ロッジ村1
ロッジ村に着いた後、すでに日が暮れていたということもあり用意してくれていた宿に泊まることになった
「新築みたいね」
思ったよりちゃんとした宿だ
扉もあるしベットもある。この文明レベルじゃ考えられないとこだけど
正史とはまた別の進歩をしてきてみたいだ
「まあな、お前らが来るっていうんで急いで作ったんだぜ、村のみんなに感謝しな」
ここ数か月碌な寝方をしていなかったから本当にありがたい
朝にでもあいさつ回りに行こう
しかし・・・
「何で僕たちが来ることが分かったんですか」
「婆の予言だ。詳しくは明日聞いてくれ、ふぁーあ・・・俺も寝みい、ミンシャは・・・赤髪と寝るみたいだな」
華蓮とミンシャが部屋に入ってくのが見えた。大丈夫かな・・・
「わかった。今日はありがたく休ませてもらうよ」
「おう、んじゃ明日の朝に迎えに来る」
おやすみとだけ言って自分の家に帰っていった
さて、休むのはもうちょっとあとだ
「みんな、ちょっと・・・」
部屋に入るとすでに華蓮とジンが寝ていた
・・・緊張感なさすぎるぞ君たち
ミンシャが華蓮の腹の上で寝ている。寝苦しくないのかそれ
「タカキ」
「ユンファは起きてたんだ」
「寝れないわよ。状況の整理だけしましょう」
うん、ほんとに助かる。さすがは最年長というところだ
「そうだね。とりあえず座ろうか」
僕はベットに座った。ユンファも同じく
おっと、ふかふかだ。何でできてるんだろう、バネじゃなそうだし
ユンファも不思議そうに触っている
「思っていたより退化したって感じはしないわ。全部が滅んだってわけじゃないのかしら」
「うん、王国・・・国があるって聞いたしどうにか生き残った人たちがここ二百年で立て直してきたんだろね」
電気、ガスが使えなくなったから、生活水準だけが下がっただけなのか
「でも、ここ以外のところを見ていないからまだ決めつけるには早いかも」
「そうね、王国・・・おそらくではあるけどここよりは大きい町のはずよね」
国っていうぐらいだしなあ。でも中とは比べものにならないような場所のはず
「そうでなくても行かなくてはいけないわ。もしかしたらまた手がかりをつかめるかもしれないし」
「手がかり・・・アレンが言ってた「神様」だよね。イズモ様って言ってたっけ、どんな人なのかな」
「神様」って単語に聞き覚えはない。イズモにウーシュ何人かいるみたいだ
だったら壁について知っている人もイズモ一人じゃないはず
「どうでしょうね、好戦的でないならいいのだけど」
「確かに・・・華蓮を抑えるのには手を焼くからね」
ここまで敵になるような強者はいなかったけど、「神様」は「加護」・・・異能力のようなものを分けあたられるらしいし、そんなのが弱いわけがない
警戒はしないといけないな。アレンを見てると悪い存在じゃないかもしれないけど、どうなんだろう
「その時は、あなたに任せるわ」
「はは、がんばるよ」
まだ止められるくらい強いわけじゃない。言うこと聞いてくれればいいけど・・・
「とりあえず今後の流れとしては、明日村長さんに「神様」のことを聞いてイズモ様って人に会わせてもらう。それから王国への道を教えてもらって王国へ、そのあとは向こうについてからかな」
「そうね。王国への道が遠くても今はダインたちがいるし、何とかなりそうだわ」
「ここで旅の道具をそれ得られれば上々なんだけど・・・お金無いか」
通貨じゃなくて物々交換であることを願おう
「はあ・・・心配事は尽きないけれど四人いれば何とかなるはずよね」
「バランスいいもんね。過剰戦力ではあるけど」
「それだけ安心できるってことよ。さて私たちも寝ましょう。久しぶりのベット、まだまだ先だと思ってたけどこんなに早く出会えるなんて」
ユンファはそのままベットに顔を埋めた
僕も寝よう
「おやすみ」
「ええ、おやすみなさい」
僕たちは泥のように眠りについた
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夢をみた
湖・・・いや海かな
ぽっつり浮かぶ小さな島
鳥居がたくさん並んでる
奥に行くと社についた
見覚えのあるようなないような、黒い髪の・・・
「彼女を頼みます」
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目が覚めた、時間はわからないけどまだ日は登っていない
体内時計はいつも通りみたいだ
あの二週間から数日は狂っていたけど、十数年の時間はだてじゃなかったみたいだ
今では完全に元通り
まだみんな寝てる
少し散歩し・・・いや顔も知らないよそ者が歩いてたらびっくりするか
千里眼で周辺を見るだけにしよう
村は小さいな。いや、こっちでは普通なのかな
家が・・・二十軒くらいか。ほとんど同じようなものだけど奥に一際大きいのがある。村長さんの家かな
百人いないくらいの規模かな。これはお金は必要なさそう
・・・あれは馬?すっごく大きい。大の大人が三人は乗れそうだ。落ちたら大けがしそう
向こうの森にはいなかったし、クレーターの中特有の動物なのかもしれない
あれ、海の方から船が・・・そういえば漁って暗いうちにもやるんだっけ
海沿いの村だし海産物が主食なのかな。早く食べたい
・・・料理ってどうなんだろ。やっぱ変わるよなあ
作ることも考え・・・何あの魚。見たことないんだけど・・・捌くのは任せよう
「・・・おはようタカキ。何してるの」
「おはよう、周りを見てたんだよ。いろいろ面白いよ、見てみる?」
「ちょっと待って、顔・・・洗えないわね。こっち視ないでおいてくれるかしら」
「わかった」
寝起きの顔を見られるのは嫌みたいだ
ずっとすっぴんのはずなのに、変わらないと思うけどな・・・
それに寝顔は結構見てるんだけど・・・わかんないや
少しして共有した
「・・・やっぱり生き物は大体大きいわね。何で人間は変わらないのかしら」
「生物学的なことはわかんない・・・かな」
そのあともいろいろ見回したけどそこまで気になる点はなかった
衛生観念はまあ、察しの通りだけど森暮らしが長いせいかあんまり気にならない
なんでも焼けばどうにかなるって考えになってきている
「日が昇り始めたわね。いつ来るんでしょうアレン」
ユンファはまだ眠そうだ。またベットに寝ころんだ
「詳しくは言ってなかったし、時間の概念があるか怪しいから何とも・・・僕は起きてるから休んでいいよ」
「うん、助かるわ。ベットってこんなに気持ちよかった・・の・・・」
早。それだけ疲れてたんだろうな
もともと訓練してたとはいえ、ユンファは前線で戦う人と比べると体力が少ない
旅についてくるのも必至だったろうな
進むスピードは考えてたけど、それでも楽なものじゃない
根性がある。かっこいい人だ、ユンファさんは
「寝顔は可愛いけど」
「何がかわいいの?」
華蓮が起きていた。びっくりしたあ
「お、起きてたんだ」
「キキが近くまで来たみたい。村の外に待機しておらった方がいいわよね」
「そうだね。村の人がびっくりするだろうから中に入れるのは村長さんに許可をとってからにしよう」
華蓮はおそらくオオカミたちのいるだろう方をみた
念話しているみたいだ。どこまで届くんだろこれ
終わったみたいでまた眠りについた
ミンシャが抱き枕みたいになってるよく起きないな
華蓮がこっちをチラッと見たような気がした
なんでだ?・・・まあいいや




