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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第3章 「外の世界」
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イズモ様3

 僕は今だ動けずにいる


 彼女の銀、その身から発せられる何かに気おされている


「これは・・・岩?」


「何だここ、とりあえずミンシャのとこ行くか」


 ユンファとジンは動けている


 もしかして見えてない・・・?


 華蓮は・・・


 見えているみたいだ


 イズモ様のことをただ茫然と見ている


「おーい。お前ら何突っ立ってんだ?」


「ジン、見えてないの?」


「あ?何が?」


 不思議そうに首を傾げた


「また私たちに見えないものかしら。でもカレンには見えているようだけど」


「ええ・・・でも見ないほうがいいわ」


 確かに二人には手に余るものかもしれない。そう感じる何かがある


「その通りじゃ。そ奴らにはこの場でしばらく慣らしてもらう。神を直接視るには早いすぎる」


 イズモ様は岩から飛び降り、こっちに歩いてきた


 よく見るとその頭には銀の耳が生えている


 後ろには尾が・・・形は全部違うけど華蓮が異能力を使ったときの姿に似ている


 近づくにつれ息苦しさが増してきた。まるで水の中に突き落とされたような感覚だ


「おや、貴様らもちと早かったか・・・これでどうじゃ、楽になったじゃろ?」


 イズモ様は僕の顔色を見かねてか気をできる限り抑えてくれたみたいだ


 大分ましになった


「はい、何とか。ありがとうございます」


「なあに、気にするな。これから話をしよう者に倒れられてはワシが困ってしまう」


 難儀な神様と聞いてたけど、気にかけてくれるし村長の思い過ごしなんじゃないかと疑ってしまう


 いや、ここからが本番なのかもしれない


「ひとまず座るとよい」


 イズモ様が地面を見ると土が盛り上がって丸椅子ができた


 どういう理屈かはおいておこう。イズモ様が腰を下ろし華蓮と僕もそれを同じくする


「さて、知る通りわしがイズモ。この地を居とする神じゃ」


「僕は貴樹です」


「私は華蓮・・・です」


 な、華蓮が敬語を・・・天津さんにすら敬意を払いつつもため口だった華蓮が!


 さっきまで脱力していた手が拳を握っている


 イズモ様の尋常ならざる存在感に華蓮も気押されてるみたいだ


「よろしい。ふむ・・・また面妖な・・・」


 僕らの服装をちらちらと見ている。珍しい物好きって言ってたもんな


 戦闘服はこっちになさそうだから気になるんだろう


「聞きたいことは山ほどあるのじゃが、まずはどのように壁を抜けてきたか教えてもらおうか」 


 アレンいわく壁のことに詳しい神様だったっけ。それだけ壁に興味があるってことでもある


 僕たちのことを待っていたのもこれを聞くためかもしれない


 詳しく話したいところなんだけど僕にもわからないことだらけなんだよなあ


 すぐに気絶しちゃったし。インシーさんが断罪ではない何かを壁に向かって唱えたことしか


「答えたいのはやまやまなのですが、僕らもよくわからないんです。壁の中で一緒にいた仲間の一人が聞き覚えのない言葉を発したと思ったら壁に穴が開いたんです」


「その時の言葉、一つも覚えとらんのか?」


 そういわれても・・・ああ


「最後に「すべてを開く鍵」って言ってた気がします」


 イズモ様は何かわかったようで天を見上げた


「なるほどの・・・そうか、ようやく重い腰を上げたようじゃな・・・」


 僕たちのあずかり知らないところで何か起こっているみたいだ


 インシーさんのことを言ってるのか・・・いや多分違う気がする


「経緯はわかった。次は中の世界のことを教えてもらおうかの」


「具体的にはどのような・・・」」


「そうじゃな・・・では大戦の後どのような進歩を遂げたか聞かせとくれんか。こことはまた違うのじゃろ?」


 僕の戦闘服を見ながら言う。やはり気になってるみたいだ


「そうですね。中ではこちらのように文明が滅ぶことなく時が進んでいます。」


「さすがに二百年も経てば段違いに成長すると思っておったが・・・その服を見るに中々進んだようじゃな」


 やっぱりこれに興味があるんだ。まって二百年って・・・


「あ、あの・・・ここと中では時間の進むスピードが違うようで、中はまだ七十年しかたっていません」


 イズモ様は鳩が豆鉄砲をくらったような顔をして、また天を向いて呟き始めた


「・・・嘘、ではないようじゃな・・・どういうことじゃ・・・いや、人類が文明を発達させているということは・・・うーむ中に入らねばわからぬな・・・」


 また自分の世界に入ってらっしゃる・・・教えて欲しいけど言えないんだろうな・・・


「しかし、時間を遅らせる壁・・・なぜそのような遠回りな方法を・・・こちらとしては助かるのじゃが・・・うーむ。考えても答えは出ぬな、あの方にお会いできれば何とかなろうものを・・・」


 眉をひそめて真剣に考えているけど、その容姿と足をプラプラさせている仕草に目が行ってしまう


 ・・・カワイイと思ってしまったのは不敬か・・・


「して・・・主らのような混ざり者は中にどれほどいるのじゃ?」


「混ざり者・・・って何でしょう?聞き覚えがないのですが」


 また内外で違う言葉なのかな。混ざり者・・・僕たちみたいな・・・?


「大戦時の己が存在に余る力を宿した者たちのことじゃよ」


「異能力者のことですかね、確か今の人口が一億二千万だったはずのでそれだけです」


 また鉄砲をくらった顔になった。今度は口を開けている


 そしてすぐに、真剣な顔に戻った


「全員・・・か?」


「はい。ですが一部例外がいました。最近知ったのですが」


「・・・そうか。じゃが、例外がいると・・・ならばあの時感じた気は間違いではなかったのじゃな。あの方はまだ健在・・・それは行幸じゃ」


 また、あの方だ。最近そうやって謎の人物出てき過ぎなんだよな・・・


「して、その例外は混ざり者ではないのであろ?幾人ほどいるのじゃ?」


「僕が確認しているだけで六千ほどだと」


「ふむ、それだけおれば存在を隠すほどはできる・・・壁さえ破壊すれば、いや一億・・・か」


 イズモ様は難しい顔している。壁の破壊を目的とされるならば僕らも手伝いたいけど・・・


 でも心配事はそれだけじゃないみたいだ


「混ざり者が対象にならなければ・・・ダメじゃな、不確定過ぎる。じゃが六千で無事ということは可能性はあるか・・・少なくとも弱体化されることはないはず・・・」


 何を考えているのか全然わからない。あの方の存在が重要ってことはわかるけど・・・


 ちょっと聞いてみるか


「すみません。一つだけ聞いてもいいでしょうか」


「なんじゃ、言ってみよ」


「あの方というのは一体誰なんですか」


 イズモ様は僕の顔をじっと見た。透き通った奇麗な赤目だ


 しかし僕のことはお気に召さなかったようだ。そらされた


 ・・・少し辛い

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