ロッジ村2
外が騒がしくなってきたころにみんなを起こした
コンコン
「おーい、起きてっかー?」
アレンだ
「はい、起きてます」
ミンファが外へ走って行った。家にもどるのかな
「おし、早速行こうか!」
「ちょっと待ってくれませんか、女性陣に支度の時間を・・・」
「おっとそれは失敬。なんか必要なものあるか?」
アレンに水だけ準備してもらった。これで機嫌を損ねることはない・・・はず
「助かったわ、ありがとう」
三人ともすっきりした顔をしている。やっぱ違うんだろうか
「気にすんな、俺が悪かったんだ。姉ちゃんに怒られちまった」
「お姉さんいるんですか」
「おう、おっかねえぞ。カイラスさまの加護・・・ってもわかんねえのか。とにかく馬鹿みてえに怪力なんだ」
・・・それは恐ろしい。気持ちはわかるぞアレン
「んじゃ行くか」
「はい」
「・・・・」
アレンは少し歩いて立ち止まった
「・・・なあ」
「なんですか?」
「すまんが、話し方どうにかしてくれねえか」
なにか気に障ることしたかな・・・
でも機嫌が悪いわけじゃなさそう、少し悲しげな気がする
「ちょっと・・・な、頼むわ。敬語じゃなくていいからよ」
「わ、わかった」
「それでいい。あんたらも同じでいいや」
多分何かあったんだろうけど・・・深くは聞かないでおこう、まだあったばかりだ
アレンに連れられて村を歩いていく
何か騒がしい
「なんかあったのか?」
「あ、アレン!村の近くに銀の獣が七頭潜んでいるようでな。今ティシスが準備してる」
ガタイのいい半裸の兄ちゃんが槍をもって慌ただしく声をかけて回っている
「七か・・・姉ちゃんでもちっときついんじゃねえか?俺も出張るぞ」
「助かる。七頭なんて初めてだ・・・そこのやつら追ってきたんじゃねえだろうな」
「んや、そんなことねえ、俺が空から連れてきたんだしな。お前らちょっと待っててくれるか」
銀の獣・・・ここまで村が騒がしくなるくらいのもの。いったいどんなのなんだろう
「ねえ、それ僕らもついていっていいかな」
一応戦力にはなる。それにアレンに死んでもらっては困るし
「な・・・あいつらとんでもなく凶暴なんだぞ?あぶねえだけだ」
「一応戦えるし、戦力は多いほうがいいでしょ?」
「わかった。頼んだ」
あの森で敵なしだったし、獣ぐらい撃退できるはずだ
「ねえ」
「どうしたの?華蓮、大丈夫だよ。これでも強くなったんだから」
「キキたちが近づいてるやつら噛み殺していいかって」
「え・・・」
「あ・・・」
アレンと僕は顔を見合わせた
「すまん、マジで待っててくれ」
アレンは全力で村を走り回った
どうやら銀の獣はオオカミたちだったらしい
そういえば毛並みが銀だったし、七匹いたっけ
昨日夜だったし色わかんなかったんだろうな、アレン
「何でタカキまできづかねえんだよ」
ジン、心をえぐらないでくれ
だからか、狼たちに嫌われるのは・・・
村のざわつきが収まってきた。アレンが走り回ったおかげだろう
しかし、このざわつき方・・・オオカミたちを村のそばに近づけるのはダメかな
少ししてアレンが帰ってきた
「ふう、危ねえ危ね。下手したら村が滅んでたぜ」
オオカミたちってそんな強いんだ・・・味方でよかった
王国への旅も楽になるのが確定したな
「まさか銀とは思わなかったぜ。昨日ちゃんと見るべきだったわ」
「お前か、銀の獣の主は」
声をした方を見ると、皮でできた防具で身を固めた女性が立っていた
アレンと同じ色の髪をポニーテールにしている
防具の隙間からは美しい筋肉がちらりと見える
これまた我の強そうな女性だ
いった。この蹴りは華蓮だ間違いない
「いや、僕じゃなくてこっちの三人です」
僕はただ嫌われているだけだからね!
「ほう・・・一人はわかるがあとの二人はなにをした」
なんでそんなこと聞かるのか分かんない。でも何か怪しんでいるみたいだ
眼光が鋭い・・・後ろの華蓮もすごい。板挟みなんだけど僕
「なぜだかわからないんですがその、おおか、じゃなくて銀の獣からすり寄ってきたんです」
女性の顔がどんどん近づいてくる・・・いやいやいや近いですって
「ふん。嘘をついてるわけではないな」
背中の汗すごい・・・圧がすごい
彼女のじゃない、後ろの華蓮がとんでもない覇気を突き付けてくる。何でみんな気づいてないの?
女性は府には落ちていないようだったけど村の警備隊?みたいな人たちのもとへ帰って行った
「姉ちゃんがすまんな、最近森が騒がしくてなピリピリしてんだ」
アレンの血縁だとは思ったけどお姉さんだったか
「にしても姉ちゃんのあれに耐えるなんてお前どんな生活してきたんだよ」
「え?あれってなんのこと・・・あー顔近くてびっくりしたねっいたい」
華蓮僕のお尻はサンドバックじゃないです
「ところでお姉さん名前なんていうの?いたい」
「あ、ああ。カサンドラだ」
覚えておこう、おそらくまた話すことになるだろうし
「それで、森に何かあったの?」
「ああ、でっけえカカマクの痕跡が見つかってな。おそらく大森林の方から来たんじゃないかって」
大森林かまだ知らないとこがいっぱいあるみたいだ
「カカマクってなに?」
「ああ、茶色の獣だよ。こう、ちっせえ耳が生えてて鼻がこんな感じで牙と爪が鋭いんだ。こんな感じで威嚇してきて襲ってくる、それもとてつもねえ速さでな」
うん、熊だ
「それくらいなら簡単に倒せると思うよ、あとで案内してくれる?」
「お前死ぬ気か?まじでいってんのか?」
ありえないって顔してる。半分呆れてるな多分
多分華蓮がこの間狩ってきたクマと同じようなものだと思うんだけどな
「華蓮、どう思う?」
「いけそうならキキたちに頼んでもいいわよ?」
なるほど、キキたちならいけそうだ
「やれるか聞いてみてくれる?あ、僕の名前出さないでね」
「キキってなんだ?赤髪の嬢ちゃんどっか向いてるけど」
「ああ、銀の獣に名前を付けてるんだよ。三頭だけだけどね。キキっていうのは群れの主で華蓮の相棒なんだ」
・・・言ってて悲しくなってきた。僕も相棒欲しい。名前つけてあげたい
「はあ、呆れて声も出ねえ、いや、まあ一緒にいたってことは嘘じゃねえのか」
かなり怪しんでるみたいだ
・・・僕らの強さってこっちではどの程度なんだろう。あとでカサンドラさんに手合わせしてもらおうかな
華蓮だとやりすぎるかもしれないし僕がやろう
「名無しの四匹に行かせるって言ってるわ。それでいいわよね?」
「うん、ケガしないようにねって言っておいて」
「キキが大丈夫って言ってたし気にしなくていいと思うわよ。で?狩ったやつは持ってきた方がいいわよね」
そっか、なら大丈夫だね。ほんとに?とか聞くとまたあれ言われるだろうし
「おう、狩ってくれるってんならお願いするわ。村守の連中に伝えとく、入口に持ってきてくれ」
「わかったわ、じゃその通りに」
「よし、遅くなったが村長のとこ行くか。婆も待ってるだろうしな」
遅くなったといてもそこまで離れていないし大丈夫だろう
アレンは行き道、村守らしき人に声をかけていた
青白い顔をしてたけど大丈夫かな・・・
襲わないと思うけど万が一があっちゃいけない、華蓮に釘を刺してもらおう
「村長さんに会うっていうのはちょっと緊張するね」
「機嫌は損ねないほうがいいわね。喧嘩売っちゃだめよ?カレン」
さすがにそれはない・・・はず。だよね?
「そんな緊張しなくてもいいぞ。招待したのはこっちだからな、聞きたいことはなんでも聞きゃあいい」
とはいうもののお偉いさんに会うんだから失礼はないようにしないと
・・・インシーさんと同じような人だったらいいけど
目的地は朝に見ていた大きめの建物だった
家じゃなかったらしい。村の集まりに使うとアレンが言っていた
確かにほかの家と作りが違う。入口が大きくて垂れ幕が下がっている
お寺の本堂みたいな感じだ
垂れ幕をくぐるとすぐ対面
ちょっと緊張しつつ僕らはゆっくりと中に入った




