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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第2章 「革命軍」
50/100

休暇7

 時刻は午前五時六分


 目が覚めたら目の前に華蓮がいなかった


 その代わり背中に華蓮がいる


 僕の体は華蓮の両手でがっつり捉えられていた


 動けない・・・


「華蓮、華蓮さん。起きて」


「う、んぐふ」


 情けない音が聞こえる


 とりあえず布団をはがすことにした


 暖房はつけてない。寒くて起きるだろう


 結果・・・起きなかった。代わりに僕の背中とお腹が悲鳴を上げている


「ギブギブ!!!華蓮!おきろ!」


「ん、んん。さむ、むん。うう?たかき・・・うん?」


 かなり寝ぼけているけどようやく話してくれた。力加減を覚えてなかったら今頃天に昇ってただろうな


 そっとベットから降りたけど華蓮は体を起こした


「・・・どこ行くの?ん、あう。ん?」


「ごはん買いに行ってくる」


 もはや自分で何言ってるかわかってないなこれ


「ん、行ってらっしゃい」


 それだけ言ってまた垂れ込んで寝息を立て始めた


 昨日起こしてと言われたけどこれどうしたもんか


 いってらっしゃいって言われたけど覚えてなくてまた何か言われるかもしれない


 よし、起こそう


「華蓮、昨日起きるって言ってたでしょ。起きないの?」


「んんぐふう、んん」


 起きない。ちょっといたずらしてみるか


 とりあえずほっぺたつんつん


「う、んにゃんんん」


 ネコ科?


 次何しよう。初めてこんなことするからレパートリーが少ない


 耳ふーでもしてみるか


「ふーーーっんで」


 おもいっきり裏拳が飛んできた。脇腹が、脇腹がああああ


「むん。はふー・・・んぐ」


 何かされてるってのはわかってるみたいだけど起きない


 いつもちゃんと起きてくるのにな


 ああレンジの音がないからか、食いしん坊め


 耳で起きないんなら脇でもくすぐってやるか


 仰向けになった華蓮の横に座って準備完了。よしいくぞ


「な、なにしてんのよ」


 急に起きた。さっきからずっと起きてたみたいに急に覚醒した


「いや、起きないから脇でもくすぐろうと思って・・・」


 これは殴られる受け身とる準備しないと


「へんたい」


 それだけ言って部屋から出て行った


 ええ~・・・


 まあその通りか。仕方ない甘んじて受け入れよう。殴られなかったのは不幸中の幸いかな


 それから着替えて外に出るとすでに華蓮が着替えて待っていた


「あ、さっきはごめん」


「・・・いい。さっさと行くわよ」


 そのまま陣のある部屋に歩いて行った。なんだか昨日から優しいな


 まあいい傾向ではあるんだけど無理して爆発しないか心配だ


 有栖はまだ起きてなかった。昨日も昼まで寝てたしまだかな


 僕らは拠点の部屋に転移した


「おはよう。二人とも朝早いね」


 部屋で有栖が待っていた。まったくの予想外。華蓮も驚いてる


「おはよう。よく起きれたね有栖」


「昨日たんまりもらったから全回復したの。いつもこれくらいに起きてたからこっちが普通よ」


 そうなんだ。昨日は疲れて寝てただけだったんだ。僕の血ってそんなにすごいんだな


「ごはん買いに行くけどくる?」


「いく!」


 三人でショップエリアに向かうことにした


 まだ朝早いし軍も休みだから上階はほんとに静かだ


 下の階はいつもの通りちらほら人いる程度だ


「有栖は何食べる?」


「ん~ハンバーグはもあれ以外食べられないしなぁ。貴樹がつくれないものってここにある?」


「大体は作れるからなあ。うーん生ものは誰がつくっても同じだけどこの時間はないし。あ、パン見てみる?」


 パンなら作れないしいろいろ乗せるのも簡単でいい


「ピザトースト久しぶりに食べたい」


 華蓮も乗り気らしい


「じゃあ今日はピザトーストにしようか」


「貴樹がつくるなら絶対おいしいよね。たのしみだなあ」


 弁当よりちょっと時間かかるけど休みだしいいか。どうせ昨日みたいに時間余るだろうし


 というか何か作れたんじゃ・・・いや、もうピザトーストの口になっちゃってるしみんな乗り気だからいいや


 食パンとトッピングをいくつか買って戻ることにした


 まあ結構な量だ。華蓮が二斤買い物かごに入れた。そんなに食べきれるのかな・・・残ったらお昼もピザトーストだからね


 作るならオーブンがある有栖の家がいいってことになって転移した


 トッピングはお任せだ。個性が出ている。華蓮はチーズ多めだ。有栖はソースのほうがちょっと多い

 

 オーブンの中のトーストを見て有栖が目を輝かせてよだれを垂らしている


 焼き上がりのトーストを手に持ってやけどしそうになった。危ない危ない


 初めてのピザトーストはお気に召したらしくすぐに食べ終わって二枚目を作り始めた


 有栖は最終的にチーズ多めに落ち着いた。華蓮のおいしそうに食べる姿につられたんだ


 華蓮の食べるスピードはすさまじかった。それによく食べる


 残るだろうと思ったけどほとんど華蓮のお腹の中に収まった。どこに入ってるんだよう、永遠の謎だ


 休憩がてら二人に目の訓練を手伝ってもらえることになった


「じゃあまず「共有視」ね」


「わかった」


 有栖の指示で二人にかけてみる


「異能力を共有することはもうできてるから落ち着いて。相手に自分が見てるものを共有しないように意識して」


 これは華蓮やヨウさん、ジンとの訓練で使えるようになってる


 だからそこまで意識しなくてもちゃんと使える


「じゃあ次はもう一つ使ってみよう。ん~じゃあ「透視」で」


 二人に透視を共有する。これも難なくできた


「いいね。じゃあ次は私たちの目を自分の目だと思ってもう一つ使おう。次は「暗視」ね」


 部屋のカーテンを閉めて電気を消した


 これがなかなか難しい。全くできる気がしない


「自分の目を増やすって感覚が分からないな」


「ずっと二つしか使えないと思ってたなら仕方ないよ。これから訓練していけばいいからね。付き合ってあげるよ」


「私もいいわよ」


「ありがとう、二人とも」


 それから三十分くらいやってみたけど全くできる気配がなかった


 これは一朝一夕じゃできないみたいだ。「共有視」が僕に力を貸してくれなければ多分できない


 もしかしたら完全制御の領域かもしれないな


 有栖も異能力がどんなものかわかってもどれくらいでどの力を扱えるようになるかはわからないらしい 


 とにかく「共有視」華蓮と有栖に一日中かけておくことにして


 最近ずっと使ってた「未来視」は自分だけにかかるようにコントロールしながら生活することになった


 平行して二つの能力を常時使用すると脳にかなりの負荷がかかっているのがわかる


 これに耐えられるようになったら力を貸してくれるかな。がんばろう


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