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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第3章 「外の世界」
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イズモ様2

 島に続く石橋は普通の物とは違う気がする


「この橋不思議だね。石みたいだけど音が違う」


「そうだな・・・訓練所の壁に似てねえか?」


「ええ、踏んだ感じも一緒だわ」


 華蓮が力を込めて踏んでいる。壊れるかもしれないのに・・・機嫌損ねたらどうするんだよ・・・


 でも、ますます天津さんの知り合い説が出てきた


「天津さんの知り合いかもしれないね」


「そうかもしれないわね。だったらこの先にいるイズモ様って神様もとんでもない人かもしれないわ」


「だな、おれも面識は少ないけど華蓮に稽古つけられるような人だもんな。ちょっと会うのが怖くなってきた」


 敵対したら全員生きて帰れないだろうな・・・


 でも、今回は華蓮について心配することはなさそうだ。自分より強い人には礼儀正しいんだよな


「その天津さんって誰?」


「ユンファはあったことねえんだったな。化け物みたいに強くて拠点も天津さんが用意してくれたんだ!」


「にわかには信じられないわね・・・」


 ユンファがチラッと僕のことをみた


「全部ほんとだよ」


「あなたの周りっていい意味でおかしな人が多いわよね」


 僕でもそう思います


「私の稽古もつけてくれているの。一撃入れられないままお別れはちょっと悔しいわね」


 華蓮は拳で空を裂きながらぼやいた


「あはは、一目でいいからそんな光景見て見たかったわ・・・」


 乾いた笑いをしながらユンファさんは前を向いた


 天津さんに関してはほんとに人間か疑うレベルなんだよな


 あれそういえばイズモ様ってもともと壁の中の神様何だったけ・・・まさかなぁ


 橋を渡り終わるとまた結界が薄く張ってあった。ミンシャもそこで止まって僕らを待っている


「ここまできて通せんぼ?」


「さすがにそれはないんじゃないかしら・・・多分だけど」


 華蓮は結界に触り始めた。硬さを確かめるように・・・


「ダメだよ?殴っちゃ」


「わかってるわよ。いざという時壊せるか確かめてるだけ」


 わかってるんだかわかってないんだか


「待つしかないわね。何もできないし」


「もしかしたらこの結界も見えないようにしてるかもしれないし、ちょっと中覗いてみるよ」


 破れなくても中の様子ぐらい・・・


「あれ、おかしいな」


「どうした?」


「中が全く見えない」


 全部試してみたけど全く見えない、というか真っ暗だ


 こんなこと初めてだな・・・


 華蓮とミンファが何やらはなしてる


「ミンファが異能力使わずに見てっていってるわ。いっつも使ってる未来視も外してみたら?」


「う、うん。わかった」


 なんでかわかんないけどとりあえずやってみよう


 全部リセット・・・


「これ・・・手形?」


 僕の目の前に急に現れた。なんだこれ


「みんなにもこれ見えてたの?」


「それ見えるの貴樹だけらしいわよ。何でかはイズモ様に聞けってミンシャが」


 えっと・・・これ合わせればいいのかな?


 手形に触れてみたら僕の大きさと全く一緒だった。まるで僕を待ってたみたいに


 触れて少し経つと結界が青白く光ってさっきと同じく一部だけとかれた


「不思議ね。タカキだけを待ってたみたいだわ。私たちも村長と同じみたいに通れないのかしら」


 そんな心配はなくすんなり通れ、さっきと同じように閉じっていった


「なんだったんだろ。ほんと」


「こっちに来てからわからないことだらけよ。頭がパンクしそうよ」


 同じく。


「進むわよ。足踏みしててもしょうがないわ」


 ミンシャは先に走って行った


 島の中は赤い・・・なんだこれ、柱と柱を上で繋げた変な形をしているものが乱立している


 門?かな、でも大量にあるし埋まって役に立たなさそうなものもある


 その中に連なって一本道になっていてまるでここを通れと言わんばかりに存在感を醸し出していた


「ここ通ればいいのか?」


 ミンシャはそこを迷うことなく走っていく


 僕らもそれに続いた


 中は木漏れ日がさしてすごく奇麗だ。心なしかあたりが煌めいて見える


「すごいわね。こんなの見たことないわ」


「これ、何かしら」


 華蓮が何か見つけたみたいだ


 札に何やら文字が書かれている。知らない文字だ。ミンシャの顔に張っているものともまた違う


 外の世界には何種類も文字があるらしい


 少し進むと開けた場所に出た


 真ん中に苔むした巨大な岩がある


 その上に少女が座っていた


 見た瞬間感じた。この方がイズモ様だ


 銀の長髪に白を基調とした変わった服


 身長は華蓮くらいだろうか、遠いし座ってるからよくわからない


 ただ、新緑に刺されたその銀は、人ならざる者として僕の目に映った


 息をのむことしかできない


 これが神様っていう存在なんだ。人じゃない


 少女はこっちをみた


「ようやっと来たか。待ちくたびれたぞ」


 イズモ様は儚げに笑った

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