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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第2章 「革命軍」
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ジン

 僕は華蓮らが転移してから少し後に行こうと待っていた


 ピンポーン


 インターホンが鳴った。珍しい来客だ。部屋に残っていてよかった


「はい」


「今いいか」


 ドアを開けるとジンがそこに立っていた


 どうしたんだろう


「うん、いいよ」


「お、サンキュ」


 そのまま部屋に入れてドアを閉めた


「そこ座って」


 ジンに椅子をすすめて飲み物を冷蔵庫に取りに行く


「最近捜索隊と一緒に訓練してるらしいな」


「そうだけど・・・あ」


 ずっとジンとヨウさんの三人で訓練してたから今ジン一人なんだ


「ごめん。正直忘れてた。自分のことでいっぱいいっぱいだったから」


「ああ、それはいいんだ。どうだ、訓練」


「すごくきついね。初日から逃げ出したくなったよ」


 ジンの前にお茶の入ったコップを置いて僕も椅子に座った


 なんだか今日のジンはいつもと違うような気がする。覇気がない


「だろうな。見てるだけで背筋が凍る」


「ジンも誘われたことあったの?」


 もしかしてジンも逃げ出した一人かな


「え?いや。俺はそもそも誘われてない、小さすぎるってさ」


「あー確かにまだ中学生の年だしね」


 ジンは僕より余裕があるから忘れるけどまだ華蓮と同じ十五だ


 ・・・なんで僕の周りの年下はこんなに頼りがいのある人ばっかりなんだ。立つ瀬がない


「そんなこと関係ないと思ったけどお前見てたら考えが変わったよ」


 憐みの笑みが心にくる


「ちょっとまねしてみたら?」


「やろうとしたけど怒られたよ。半端者がするなってさ」


 タツマさんも厳しいな。でもあの訓練は本当にきつい、僕でもきついのにそれより下のジンがついていける気がしない。華蓮は別として


「そっか。今は一人で訓練してるの?」


「ああ、体作りしかできることがねえからな。ヨウは死んじまったし、誰かさんには忘れられるし」


「ごめん」


 ・・・なにもいえない。これには声を掛けられない


「あ、攻めてるわけじゃねえぞ。勘違いすんなよ」


「うん、わかってる。ジンは優しいからね、冗談だと思って聞いてたよ」


 あの時励ましてくれたジンだ。きっと僕のことを責めることなんてない


 それだけ優しいんだ。彼は


「ユンファさんとはどうなの?」


「あいつはそもそも戦闘員じゃねえからさ、実行部隊にはいるけど異能力で盾張るだけだ」


 確かにユンファさんが戦ってるとこ見たことないな


「戦い方を教えてくれる人がいないんだ。俺はヨウのスタイルがあってたから稽古つけてもらってたんだけどよ。ヨウはシェンさんに教えてもらっていたからさ」


 シェンさんか。予知で地下街を見つけて革命軍をインシーさんに託したひと


 ヨウさんは革命軍が出来上がる前から活動していたんだ


「ほかの人は?ローガンさんとか」


「体格的に合わないだろ。それに異能力の系統が違いすぎる」


 ジンの「斬波」は空気の刃を飛ばして攻撃する


 ヨウさんも異能力で炎を飛ばして戦うのが主な戦法だった


 放出系で格闘もできる異能力者は革命軍にもういない


 大体の放出系は砲台のような役割だ。稽古はつけられない


「そうか・・・僕に教えてくれたのも異能力を使っていないときの戦い方を身に着けさせるためだったもんね」


 そうなると


「僕じゃないとできないってわけか」


「いやお前とじゃ俺が強くなれねえ」


 いくら優しかろうとこれは本音だ。何も言い返せない


 捜索隊の人に頼もうにもなあ


「いっそタツマ隊長に頼んでみるとか」


「いうだけ無駄だ。特戦にいるのは政府が決めたことだから仕方がなえけど女が戦いに参加すること自体は許せないらしい。前時代的な考えすぎるぜあのおっさん」


 ああ、タツマ隊長の考えもわかる。僕だってできるなら華蓮を戦場に行かせたくない


「そうだよね。女の子を・・・ん?今なんて?」


 なにか重要なことを聞き逃した気がする

 

「え、なにが?」


「え、だって女が戦いにどーだこーだって」


「ああ、タツマさん一級異能力者の暴走で奥さんと子供なくしてんだよ。だからだろうな」


「そうだったのか・・・それもそうだけど。ちがくて」


 汗が噴き出してきた


「お前大丈夫か?」


 こいつおかしくなったんじゃないかって顔してる


「なあ、ジンさんや」


「ん?なんだよ」


「もしかしてジンさんって女性の方だったり・・・」


「はっ・・・・え・・・」


 こいつマジかよって顔したジンが椅子から立って後ずさりした


「お前・・・まさか・・・」


「ごめん。今の今まで男だと思ってた」


 顔面に蹴りが飛んできた。手加減など知らず、思いっきり


「信じらんねぇ!なんだ!?お前!確かに女らしくねえことは認めるけどよ、それでも間違えることねえだろ!!!」


「いや、だって。m・・・


 腹にフックが入った。もちろん手加減なしに


 ジンは胸を腕で隠して顔を真っ赤にしている


「お、おれだって成長中なんだよ!!華蓮が発育よすぎるだけなんだからな!!」


 あ、これダメだ。何言っても地雷踏み抜きそう


「二人で何してんのよ」


 気づけばジンの後ろで華蓮がベットに座っていた


「来るのが遅いと思って戻ってきてみれば」


 華蓮が怒っている気がする。だってめちゃくちゃにらまれてるもの


「聞いてくれ華蓮!こいつ今まで俺の事男だって・・・」


 泣きかけのジンを見て華蓮が驚いた顔をした


 そして僕をもう一度睨みつけた


「あ、いや。ちがくて・・・」


 何も違うくない。全部僕が悪い


 華蓮はジンの肩を抱いた


「最低」


 それだけ言ってジンと共に転移していった


 ・・・・やってしまった


 いやだって・・・いや何も言うまい


 全部僕が悪いんだから


 きっと華蓮からおしかりがあるんだろうな


 もしかしたら有栖に嫌われるかも・・・


 はあ。何で気づかなかったんだ。初対面で透視・・・は殺される


 ああ、もうどうにでもなれ


 

 しかし華蓮は帰ってこなかった


 そっちの方が怖い


 今日は向こうに行かないほうがよさそうだ


 自分のベットで寝たかったな



 僕は枕を涙で濡らしながら明日を待った


 きっと三人に詰められる明日を


 休息日だというのにしごかれる明日を



 生きていることを願おう



 おやすみなさい


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