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閉ざした世界に革命を。  作者: 凛月
第2章 「革命軍」
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休暇6

 さっきの正体は華蓮だった


「何してんのよ」


 眼光鋭く華蓮が僕のことを睨んでいる


「あ、いや。何でもないです」


 有栖は天津さんのほうに逃げていった。気づいてたなら言ってよ・・・


「あっそ・・・体が冷えるわ。終わったから中入りましょう」


「わ、わかった」


 華蓮は汗だらだらだった。ローガンさんのときはこんなにならなかったのにな


 天津さんは汗ひとつかかず服の乱れもない。さすが天津さんです


「華蓮がここまで汗をかくなんて久しぶりに見たよ」


「そうね。ここまでは滅多にないわ」


「すでにお風呂の準備できております。どうぞごゆっくり」


 ・・・アフターケアまで万全。さすが天津さんです


 天津さんはまだ何かやることがあるみたいで外に残った。結界の確認かな


 僕と有栖はリビングに戻って、華蓮は着替えをもって浴場に行った


 部屋ごと持ってきてくれたので服もこの家で揃う。天津さんに感謝


 リビングについてめちゃくちゃ目を輝かせて僕を見ている有栖に気づいた


 さっきのあれかな・・・?


「じゃ、じゃあやろっか・・・?」


 僕はソファに座って首が見えるように服をめくって頭を横に倒した


 有栖は僕の膝にそのまままたがった。あ、ちょっとmt


「いただきまーす」


 有栖のぬくもりを感じながら僕は抗うことなく吸われ続ける。おててはちゃんとソファの上だ


 腕から吸われるよりも首からのほうが吸われてるって感じがある


 頭がふわっとなるけどつらくはないし気分も悪くならない


 普通に血を採られるのとは違う感覚だ


 これは逆に快感かもしれない


 あれ、いつもよりちびちび吸ってる気がする


 高級感があるって言ってたから味わって飲んでるのかな


 数分して口が離された。そして有栖は急ぐようにソファに座り直った


 なぜか正座してる


 直後後頭部に痛みが走った


「何やってんのよ」


 ちょっと怒気が混じった華蓮の声が聞こえてきた


「な、何もしてないよ?後ろめたいことはなにも」


 有栖は何も答えない。そっか有栖は後ろ向いてたから華蓮の顔を見てるんだ


 振りかえったらとんでもない顔をしてるんだろうな・・・


「はあ・・・ま、いいわ。喉乾いた」


 あれ、許された。なんでかわからないけど助かった・・・


 華蓮は冷蔵庫のほうに歩いて行った


 有栖のほうを向いてみるとふうと息をついて天を仰いでいた


 どんな顔してたんだ華蓮


 時間を見たら三時前だった。そろそろ夜の準備始めようかな




 僕がキッチンのほうに行くと冷蔵庫の前で華蓮が不機嫌そうに飲み物を何でいた


「なに」


「いや、夜の準備始めようとおもって」


「よ、よる?」


 なんで驚く。もしかして忘れてるのか


「今日はいろいろ作るからそれの準備だよ。下ごしらえとかやっておこうと思って」


「あ。ああ、そうね・・・何か手伝えることある?」


「んー今はいいかな。あとでハンバーグづくりしてもらうからそれまで休憩しておいて。稽古で疲れてるでしょ?」


「ん、わかったわ」


 うん。しっかり手伝ってくれるみたいでありがたい


 有栖も多分手伝ってくれるだろうしやりやすいようにしておこう


 ケーキは・・・スポンジだけ焼いてあとは任せることにするか



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 午後二十一時


 にぎやかなクリスマスパーティーも終わった


 プレゼントなんかはなかったけど二人とも満足してたから僕もいい気分だ


 驚いたのは有栖がクリスマスを祝うのが初めてだったこと


 それでもすごく楽しんでくれたからよかった


 今日の後片付けは僕だけでやることにした。二人は今仲良くお風呂に入りにいった


 あとは寝るだけだ。明日まで休暇だし今日も自分の部屋で寝ようかな


 さすがに華蓮も部屋で寝てくれるだろうしゆっくりしよう


 明日は有栖にも訓練手伝ってもらおう


 ・・・あと何しよう。急な休暇って何したらいいかわかんないな


 まあ明日考えるか


 二人ともお風呂から出たみたいでリビングに戻ってきた


 有栖の髪がまだ濡れている


「貴樹ー髪の毛乾かして!」


「いいけど急にどうしたの」


 華蓮は仕方がないなって顔している。いや、やるの僕なんだけど


「冬なんだから早く乾かさないと風邪ひくよ」


「じゃあ早くして~」


 お姫様がもう一人増えてしまったようだ。一昨日華蓮にやってあげたのを有栖が聞いたんだろうな


 僕は片付けを中断して有栖の髪を手入れすることにした


「あー、髪の水分くらい向こうで取ってきなよ」


「華蓮にはここからしてあげたんでしょ~私もしてほしいな」


 ちらちらとこっちを見てくる。やらないわけがない


 有栖の髪も華蓮と同じくらいにはきれいな髪だ


「有栖は美容院とか行くの?」


「行かないよ。私は血吸ったら髪奇麗になるの。便利でしょ」


 美容師泣かせの有栖ちゃんだった


 それでも適当にってわけにはいかないから丁寧に手入れしてあげた


「これはいいね。毎日してもらおっかな~」


「自分でやりなさい」


「いてっ」


 華蓮にデコピンされておでこを抑えている。かわいい


「じゃあ僕は片付けしてお風呂入るから二人とも湯冷めしないうちに寝るんだよ」


「はーい」


 有栖は元気よく返事して華蓮は母のような表情でそれを見ている。年上だからねその子。かわいいけど


 あとちょっとで終わる皮付けに戻ってさっさと終わらせる


 許可ももらったし毎日この家のお風呂に入られるのはかなり嬉しい


 革命軍の皆には申し訳ないけど使わせてもらおう


 あとから聞いた話だけど拠点にも大浴場があったらしい。まじか


 お風呂をでてリビングに行ったら二人とももういなかった。部屋に戻ったみたいだ


 水を少し飲んで僕も寝ることにした


 部屋に入ったら華蓮がベットに座ってた。今日もか・・・


 それになんかにらんでるし。さっさと電気を消して顔を見ないことにした。暗視もなしだ


 狭いベットで二人横になって寝る。明日からは拠点で寝よう


 今日はなんだか目がさえてるみたいで華蓮は中々寝なかった


 明日も朝から訓練だ。僕はそのまますぐに眠りについた


 華蓮に殴られる夢をみた。今日は不機嫌だと思ってたから出てきたんだろう


 痛かった

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