・・・


 アレンの前に立ってとりあえず構えをとった。舐めたことしてたらブーイング起きそうだし


「アレン。わかっているだろうな」


 カサンドラさんがアレンに檄を飛ばしている


「はは、お互い大変だね」


「だな・・・まあ負けねえぞ?」


 僕は頷いて応える


 確か加護は使わないって言ってたっけ、もしかしたら負けるかもな


 隊のみんな以外と試合するのは初めてだし、油断はなしだ


「おほん。では初めの合図はこの太鼓だ。二人とも準備はいいか!」


「おう」


「はい」


 少しして太鼓が叩かれた


「せいっ!」


 アレンが始めに仕掛けてきた。真正面からの正拳突きだ


 懐かしい。華蓮とやるときはこんなものなかったもんな


 僕はその勢いを流しつつアレンを背負って地面に投げた


「がっふ」


「あ」


 アレンは受け身なしで地面に落ちた。急すぎて受け身間に合わなかったか、それともこれに対しての受け身を知らなかったか・・・


「だ、大丈夫?」


「は!何のこれしき!」


 アレンは僕の手を身体から外して距離をとりつつ起き上がった


「こんだけやれるなら本気でしてもよさそうだな!」


 あ、本気じゃなかったんだ。アレンも華蓮と同じタイプみたいだ


「これならど、お、だっ!」


 三段跳びの要領で助走をつけ蹴りかかってきた


 これも流して投げれそうだけど・・・それじゃ盛り上がらないか


 僕は腕をクロスして受ける


 思い切りかかとが左腕に直撃した


 重い・・・けどそこまで・・・


 そこから僕を飛び台にして跳躍し両拳を振り上げ僕に向かって振り下ろした


 これは・・・避けよう


 僕が下がって標的を失ったアレンの拳は地面に打ち付けられる


 当たった個所が青白く光った。結界がちゃんと作用しているみたいだ


 これなら周りに飛んでいくこともない


 受け続けるだけじゃ見世物にならないし・・・


 僕は顔を上げるアレンに向かって回し蹴りをする


 もちろん超人の力を使わずに


 蹴りはちゃんと当たった。アレンがとっさにガードしたが、勢いそのまま結界に飛んでいく


 叩きつける勢いで蹴ったけどアレンの体は不自然に減速し着地した


「はは、これじゃ分が悪りいな。加護使ってもいいか?」


 どうやら強さを認めてくれたみたいだ


「じゃあ僕もちょっとだけ本気出すよ。負けて海に飛ばされたくないから」


「おう、じゃ遠慮なくいくぜ?」


 アレンの周りに風が集まるのを感じる。僕のとこまで届くくらいには風圧がある


 そういえば加護が風を操るものだっていってたっけ


 どういう使い方かわからない。用心しよう


 ・・・あれ。ちょっと浮いてる?


「いくぜ」


 アレンが正面から突っ込んでくる


 でもさっきと比べものにならないくらいに早い


 これが加護に力!


 早いけどまだまだ対応できる。投げ・・・るのは興がない


 はじいてカウンター・・・


 構えて間合いを取った瞬間、ありえない軌道でアレンの体が僕の側面に移動した


「な・・・」


「おらあ!」


 アレンの蹴りは僕の膝裏を狙ったものだった


 これがアレンの全力・・・


「でもだめ」


「へ?っぐ!」


 僕はそれを躱し、ついでに横蹴りを入れる。今度は完全に捉えている


 アレンは結界に叩きつけられた


 当たる直前違和感を感じたな。たぶん風で勢いを殺そうとしたんだろうけど・・・


 ちょっとやりすぎたかな・・・折れてはないと思うけど


「アレン大丈夫?」


「お、おう・・・こりゃ勝てる気しねえわ。降参だ」


 ケガしてるとこもなさそうだし・・・ちゃんと手加減できたみたいだ


「この勝負タカキの勝ちだ!」


 試合終了と共に歓声が沸き上がった


「ったく、絶対手抜いてただろ」


 う、バレてる


「で?十で言ったらどのくらい本気だった?」


「一」


「百で言ったら?」


「五?」


 アレンはため息ついて村長のほうに歩いていく


 ・・・機嫌が悪くなった、わけじゃなさそうだ


 このままカサンドラさんと連戦かな


 アレンが何やら耳打ちしている。なんだろ・・・殺すつもりでいけとか?


 華蓮は・・・と


 ・・・三人とも僕の事全く見てない。料理に夢中で談笑している


 悲しくないもん

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