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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第2章 「革命軍」
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華蓮VS超人1

 伏兵がいるのがわかり、近くで戦っているメンバーに伝えに行く


 転移のために作った森の広場だ。メイさんが転移の準備をしているはず。手遅れになる前に行かないと


 ハイエナがメイさんを守るように待機していた。ユンファさんも壁を張って守っている。ジンも一緒だ


「ハイエナ!伏兵だ!奥に数人隠れてる」


「おう、わかったちょっくら行ってくる」


 ハイエナは腐っても元特戦だ。並の相手じゃ負けない。というかかなり強い


 数か月一緒にいてわかった、こいつは悪いやつじゃない。ただいたずら好きなだけで、それも場を和ませようとしているからだ


 許しはしてない、でも今では立派な戦友だ


「ジン、進捗は」


 メイさんはこの戦いの中で集中している。途切れさせればその分人が死ぬ


「もうちょっとだ、リーダーに伝えるために一人向かわせた」


 どこかですれ違ったか。でも僕の負担が少し減った、ありがたい


「・・・華蓮はどうだ」


「きっと大丈夫。信じて」


「そうだよな。今は引くことだな」


 あの事件の後すごく仲良くなった。奇襲に慣れているとは言え同性の友人だ。心配になるのは当然だろう


 ハイエナのほうを見てみるとすでに半分倒している。やはり強い。ここは任せて次だ。周りを・・・


 その時とんでもない轟音と共に地面が一部陥没していった


「おいおいおい!ここまでやるかあ!」


 超人がそれに打ち上げられていた。戦闘服が所々破けている


 おって華蓮が穴から出てきた。出力全開だ


 地表に出てきたことによって殺気と重圧がまき散らされた


 圧に慣れている者、もしくはそれに負けない忍耐力を持たもの以外はその場で倒れこんだ


 捜索隊はもちろん無事だ。だてに毎日浴びているわけじゃない。ただ疲れもあるせいで少し動きが鈍くなった


 それは相手も同じだ。議員がいなくなった今、数なんてないようなものになった


 倒れた連中は戦いの余波でそこら中に叩きつけられるだろう


 こっちはもともと多いわけではないので余裕のできた捜索隊員が転移範囲に担いできた


「もう少しで全員揃うぞ。しかしユンファがこの圧に耐えられるとな」


「私も不思議ですよ。この間耐えられたのが少し効いているみたいです」


 タイガーさんは不思議そうにしていた。すでに超人対峙していることを知らないのか


 しかしユンファさんも自分のことながら不思議らしい。多分だけど普段から華蓮と一緒にいたせいだ。華蓮は常時エネルギーを纏っている。本当に少しではあるけどそれを浴びて無意識のうちに慣れてしまったんだ


 華蓮と超人の殺し合いが再開して衝撃が起き始めた


「衝撃は私が打ち消します。直接ではないので耐久もそれほど減らないでしょう」


 ユンファさんは全方向に張っていた壁を戦いの方向に集中させる。そしてその前方に隊長が立った


「何かが飛んで来れば、私が対処しよう」


「おいおい、俺を忘れんじゃねえぞ」


 負けじとローガンさんも前に出た。気づけば全員揃っている・・・いや何人か顔が見えない


「怖気づいて早々に下がったのは果たしてどこの誰だったかな?」


「は?俺はみんなを守るためだな!?」


「うるせえから黙れ!!!」


 メイさんが聞いたことのない声で二人の言い争いを止めた


「お、おうすまん」

「これはすまぬ」


 女性は強い。僕の周りは何でこんなにたくましい女性が多いんだ


 有栖で・・・いや、あの子も鬼だった


「はあ・・・準備できました。いつでも飛べます」


「飛んでください。私は残って華蓮の援護をします」


「・・・わかりました。すぐに戻ります」


 そのまま気絶したメンバーと捜索隊を連れて拠点に飛んだ


 残ったのはインシーさん、隊長、カーリアさん、ユンファさん、ジン


 ローガンさんは戻った。インシーさんと一緒にいなくなってしまうのはいけない、指揮官は必要だ


 僕らは華蓮の戦いを見守り、隙があればインシーさんの異能力を使う。メンバーがいない今守らないといけない者はいない。戦いに集中できる


 ・・・いや、待てよ


「何で、ジンが残ってるんだ」


 全員後ろを振り向いた


「な、なぜあなたが・・・」


 インシーさんも驚いている。当たり前だジンは帰るべきだったんだから


 しかしジンは固い決意を持った目でみんなを見た


「友達が戦ってんだ。俺が逃げるわけにはいかねえ。死ぬなら共にだ」


 その目に迷いはない。その覚悟に何も言えなかった


 インシーさんは頷きまた前を見る


「では見守りましょう。彼女の戦いを。一応、隙を伺いますがこの重圧・・・宣言できるかどうか」


 インシーさんですら耐えられないほどなんだ・・・


 華蓮の圧に耐える訓練を革命軍全員に義務化した方がいいのかもしれない


「試すだけなら問題なかろう、のちにメイが戻ってくる。それまで諦めるな」


 耐性を付けるために訓練していた隊長ですら震えている。あくまで訓練、本物の前では意味をなさないか・・・それもそうだ。超人の圧は並大抵じゃないんだから


 華蓮は・・・そう華蓮からは何も感じない。それが全力の証なんだ。僕はそれを知っている。そしてユンファさんも


「超人、今日は本気みたいね・・・」


「そうですね。それだけ華蓮が強くなったってことでしょう」


 この間殴り呼ばされたことが気にくわなかったのか、それとも政府からの命令なのかどっちかはわからない。でも強者であることに変わりはない


「何であなたたちはそんなに平気なのよ」


 カーリアさんが座り込んで僕たちを見ている。インシーさんのサポートのために残ったはいいもののこれでは何もできないだろうな


「まあ、華蓮の圧のほうが怖かったですから」


「そうね、超人は怖いじゃなくて重いってだけだから」


 何言ってるんだこいつらみたいな顔して一番後ろに下がった


 僕も強くなったとはいえ、二人の戦闘はやはり見えない


「インシーさん見えますか?」


「いいえ。これを捉えられるのは光速だけでしょうね」


 「光速」評議会第三席イブヌ


 東南列島連合出身の異能力者


「ここにいないのは幸運と言っていいのでしょうか」


「彼が来たとして倒されてしまったら評議会が大幅に弱体化してしまいますからね。今でさえ上位十席の半分はいなくなってしまったのですから」


 私が言うのもなんですがねと笑う顔は引きつっている。そういえば第七席だったっけ・・・


 天津さんとの稽古は天津さんがほとんど動かなかったから姿が少し見えていただけだ


 でも・・・ちょっとは追えるようになったと思ったんだけどな


 眺めることしかできない自分が情けない

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